従妹弟たち | 幸せな顔をした人のいない競馬場

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~でもあなたはしあわせでありますように~

母方の従弟が結婚するんだそうだ。


はやすぎないか?


でもあいつは子供のころから墓地で花火するのが好きだったからな。


驚くことではないのかもしらん。


彼が鹿児島で公務員になるとき、ってほんのわずか前だが、他人に助言などめったにしないし、そもそもできない僕は、いずれ幹部になるであろう従弟にこう言った。


足をひっぱる人間が必ず現れるが、もしお前が崩れるとしたら自滅だけだよ。

それだけ気をつけてがんばって。


本当に闘わなければならない相手は自分だけなのです、従弟にもわかってはいるだろうけど。


結婚式の招待は、申し訳ないけれど断ることにした。


この夏は父の一周忌、新盆と長崎に帰ることが多く、その間に鹿児島に行くのは正直しんどい。


すまんな。


でもお前は僕とは違ってしっかりした考えをもち、地に足のついた生き方のできる男だから、大丈夫だろう。


幸せな家庭を築いてください。


今後お前と会うのは、よほどの場面に限られると思うが、元気で。


もし、自ら命を絶つくらいに追い詰められたときは力になるよ。


お前の父親はガキの僕にたくさんの貴重な体験をさせてくれた。


そのお礼も兼ねて。


長崎行きのチケットはもう手配した。


父方の従姉妹には可愛い子が多い、といっても彼女たちは早婚で、もうほとんど結婚しているけど。


事情があって、父方の親戚とは子供のときから疎遠なのだが、昨年の父の葬儀には全員集まってくれた。


昔僕が一番気に入っていた従妹は、やっぱり今も一番いい感じで、とにかくしっかりした美人さんなのだが、顔や手には疲れがありありと見てとれた。


葬儀の合間にいろいろ話して、大変なんだね、と同情。


彼女の妹は茶目っ気いっぱいの美人さんで、こちらはまだ結婚はしていないそうだ。


父はこの妹の方がお気に入りで、カラオケにも連れて行っていたという話を聞いていたが、父と僕とは女性の趣味がまったく違っていて、父がいいと思う人を僕はまったくそうは思わず、僕に魅力的に映る女性には父は無関心、といった按配で、もし父と僕が夜遊び仲間だったら、喧嘩することなく、実にスムーズに棲み分けができたろう、と想像するのである。


ボディタッチをうまく使う女の人は多く、笑ったときなど自然に体に触れられることがある。


一番驚いたのは、父が気に入っていたこの従妹から、父の遺骨を両手で抱える左腕に触れられたときだった。


この子、明るく笑ってるけど、日常的に相当傷ついてるんだなぁ、と思った。


今年会うときは幸せになっていてほしい、と願っている。


悪い男につかまっちゃ駄目さ。