現在事務所には所長と僕ともうひとり弁理士がいる。
そのもうひとりの弁理士が退職することになった(驚いた)。
ここではAとしておこう。
上に気に入られて評価され給料も多くもらっている、という人はけっこう存在するはずで、Aもそうだ(所長の子供と出身校が同じ)。
Aの実力でほかにいっても今みたいな給料はもらえまいに、退職金(気に入られているためかどうやらそこそこもらえるらしい)と事務所の存続年数を秤の一方にのせた模様。
子飼いの所員に手を噛まれても、
「彼にもいろいろ事情があるから」
という所長だが、ま、いい。
事務所的には、これでかなり身軽になったはず。
事務所はそんなに長く続かないだろうが(それでもAがいなくなることで寿命はのびると思う。ちなみに所長は僕に、もちこたえるようにすると言ってた。)、そして所長になにかあったら僕が事務所の仕事をかかえこまなくてはならない、というリスクを背負うことになったが、その一方で、たとえば事務所が閉鎖される場合、今の最大のクライアントは僕が引き継ぐことになる可能性が高い。
独立も視野に入れてこれからのこと(もちろん何年先になるかわからないし、今後どう転ぶかも知れないが)を考えることになりそう。
去年の今頃は、事務所がこんなにほころぶなんて誰も思ってはいなかったろう。
なにが起こるかわからないね。
もちろんこの先僕自身になにが起きるかだってわからない。
不確定な未来に、継続幻想を抱きながら備える。
これがアリさんの生き方。
不確定な未来に継続幻想を抱きながら、現在の快楽をむさぼる。
これがキリギリスさんの生き方。
僕は、人生という虚無の中に、そのどちらでもない姿勢で立っていたい。