お客さんに怒られちゃった・・・

「態度デカイッ!」じゃ無かった(無くも無いか)

「たまには書けっ!」ってね。


思えばどれくらいぶりだろう?

ま、そんな事は良いとしてとにかく何か書かないと

またまたツッコミが入りそうで・・・って思えば思うほど

出て来ないんだな、コレが。

それにしても作家とかクリエイティブな職業の人達って

偉い!ってつくづく思っちゃうよ、きちんと締め切りまでに

何か作り上げちゃうんだからさっ。


なんていっておきながら時間稼ぎもしてみつつ、こんな時は

自分の得意分野(?)の話をするのが1番手っ取り早いんで

今日はそんな話をして見ようと思う。

(良しっ、撮影もしたし)


で、タイトルの'89って一体何の事?

では物語のハジマリハジマリ!


89年と言えば確か自分がローレンブランドを直接携わり

始めた頃で、今から遡る事丁度人生半分の年。

で、それ以前も含めると、曲がりなりにも洋服に関わって

(深くも浅くも)30数年になる。


もっともっと大御所の方たちに言わせれば

「何を小僧ごときが・・・」って言われるけど、まぁまぁ四半世紀以上は

あ~だこ~だとやって来た訳で、そんな年月から考察すると

'89年限定って訳じゃもちろんないけど80年代の後半から90年代

の前半が、アパレル界の黄金期って言えるような気がする。


そして大好きな"POLO COUNTRY"が誕生したのも89年で

その張本人、ローレンは50歳の脂がギトギト・・・じゃ無かった

脂がのりきっている頃なのだ。

賞も沢山とり、ヨーロッパにも進出、潤沢な資金もあって

自分が大好きな゛ワールド゛を自由に展開できる環境にあったんだろう。

それに何と言っても上場して無かったし(笑)


そんな訳で、自分が直接関わった頃とローレンの黄金期はくしくも

同時期にあったものだから、そういう意味ではものすごく゛美味しい所゛

を味わえたって事だ。


で、さっきも言ったように黄金期ってのは何もローレンに限った話じゃ

無くって世界的にファッション界が華やかだった(はず)んだよネ。

世界的に景気が良かった事もあったし業界全体が充実していた時代

だったんだ。

今じゃ飲食かそれ以下って位給料が安い販売職だって当時は

DCブランドなんかの販売員は゛ハウスマヌカン゛なんて呼ばれていて

結構もてはやされていたものだ。


そんな訳だから物づくりがとても贅沢、素材は良い物を使っていたし

アジア圏での大量生産もそこまで露骨じゃ無かった。

現状の

「いくらなら売れるの?、じゃコストはいくらネ」じゃなくって

「良い物作ったらいくらになった」と言う流れで成り立っていた。

全部が全部とは言えないけど、全うな物が全うな値段で売られ、

買われていた時代なんだ。

要するに、良い時代に良い物が作られ売れていた一時代って事だ。


そんな訳でファッション界全体が良い時代にやる気マンマン

のローレンが生み出したブランドが゛POLO COUNTRY"

そんな時代に関われた自分って何て幸せ!

って今日はそんな事はど~でも良くって、って訳でも無いけど

ファッション界は他の産業と同じでやっぱり景気に左右される

部分が大いにある。


その1つがサイジングって事なんだけど、皆さん想い出して欲しい。

そう、そこのあなた・・・

もしかしてついこの間まで割れ目丸出しのジーンズ

履いて無かったっけ?

ウェットスーツかって位にピタピタのシャツ着て無かったっけ?


おっとこんな話は散々したっけネ。

で、このサイジングって物も景気にリンクしているんだよネ。


景気が悪いと小さくなって良いと大きくなる。

確か゛モニカ、モニカ゛の時代って猛烈な肩パッドだったでしょ?

いまじゃすっかり渋い役者になってるけど・・・ってついつい脱線

しちゃいがち。


これはなんて言うか、世間全般の余裕って言うか豊かさって言うか

そんな情勢をそのまま如実に表しているって思わない?

実際、何と無く景気が回復してるっポイ今は着方も多きまなってるし。


当然、そんな90年前後は洋服の着方も大きくて

ローレンブランドも全部が全部大きかった。

大きかったって言っても、それこそ今までが余りにもピタピタだった

ものだから余計に総感じるんだろうけどネ。






この2カットは丁度89年のフォール、ポロカントリーの

リーフレットからなんだけど、どう?

ウィメンズの肩の位置だったり、メンズのコートの袖丈なんか

を見て頂ければ一目瞭然って訳で今の感覚からいえば

どう考えたって、どう見たってオーバーサイズだ。


ただ、チト先入観を脳みそから取っ払って純粋に見て欲しい。


・・・・・・・・・・・

なかなかエレガントに見えないか?

こんな着こなし方に゛余裕゛を感じないだろうか?

それは単純にオーバーサイズだとか今時とかそういった

ミテクレの話じゃ無くて、何となく内面からにじみ出てくるような物

じゃ無いかな?


Tシャツ、ヘンリー、シャツ、セーター、コートって言うレイアードも

凄いっちゃあ凄いけどこんなサイジングで服を着るってのも

当然アリな訳だ。


ウィメンズにしたって勿論そうで、これだけ大きくてもエレガント

でしょ、少なくともセクシーなだけの小さ目よりは明らかに

エレガントで知的だよネ。


という訳で、結局はこんな世界観が好きなんだって言う単純な

話で、何も金持ちしか着ちゃいけないとか金持ちほどデカメに着ろ

っていってるわけじゃないんだ。


こういう余裕のある着方、着こなしは絶対に気持ちのゆとり、余裕

を与えてくれるって事が言いたいんだよ。


こんな殺伐とした世の中なんだから、せめて洋服位はゆとりのある

着方をして見ても良いと思う。


世の中、これからだんだん着方も大きくなるんだから

気の小さい人たちも人の目を気にしないで出来るでしょ?

今度の休みは1つデカメのシャツでも買いに行ってみてはどうかな?


おそらく、見た目の新鮮さだけじゃ無くて気持ちも大分新鮮に、

そして豊かになるんじゃないかと思うよ。


という訳でそんな時代が好きでそんな時代の物ばっかりが

置いてある店って言えばリフレックスって事になる。


中目黒駅、徒歩3分の所にあるから次の週末は是非!


なんか変なオチになっちゃったな・・・