技術の進歩は至る所で生活に色々な変化をもたらしていますネ。


最近発売されたブルーレィなんて、同時に4番組録画できるって

一体そんなに撮って何時見るのって不思議になっちゃうし、

昨日のドームだっていちいちバッターがオーロラビジョンで紹介

されちゃって、それで凡打だったらそうとう恥ずかしいだろうに・・・


古い所では、ケータイだってそうだし、車だってそう。

今の若い人には分らないでしょ

「エンコ」って言葉。


昔は年中あっちこっちで車が路上でボンネット開けて止まって

たんだよ、煙吐きながら。

これが「エンコ」


こんな進歩も良い事づくめと思いきや、実はそうでもないんですよネ。


「9時に番組始まっちゃう、早く帰らなくっちゃ」なんて言うソワソワ感は

無くなり、万が一録画を忘れても「仕方ないからワンセグで見れば

いっか」だし


「何時ごろすれば、お父さん出ないで済むんだろうか・・・」なんて言う

ドキドキ感炸裂の電話もありえないし


少なくともオートスポーツが出るまでの2週間のイライラするF1の

結果も今じゃ、リアルタイムに、しかも画像まで付いてくる時代。


一言で言えば、なかなか感情が伴わない時代って所でしょうか?


故障しない車は、そりゃ助かる訳です。

でも、そうなると車はただの乗り物になってしまう・・・


そんな訳で、またまたF1の話題で、しかもタイミング的にズレズレで

なんなんだけど、

丁度1週間前の「ヨーロッパグランプリ」(スペイン)でのある出来事。


今年は全部で24台が出走(これは前に書いたネ)して戦っていて

速い車、遅い車入り乱れているのです。

そして更にはピットインの回数も増えて、多分電光掲示板に頼らずに

見ていたら、どの車が何位かなんてさっぱり分らないと思う。


しかも、少しでもぶつかろう物ならすぐに、ペナルティの対象に

なったりドライバーもなかなか気が抜けない(だろう・・・)のだ。


中には、完全にピットからの無線どおりに淡々と仕事をするだけって

言うドライバーもかなり居るはず。

(近代のF1には「テレメトリーシステム」なる物があり、何処でブレーキ

を踏んで何処でアクセルを開けたとか、そんな情報が全て記録される

のです、ドライバーの逃げ所が無いのです、コレも技術の進歩ですが

良いのか、悪いのか・・・)


そして根本的に車が壊れなくなってる、という事は・・・

ただ走っていれば「完走」は出来るのです。

(世界で選ばれたたったたった24人に言うのも失礼だけど)


そうは言っても大抵は一台や二台、ぶつかったり壊れたりって

事で、なかなか全車完走って無いのです(何てったって競争だから)。


で、先週のヨーロッパグランプリで相当珍しい現象が起きました。

なんと前車完走!


何やら、60年の歴史の中で過去に4回位しか無かったようで

野球で言えば、トリプルプレーが1試合に2回あるような物かしら・・・


(そう言えば、昨日の試合もスクイズ見破りがあったり、コケタりと

なかなか面白い試合だったけど、引き分けが精一杯か・・・勝てないG)


アナログ時代のF1を始めとしたレースってのは最初から最後まで

ハラハラドキドキさせてくれたのです、何故って?


何時、車が壊れるか分らないからです。

せっかく予選でポール・ポジションをとってもスタートでエンストしたり

トップを独走していて、最終ラップに何とエンジンブローとか、

そんな事は珍しくなかった事でした。


コンピューターの導入でそんなレース界もどんどん進歩して、

記憶にある人もけっこう居ると思うけど、一時のF1


丁度、トラクションコントロール、ラウンチコントロール、

アクティブサスペンション、こんなシステムがまさに「技術のデパートや」

って位にドンドンと出てきた頃。


出たての頃は、試験的に・・・なんて事もあったりして結構壊れたりも

したけど、日進月歩で開発が進んで行った。一説では何とピットで

シフト・チェンジも出来る位だったらしい。これじゃラジコンじゃん。


そんな時代だから、アナウンサーも今みたいに軽く抜いただけで

ワールドカップのサッカーでゴールを決めた位の奇声を

上げちゃうなんてことは無かった。もっと他の多くのアクシデントが

沢山あったから・・・


そういう意味で、最近のレースは退屈になっちゃうのだ。

だって、壊れないんだもん。

ドライバーには失礼だけど観客ってのは、壊れたりぶつかったりって

のをドッカで期待している物。


で、この史上5度目の全車完走、史上初の24台完走にあたって・・・

ビリッケツの完走が

「ヒスパニア・レーシング」の「ナレイン・カーテェケヤン」と言うインド人

ドライバーなんだけど、


一体24位で完走って言う初の記録に対して、正直な所

どう思っているのか、それが気になるのだ。


「何はともあれ、完走できてハッピーだ。データも取れたし、チームに

感謝さ」

何て杓子定規のチームへのおべんちゃらを言ってみたって、実際は

「こんな遅せー車乗ってたって面白くも何ともねーよ、途中で

ぶっ壊れたって良いからもっと速い車作れよ、データデータって

一体何時までデータばっか取ってんだよ、ボケチーム!」


こんな感じじゃないのかな・・・だよネ。


そんな感じで、とっても本音の感想が聞いてみたいな

「完走」だけに・・・


追伸

そんなカーテェケヤン選手、次回のレースから交代です。

もしかしたらチームに本音をぶちまけちゃったかな・・・

(更に不思議なのが、このカーテェケヤンに替わって乗るのが今年最強の

レッドブルのリザーブドライバーのダニエル・リチャルドって言うドライバー、

何らかの政治的な事情だな)