今日は
"L.L.BEAN BEAR"の紹介をしたので、その流れで。
で、このベアーは86年の
"HOME AND CAMP SPECIALTIES"と言うカタログに載ってるもので、其の他にも中々面白い物達がラインアップされている。
ビーンの世界が全て詰め込まれているって言えるほど楽しいカタログだ。
カレンダー、デコイ、ロッキングチェアー、ベッドリネン、薪、ドッグベッド、リヤカー、もちろんハンティングシューやウェアにゲームも・・・
゛ニューイングランド゛な生活感を思わせるその数々の商品に統一感があり、ロブスターの缶詰なんかもあって地球の反対側に居ても古き良きアメリカのライフスタイルを垣間見ることが出来る。
86年、まぁビーンに限った話じゃ無いけど33年前ってこんなにゆとりみたいな余裕みたいなのがあったんだね。
ワタクシはと言えば大体20台の半ば、今は死語になってるのかもしれないけど、
「洋服バカ」な一面もありの、ちょうどラルフ・ローレンをかじっての頃かな?
実は、って前も言ったと思うけど、学生時代にビーンでバイトしていて、そりゃもう30年以上の゛お気に入り゛って話だよ。
そんな訳で、今じゃ考えられない(日本ではまだまだアングラな存在でもあった)当時を回想してみようと思う。
その86年からさかのぼる事約10年、現在゛プラザ゛って名前になってる前身、まだソニーが資本だった頃の゛ソニープラザ゛が
ビーンの代理店(正確にはニュアンスがちがうようだけど)になった。
それまでも一部のインポートショップに人気のトートバッグやシューズが置かれていたはずだけど、日本に初めて"L.L.BEAN"と言うメーカーが紹介されたわけだ。
第一号店は確か銀座のソニービルで、当時のヘビーデューティーブームもあって高価なのに良く売れたらしい(その頃のレートは1ドル300円!)
それに合わせて、全国のソニープラザでも主要アイテムを置いていて、日本単独のカタログ(何と有料の500円!)で通販も出来る仕組みだった(もちろん現金書留で)
で、ある日アメリカからビーンの偉い人が来て
「口紅の横にうちのハンティングシューを置いてあるなんて一体どういうことだ!」って言うお怒りの一言があったらしく(?)中途半端な展開をやめて、単独店舗に集約することになった(らしい?)
らしい、らしい・・・ってやたら曖昧だけど、当時の人から聞いた話の受け売りなんで、細かいところは突っ込まないでね(笑)
で、一応単独店舗の体で
"L.L.BEAN SHOP"として二子玉川、通称ニコタマに店が出来た。
とある日・・・
大枚はたいてハワイ旅行なんか行っちゃった一文無しの学生は
何かバイトしなくちゃってことで、何気なくニコタマに向かい高島屋のバイト募集掲示板に。
そしたらさ、ピタリの店が募集してるじゃないか!
その名は
"BIG OAK"(ビーンじゃないのかい)
当時のニコタマを知ってる、そしてアウトドア好きな、しかもこんなブログを読んでる、かなり変態変人なオッサンには激しく懐かしいと思うけど、確か今はハンティングワールドになってる西館の角が
ビッグオークって言うアウトドアショップだったんだよ。
やたら広い店で、奥でコーヒーも飲めて、品ぞろえも凄く豊富で
好きな人間にはたまらない店だった。
ちなみに当時ビッグオークで買ったコールマンのランタンは現役だ。
「こんな店で働けたら楽しいよな~」って訳で、早速話をしに向かった一文無しの学生だ。
当時は、履歴書的な、そんなもの何もなく行っちゃってたんだから
こりゃヤッパリおおらかな時代だね。
所が、ところがだ!
「担当がいないので出直してくれ」と・・・
どうなってんだよ、ったく!
コチトラ一文無しの学生だぞ、ジャケに仕上がって!
とは言わなかったけど、またまた来るのも面倒だし、とにかくすぐにバイト見つけなきゃ、餓死しちゃう(んなことは無いけどね)
そんな訳で、早速掲示板に戻った幼気な学生はココに目を付けた。
"SONY PLAZA"って店・・・ん、何だ?
ってのはチト脚色してて、輸入雑貨の輸入販売ってのは知ってたしビーンももちろん知ってたし、大好きなアメリカンな匂いのする店ってのもある程度は知ってたんで
「まぁ、行ってみるか」
で、何度も言うようだけど、おおらかな時代で手ぶらで面接(笑)
事務所に通されて、店次長って人と暫くまじめな会話を・・・
程なく、(今でも鮮明に覚えてる)襟の長さが20cmはあるような(大げさ)ペイズリーの柄のシャツにベルボトムを履いたヒゲボーボーのオッサンがやってきた。
「なんだよお前っ、真っ黒じゃねえかよ!」
っていくら何でも、これが初対面の人間に対して言う言葉か?
って思いつつ(これは2月の話で、学生は真っ黒だった)
「いゃぁ~、旅行に行っていて・・・」
で、どうなったかって言うと
「おめえよ、真っ黒だし明日からビーンだな」
???
そんな訳で、オッサンの昔話に付き合ってくれている敬虔な読者に感謝しますよ、ハイッ!
これがめでたく、バイトが決まった瞬間だったのだ。
(なんか怖いオッサン、実は店長だったんだけど、いくら好きなビーンでバイトが出来るとは言え、何処の誰だかわからない、取り柄と言えば色が黒い小僧にいきなり明日からって・・・不安)