いわゆる゛服飾゛と言う分野。

皆さん、この漠然とした物に対して、何と言っていますか?


そのまま゛服飾゛、゛服装゛、゛ファション゛、゛スタイル゛、゛格好゛

古い人ならば゛井手達゛なんて言う人もいるでしょうか。


いやいや、大多数の人は゛ファション゛と言う言葉を使っている

でしょうネ。


゛ファションアイテム゛、゛ファション雑誌゛、゛ファションシーン゛

こんな具合に・・・


で、この゛FASHON゛を辞書で引くと

゛流行゛、゛一時的な風習゛・・・と有ります。


日本人の殆どの人が日常、ファションと呼んでいる言葉は

本来のファションの一部、服飾に関わる物に対してだけを

指しているのです。


辞書で引いた訳の範疇で捉えれば、自動車のデザインも

ファションで有り、一方ではAKBも同じ括りになりますネ。


こうして考えると、日ごろ何気なく使っているファションと言う

言葉に対して、違和感や、疑問を持つ人も少しだけ

いるのでは無いでしょうか?


という事は、それ以前に何かベースになるものが存在して

その中から、一部突出して、世間の注目を集める物が

ファションと言えそうです。


では、ファション以前にあるベースとはいったい何か?


自動車のファションと言えば、おおむね外装やインパネの

デザインが主となります。

勿論、機関系のトレンドも見逃せない部分かも知れませんが

大多数の人が車選びの基準として、比較対照にするのは

こういった部分です。


では、自動車のファション以前の物とは・・・

それは紛れも無く、走って曲がって止まる。

と言う、まさに基本の部分です。


先ずはそれがあって夜に道を照らすライトや

シートベルト、衝撃吸収構造等の安全装備です。

それを網羅して、その先に、ファションであるデザインの模索が

始まります。

数え切れない、安全に関わる装備やその位置等の制約を

クリアしながら、イケテるデザインに仕上げるデザイナーも

なかなか大変な職業でしょう。


それから、AKB。

歌に、ドラマに・・・と節操の無いアイドルだけれど

タレントである以上、何がしかの基本芸が無ければいけません。


それが、歌なのか芝居なのか、はたまたトークなのか

こちらも数多くの歌手がいて、俳優がいて、そして

その中から時代のトレンドとして゛ファション゛な存在が

AKBであるという現象なんでしょう。


こうして、時代の人、時代の物がファションとなりますが、

゛一時的な゛と言う枕がつくからには、悲しいかな

いずれ、゛ファション゛では無くなる時がやってきます。


極まれに、゛ファション゛から゛ベーシック゛に昇格するケースも

有りますが、これは本当にまれな事で

(以前にシャツの話の中でしましたっけ?)大多数の物は

廃れて行きます。


ここまで話せば、もうお分かりですよネ。


奇をてらったデザインやコーディネイトも含め、一定期間に

流行ったとしても、長くは続かずにやがて消えて行きます。

(服飾の流れのサイクルで、ベーシックウェアがトレンドとして

位置づけられる事もしばしばありますが、そういう意味では

これは、ファションとし言えないでしょう)


そう、ようやくここに来て、゛ベーシックウェア゛なる言葉が登場します。

文字通りの基本服です。

(現代のベーシックウェアも遠い昔にはファションウェアであった・・・

こちらも以前話したので省略します)


ベーシックウェアはファションでは有りません、全ての基本です。


そして、このベーシックウェア(靴やベルト等の付随する物も含め)

は全て、TPOの中に当てはまり、また分類されます。


T(Time)P(Place)O(Occasio&Object)

いつ、どこで、何をする(何がある)為の服装という事です。

(僕は最後のOの部分を1つ足してTPOOにしたい)


洋服を着る事の全ての基礎はそこにあると考えます。


こんな例えも散々して来ましたが、ここでもう一度おさらい。


いくらなんでも、ハイキングにジミー・チュウのヒールを履いていく

女性はいませんよネ。

鋭い縦落ちの高価なリーバイも、まっとうなホテルのレストランには

入れません。


当たり前だと笑う人もいますが、こんな基本的な事をわからない人達

が実際に数多くいることも事実です。


今の時代、ファションが先行するあまり、TPOがあまりにもないがしろ

にされています。


極端な事を言えば、TPOさえわきまえていればファショナブルである

必要は全く無いのです。


「それを言ったらファション業界が成り立たない!」と言うでしょう。

その辺に関しては、後ほど関連する説明をしますが、

とにかく、TPOとは何を差し置いても、全ての基礎となります。


次は、全ての基礎となるをもう少し細分化してみたいと思います。