先日の

「どうして鹿の子のTシャツってあんまり無いんだろう?」

って疑問に、お客さんが答えてくれました。


と言うのも、鹿の子は伸縮性があまり無いので

Tシャツには向かないらしい。

う~ん、納得!・・・のようなじゃ無いような。


確かに言われてみれば、そんな気もするんだけど

逆にとてもタイトなフィットの鹿の子のポロもあるし・・・


ヤッパリ、技術的な、従ってコストに関わる部分が

大きいのかな?


と言う訳で、素材の話しついでに今日はもうひとつ素材の話。


振り向けばシューマッハって、そういえば復帰後初めての

表彰台にあがりました。

3位で「ワォ~」って前じゃ考えられない一言!


って例によって底抜け脱線ゲームしちゃったけど、

そんなメジャーな素材の話をして見ます。


日ごろ、全く気にしていないと思うけど

振り向けば・・・的な素材。

綾織、ツイルです。


ツイルってなかなか話の中でも登場しませんよネ。

軍物好きな間ではたまに、ヘリンボーンの織りで

出てくる位でしょうか、ヘリンボーンツイルってヤツ?


何故か?

素材の呼び名が細分化される手前の、基本的な織り方を

言うからなのですネ。


よくシャツの素材で出てくるオックスフォードってのと

同じで、あれは平織りの一種のオックスフォードだから。


チノパンとは言うけど、ツイルパンツってあまり言わない、

デニムパンツとは言わないけど、ツイルパンツとはなかなか言わない。


当たり前って言われるかも知れないけど、

特に販売なんかしてる人で、こんな事に迷った人いないかな?


「白いジーンズ、ホワイトジーンズって言えば良いの、

そうじゃ無くて、ツイルジーンズなの?」


「ネル(フランネル)シャツなの、ツイルシャツなの?」


「コットンギャバ、コットンツイル?」


「ツイルジャケットってなってるけど、チノパンと同じ素材っぽく無い?」


挙げていったらまだまだ出てきそうな、こんな疑問・・・


実はどれもどっちが正しいって事は無いのです。

もっと正確に言えば、どれも正しいのです。

(もっと細かく言うと、ニュアンス的に微妙にずれるんだけど)


どれもこれもツイルなんですネ、

このツイル地ってのは、動物で言えば

我々人間が、哺乳類であるような、そんな分類になる。


ツイルが哺乳類で、平織りが爬虫類で・・・


そして、デニムが哺乳類の中の牛だったり

フランネルが馬だったり・・・って事で、例えがなんだか

ヘンだけど、

要するにデニムもフランネルもチノもぜ~んぶ綾織りだから

元は一緒って事。


ホワイトデニムのジーンズをホワイトジーンズって言っても

ツイルジーンズって言ったって合ってるって事になる。


大きな括りのツイルの中の

例えば、チノの語源は有名なチャイナだし、

撥水性に優れた、バーバリーが開発しギャバジンがあり、

発祥の地名が、なまったデニムがあったりする。


綾織りって位だから、当然゛目゛は斜めに入っていて、

皆さん、目に付く洋服を見てみると実にツイル地の洋服が

多い事に気が付くはず。


たまにはこうして、シゲシゲと素材を眺めても良いと思うんだけど

ここでプチウンチクを・・・


さっきも言ったように、見たところ斜めに目があるでしょ、

どっちが表でどっちが裏でしょう?


正解は、カタカナの゛ノ゛の目になってるのが表です。

だから、裏表の服があったとしたらそれはかなりの粗悪品

ですネ、まぁメッタに無いんだろうけど・・・


最初の方に言った、通称HBT、ヘリンボーンツイルってのは

表、裏、表、裏、表・・・って言うツイル地の変わり物ですネ。


あっ、それからツイルって言うとどうしても、特に若い連中は

コットンの素材ばかりに気を取られると思うけど、

あくまでもコレは織り方なので、ウールツイルもあれば

レーヨンツイルなんかも当然あります。


レーヨン素材の裏地の付いたウールブレザーなんかは、

表がウールツイル、裏がレーヨンツイルって物が大半だと

思うけど、まさにツイル祭!

って騒ぐものでもないけど・・・


ツィードで有名なヘリンボーンツイル


REFLEX的生活様式考

いわゆるHBT、これはRRLのベスト


REFLEX的生活様式考

極薄手のツイルシャツ


REFLEX的生活様式考

そしてキャップにも使われているツイル地


REFLEX的生活様式考

ヘリンボーンツイルのベルト


REFLEX的生活様式考

ウールツイルのブレザー、裏地はレーヨンツイル



REFLEX的生活様式考

そうそう、学生の時に

サージの詰襟を着ていた人も沢山いると思うけど、

あのサージもツイル地の一種です。


ずう~と着ていると光っちゃうんですよネ、

シワは付きにくいけど、一旦付いたらなかなか取れない。

なかなか乾かない、発汗性が良くない・・・


あまり良い所も無いけれど、丈夫ですよネ。

って言うかソレだけがトリエです、

未だ、素材の中心的存在のツイルです。


最後に・・・

巷では、クールビズ、スーパークールビズ

(個人的にこの区別がど~も良く分からない・・・)


おおむね、ポロシャツにチノパンルックでしょ。

同じアイテムでも、ポロシャツを天竺にして

やや変わった色のチノパン履いてみてはどうでしょう。


そして、部下の綺麗なネエチャンにお褒めの言葉を

頂いたならば・・・

スムースのポロとは言わずに、インターロックと言いましょう!

何気に「知ってるぞ」感が漂いませんか?


そして、時代がとまったオッサンの様に、チノパンとは

言わないように。

チノーズなんていってもいけません、大体意味不明ですし

何だか、エンスーぽくて引きます。

ここは1つ、゛ツイルパンツ゛と言ってはどうでしょう?


ダサくもなく、嫌味もありません。

スマートでしょ、極自然な感じもするし。


それでは・・・