またまた9月に入り・・・みたいな話から入るけど

今年もまた流行語大賞は何?って話題になる。

「このハゲ~!」

「が個人的にはあまりにも印象的で、他に浮かんでこない

けど、もしかしたら

「一線」なんてのも候補に挙がるのかな?

まあ、そんなのは自分に関係ないし、ど~でも良い事

なんだけど、流行語・・・とは別に

「一線を越える、超えない」みたいな曖昧な表現って

もしかしたら日本だけなのかな、なんて思ったりする。


一線を越える・・・ってどういう事なんだろう?

法に触れる?、チト違うかな。

モラルの問題?、これもなんとなく違うかな。

ってか良い意味でも使えるよね、いやいや曖昧曖昧・・・


最近で言えば北朝鮮がそうなんだろうか?

一体レッドライン(一線)ってどこにある?チト違うか。


って訳で、これを洋服で考えてみた。

考えるに、デザインする上での一線は

゛許されるギリギリのライン゛だと思う。

例えばシャツ。

ワークシャツのボタンを猫目の物からシルバーの

コンチョデザインの物に替えたら恰好良くない?

許される範囲だし、1枚のシャツの世界観、背景が

変わるしね。

一方で、ボタンの数を8個に増やしたり、ボタンホール

の色をなんか変に変えたり、ってのは恰好悪いのは

当然して、やりすぎ、邪道だよね。

(こういうのをオシャレだと思う、思わせようとするところに

発想の貧困さがあると思う)


で、ローレンの話に戻っちゃう、無理やり戻しちゃうって

訳なんだけど、ローレンの一番の功績は洋服に自由を

もたらしたって所にあると思う。

あくまでも゛一線を越えない゛範囲でね。


具体的にどういう事かって言うと・・・

例えば軍物。

有名なA2ってあるでしょ?

馬革で、裾と袖がリブで襟にスナップが付いてて・・・

って言う゛ミルスペック゛を忠実に守って作られる軍物。

その基本を守りつつ、例えば素材を替えて、カラーを

替えて、軍物じゃ無くしちゃう。

軍物に限らず、ワークウェア其の他もしかり。


そうしてトラディショナルウェアの基本は踏襲しつつ

ローレンならではの感性で別物に替えちゃう。

こうして゛一線を越えない゛範囲で

「自由で良いじゃないか」ってものづくりをした。

70年代の゛カウガールブーム゛もそうだし、ネイティブ

柄のモチーフなんかもそう。


そしてもう1つ大事なのが、そういうアレンジをライフスタイル

を元にしたって事だ。

「朝起きて、仕事に行って働いて夜はくつろいで・・・」

「今日は休みで、郊外にドライブ・・・」とか

人は当たり前に日々過ごしているのに、なんでそんな

ライフスタイルに沿った洋服選びをしないんだ?って

今だったら思うけど、そんなのを切り開いたのもおそらく

ローレンで、更にはソコントコに夢を持たせちゃったんだ。


良く、映画をテーマにして着る人がその主人公に・・・

何てコメントをインタビューなんかで読んだけど、まさに

そういう夢の世界を味わえる服作りをしたんだよね。


これは大きな功績だよね。

何てったって人の心を豊かにしたんだから。


そもそもローレンは小さい頃から洋服オタク、映画オタク

だったらしくて、そこに感性やきめ細かい性格によって

ポロブランドの成功があったと思う。


毎年毎年新しいシーズンが近づくとワクワクしていた

若い頃・・・

別にそんなに変わったもの出る訳じゃないのにね。

で、まさにソコが゛一線を越えない゛・・・けど新しい、新鮮

な物たちだらけで、今でも普通に着られる物ばっかりなんだ。


゛一線゛ってのをローレンの感覚で言うなら

゛ファッションとスタイル゛狭間゛なんだと想像する。


ベーシックなのに格好いい、ベーシックなのにファッショナブル、

ベーシックなのにワクワクする。

こういう事なんだよね。


その中には、それまでのテーラードのジャケットの云々とか

プリーテッドのパンツがどうした、とか

色々と細かいモノづくりの経緯やなんかがあるんだけど

とにかく、さっきも言ったように

人の心を豊かにしたってのが最大の貢献だろう。


ミスターも来月で78歳か・・・

まだまだ頑張ってよ!