先ずは、前回1つ目の画像を思い出して下さい。


タンのシャツにオリーブのショーツ、ブラウンのサンダル。

3点全てを低明度(*1)暗色(*2)アースカラーの

トーナル配色(*3)で統一しました。


低明度、暗色と言うのはとても落ち着いた印象が有ります。

一方では、そのものズバリ暗い印象もある訳です。

全てをこういったカラーで統一すると

「落ち着いているけど暗い、印象に残らない」

という事になるのでしょうか?


しかし、皆さんがあの画像を見た時にそういうイメージは

持たなかったはずです、それはどうしてか・・・

コメントに「ミリタリーティスト・・・」と付け加えたからでしょう。


タン、オリーブ、ブラウン、単純に色を並べると確かに

暗い、印象に残りづらいトーナル配色ですが

これが、洋服になり、系統分けされている事が印象付けれらると

見え方は一変します。


だからこのコーディネイトからのイメージは

力強い、ワイルド、泥臭い・・・こうなるのです。


次に2番目の画像です。

アースカラーの1点を最も明度の高いホワイトに差し替えました。

カラーの組み合わせで言えば、このホワイトは

オポジットカラー(*4)という存在になります。


そしてシャツと言う最も面積の広い部分に使うことで

ホワイトはドナミントカラー(*5)となり、清潔感が一気に出るのです。


ためしに、1つ目の画像のシャツはそのままに、ショーツをホワイト

に変えてみた物を想像して見て下さい。

2つ目の画像ほどには清潔感は増さないはずですよ。


そして3つ目の画像のシャツをブルーに変えたケース。

ホワイト程に明度は高く有りません。

最高明度のホワイトよりもやや落ち着いた印象に変化してきます。


その他、シャツを柄物に替えたりと自由にコーディネイトを

楽しんで頂ければかまわないのですが

その日の気分で、ドナミントカラーにこだわって

カラーバランス(*6)を変えてみても良いでしょうネ。


*1 明度

   色の明るさの事、ホワイトとブラックを両極にして

   中間にグレーとしている物。 物体の表面の比反射の状態を

    知覚の属性としてJISでは9段階に分けています。


*2 暗色

    暗い色の事。ダークトーン、ディープトーン。

    暗い、堅いイメージを持つものですが暗色の中でも

    グリーンやバイオレットはそのイメージが無くて

    全ての暗色に当てはまるイメージでは有りません。


*3 トーナル配色

    同じトーン同士の配色の事。同系統の色の濃淡で

    配色して、微妙な色の変化を表現する事。

    落ち着いたイメージをもたらします。


*4 オポジットカラー

    コントラストカラーとも言います。反対側の色と言う

    意味で、原色に対しての無彩色や明色に対しての暗色

    等を言います。


*5 ドナミントカラー

    最も前面に出て他の色と統一感を持たせるメインになる

    色の事。優位的な色。


*6 カラーバランス

    配色された色同士に調和が取れているかどうか。

    感覚的に安定、安心出来る配色が「カラーバランスが

    取れている」と言う、トーナル配色等は全般的にバランス

    が取れていると言えます。

    逆に蛍光色同士の配色等は感覚的に、バランスが取れて

    いない典型です。

    色その物の組み合わせと、量(面積)のバランスの事も

    言います。

    

文章の流れからこんな注釈を入れた言葉を出しましたが、

色の世界は限りなくディープで、キリがなくなります。

また、゛法則゛的な物に縛られては楽しい物も全くつまらなく

なってしまいます。


全ての洋服が無地では有りませんし、とくにパッチワークなんて

事になったら、それこそ埒が明きませんネ。


ただ、これ位の事が多少頭に入っていれば日頃のコーディネイト

に役立ちそうです。


例えば、暗色のグリーン。

グリーンと言ってもキリが無いほどのグリーンが存在する訳で

今回取り上げた、オリーブだってグリーン系の色だし、もしも

このショーツをもっと明るいグリーンに変えてみたら、また

印象が変わります。


そんな事を踏まえながら、次回は簡単なカラーコーディネイトの

仕方を話します、ややこしい話はそろそろやめにしましょう。