身内の就職活動に着るスーツをこの間、見立てに行った。

3月位から動き始めるって事で、まだ時間的余裕があってその時は一応下見って事だったんだけどそれはそれは丁寧に、しかも端的に、親切に対応してくれた女性。

どっかの店とは大違いだ(笑)

 

で、昨今のリクルートスーツ事情と言えば

とにかく゛黒執事゛じゃ無いけど、゛黒無地゛が圧倒的なシェアを占めていて、ほぼ100%らしい。

シャツは勿論白無地で、タイは無難なストライプに靴は黒のプレーントゥ・・・これが今の完全無欠なリクルートスタイルなんだね。

こんな店に行くことなんかメッタにないもんだから、興味本位でいろんな事聞いちゃったりして、ごめんなさい・・・

なんて反省もしつつ、たまにはこういう経験も良いものだな、なんて感じの今日この頃・・・

 

そんなタイミングで、たまたま今日ヤフーニュースに資生堂の就職スタイルの記事を見つけた。

「面接は私服で・・・」ってものだ。

 

「私服って、そもそも私服だろっ!」ってツッコミはここでは置いといて・・・

 

もしかしたら一生を決めるかもしれない、学生にとってはその学生生活の集大成でもある就職活動での面接。

遊びじゃないんだから、大事なイベントなんだから真面目な恰好をしていくのは当たり前で、それまで茶髪だったチャライ兄ちゃんは黒く染めなおしてビシッと刈り上げ、怪しいビームを飛ばしそうなネールを引っぱかしてやんわりとクリアーに仕上げた姉ちゃん。

こうして、゛誠実さ゛をアピールして各自面接に臨むわけだ。

で、その中の1つとしてリクルートスーツがある。

言ってみれば、つい昨日までの自分を隠す、ごまかすシェルターでもある。

そんな訳だから、十羽一絡げ当たり前のように黒無地のスーツで勝負に出る。

もはや、ユニフォームって訳だ。

で、このリクルートスーツがユニフォームとして認知されちゃってる節もあっての、さっきの「面接は私服で・・・」ってコピーに誰も違和感を感じないのかもしれない。

 

で、うちの身内はこんなおしゃれなおじさんもいるってのに(?)本人まるで洋服に興味が無いようで、その店に行っても着せ替え人形と化してた。

ただ、仮に洋服に興味があったとしても

いざスーツ!ってなりゃ誰でもそうなるとは思うんだけどね。

で、どうして良いかわからない原因にこういうのがあると思うんだ、日ごろドレスアップなんてまずしないしね。

 

良く、オンとオフの服装を呼ぶにあたって

オフの服装は゛カジュアル゛って一言で通じるけどオンの服装の場合説明しずらいでしょ?

これに当てはまる言葉としては、゛ドレスアップ゛ってのが適当だと思うんだけど、中々言いづらいし更には日本人得意の略すってのもゴロ的にチト難しい。

゛ドレア゛ってのも叫んでるみたいだし、何気にドラゴンズっぽいし

゛ドアップ゛なんてとてもじゃないけど4Kに耐えられないでしょ(笑)

そんな訳で、一番言いやすいのが゛フォーマル゛になるんだよね。

所が、このフォーマルってのはドレスアップとはかなり違うし、何なら面接にフォーマルウェアで行ってごらん?

劇団の面接じゃないんだから!って速攻でツッコミが入っちゃうから(中にはユニークな企業が採ってくれるかも・・・なんて事はないね)

 

じゃ、何で多くの人がドレスアップとフォーマルをイッショクタにしちゃってるかって言えば、自分が考えるに

゛正装゛と゛盛装゛にあると思うんだ。

どっちもSEISOUでしょ、感じで書くと゛正゛と゛盛゛の違いがあるけど発音はSESOUな訳で、これが口伝えでゴチャゴチャになっちゃったんじゃないかって思うわけだ。

 

じゃ何が違うか?

゛正装゛はバックリ言えば、きちんとした格好で゛盛装゛は華やかな場での服装って事になる(何々式って付く場って言えばわかりやすいかな?)

オンとオフで分けた時のオンに当てはまらないにしてもホテルでディナーを食べる時は゛正装゛が必要だけど盛装の必要は勿論ない。

ホテルで結婚式、披露宴ともなれば(披露宴では最近、そこまで堅苦し・・・だけど)フォーマルな装いが必要だ。

 

そんな訳で、わずかな違いと思うかもしれないけど、ここには果てしない隔たりがあるんだね。

 

仮に(そんなことはあるわけないけど)

猛烈箱入り娘で、小さい頃から親に色々なパーティーに連れていかれてドレスばっかり、要はフォーマルウェアばっかり着てきて、就職活動はフォーマルじゃ無きゃいけないって事で面接に真っ赤なドレスを着てっちゃった・・・

これ位の違いがあるんだよ。

 

で、最初に話した店の女性もドレスアップの事をフォーマルって言っちゃってたけど(多分ドレスアップって言っても通じないと思ったから、誰もが使ってる言葉で表現したんだと思う)ココントコの違いを、日本全国民に直してほしいと思うわけだ。

 

同じような勘違いに

゛ブラックタイ゛ってのがあるけど、皆さん知ってるかな?

流石に今の時代だと理解している人の方が圧倒的に多いと思うけど、これは

「黒いタイをして来い」じゃ無くて

「タキシード」を意味しているんだよね(ブラックスーツでも良いんだろうけど)

 

そんな訳で、外国人観光客がこれからもっともっと増えて、来年はオリンピックだし、そんな場も猛烈に増えていくと思う。

何かのイベントに呼んで、外国人に?って思わせたり、はたまた恥をかかせちゃったりの無いように、ソコントコもしっかりと

お・も・て・な・しの一環として踏まえた方が良いと思う。

 

で、話はクルリンパと変わって・・・

其の店で聞いたように、ほぼ黒無地が100%って事なんだけど

反体制派のオッサンは当然のことながら

「じゃ、グレーとかネイビーとか着てったらどうなるんだろうか?」

って考える。

ちなみに、いつ位から黒一辺倒になっちゃったんだかわからない(21世紀に入ったころか?)けど、昔のど定番はネイビーだったんだよ、もちろんグレーだって何の問題も無かった。

 

こんな傾向に、なんか日本の憂鬱を感じちゃう。

って言うのもおそらくアレでしょ?

誰もを横並びにしようとする教育だよね。

みんなシンデレラ、みんな一等賞ってヤツ。

個性がなくなり、競争心がなくなり・・・ってなったら当たり前にみんな一緒になっちゃう。

そして、みんな黒無地のスーツを着て同じ答えを言って会社に入って通勤時にはみんなスマホいじってる・・・

休みの日にもみんなで同じ格好して。

 

リクルートスーツ1つとったってそんな事を感じちゃうんだから、学校の先生とか、会社の上司とか、そういう人達はどれくらい感じてるんだろうね?

 

この間、゛死んだ目が出来る゛俳優が逮捕されちゃったけど

日ごろ歩いてると、死んだ目の若者があっちこっちに居て、こんなんじゃだけでも俳優になれるんじゃないかって思っちゃうけど、って思わないけど、とにかく個性がない若者が多すぎると感じる。

 

もうすぐ、って言うかすでにか?

面接をする側もそういう世代になって来て、安心安全な学生を採ろうと、差しさわりの無い人選をしようとして、そうして入社すれば

パワハラ、セクハラ防止のコンプライアンスがどうしてこうしたって、何だかこうなってくるともはや生身の人間が必要なくなってくるんじゃないかって本気で思えてくる。

※決してハラスメントを肯定している訳じゃないので、悪しからず。

 

何十年後かにAIの割合が・・・って言われているけど、こういう差しさわりの無い学生を優先して・・・って事ならAIが最も端的に人選出来るかもね。

そしたら人事部に人がいらなくなっちゃう・・・

もはや人事部じゃない?

 

そんな話にまで飛躍しちゃった今日の話だけど

もしも自分が面接官だったら、黒のスーツの学生よりグレーやネイビーの学生を採るかな?

「弊社志望の動機は?」なんていう月並みな質問よりも

「皆さん、黒のスーツですが何故グレーなのですか?」

な投げかけの方がよっぽど意味がありそうじゃない。

 

ま、いないんだろうね・・・