昔のアニメで、妖怪人間ベムってのがありました。
この決め台詞と言えば
「早く人間になりた~い」です。
今日はそんな話・・・でも無いか。
日頃、皆さん何気なく使っている言葉に
「ヴィンテージ」と言うのがありますよネ。
「ヴィンテージカー」、「ヴィンテージワイン」、
このブログを読んでくれてる人は、さしずめ
「ヴィンテージウェア」なんて感じで1番頻繁に使ってるかな?
そんな「ヴィンテージ」の意味を、ウィキで調べてみれば・・・
同一年に一定の区域から収穫されたぶどうのみを使って醸造されるワイン、また、そのワインに使われたぶどうの収穫年を指し、いわゆる当たり年のワインを指すようになった。名品や、年代物の楽器・オーディオ製品・カメラ・衣料品・くるまなどの希少品の意味に用いられるようになったが、英語のvintageは、「~の頃」、「時代」などを意味し、a clock of ancient vintage(古い時代の時計)などの使い方をする。
とあります。
そうなのです、ただ古い物を指す言葉では無いのですネ。
ファションの世界で言えば、何だか「流行」って言葉に近いような
気もして来ます。
この業界で、1番ポピュラーにあてがわれるのがおそらくはジーンズ。
いわゆる「ヴィンテージ・ジーンズ」ってヤツです。
一般的に使われている所では「何年代のヴィンテージ」とか
「何年代だからヴィンテージ」と言ったとても曖昧なセグメント。
じゃ、一体何年代だったら「ヴィンテージなの?」って言う疑問。
狭義では100年経たないと「ヴィンテージ」とは呼べないって言う
とてもワイン的な厳しいくくりもあるけど
ところが、本来の意味から捉えてみるとコレは別に古いとか新しい
って事じゃないみたいだぞってことになって来る。
時代を反映した物、~の頃の物を「ヴィンテージ」と呼ぶ事が
本来の意であれば、決して古くなくても、現代の物であっても
「ヴィンテージ」じゃないか・・・
これもまたウィキで調べると、どうも一般的に使っている
「ヴィンテージ」って実は「クラシック」の事じゃないかって感じてくる。
クラシック (classic) は、古典 の意。「格式のある」の意でも用いられる。文学、音楽などの芸術作品や服装、行事に対して用いられる。ここから、各分野において、歴史的に長く、評価の定まった物事を指して、単に「クラシック」と呼ぶ場合がある。
さっきも出てきた、ジーンズ
誰しも認める所の、リーバイの501。
ジーンズの代名詞であるこのジーンズは紛れも無い「クラシック」
であります。
そしてその中でも、古い物を「ヴィンテージ」と呼んでいます。
アーキュエイトがペンキの物なんかは、とってもリアルに時代を反映した
本来の「ヴィンテージ」だと思うけど、どうでしょう?
ところが、時代を反映した物って言えば
人件費の問題等で、アメリカ製から他国の生産に変わった物だって
「ヴィンテージ」といえるじゃないか、充分に時代を反映している。
染料の変化にしたってこれは時代の流れからの結果で、これも
「ヴィンテージ」じゃん。
こうなっちゃったら、キリがなくなってくるけど
言ってみれば、洋服って全てが「ヴィンテージ」って事になる。
言い換えると、年月を経る中で「クラシック」の中に多くの
「ヴィンテージ」が存在する、更に違う表現をすれば
何時の時代でも「ヴィンテージ」であり続ける結果として
「クラシック」になる。
こういう事になるのではないでしょうか。
相当ややこしい話になってきちゃった。
そう考えてみると「ヴィンテージ」は一種のトレンドとも見なせる
訳で、皆が普通に使ってる様な意味とはかけ離れて来ます。
「タケノコのファション」はヴィンテージですよネ、それから
「みゆき族」や「50年代のツイスト」のファションだって、
ヴィンテージなのです。
日本のファション創生期に年頃だった人、高度成長期の若者や
全ての人々にとって、世代を反映したファションがありました。
ある若いアパレル関係者が、ふと古い雑誌をパラパラとめくります。
すると、やたら新鮮な写真に目が留まります。
それは、オッサンが見たらただ懐かしいだけの写真だけど
その時代を知らない世代にとっては実に輝いて見えたり・・・
そうして、新しい(実は昔のファションをモディファイした物であっても)
ファッショントレンドが生まれてくるのです。
それが、大きく一般に受け入れられたら・・・・
こんな現象を2度、3度と繰り返したら・・・
あらあら、何時の間にやら「クラシック」になりましたとさ。
(事実、10年から15年程の周期で繰り返すファション、このブランク
がジョジョに短くなって、無くなった時に「クラシック」と呼ばれる様に
なりそうです)
そんなこんなで
もしかしたら、多くのデザイナー、企画の人々は
「早く人間に・・・」じゃ無かった
「早くクラシックになりた~い」って言う願いを込めて物作りを
しているのかも知れません。
オソマツサマ・・・