世の先輩方に伺えば、日本のファション界の牽引役と言えば
”VAN JACKET”だとおっしゃるでしょう。
「トレーナー」「スニーカー」「スイングトップ」・・・ヴァンが編み出した
和製英語ですネ。
僕は、微妙にその世代からずれているので60年代の飛ぶ鳥を落とす
勢いは知らないけど、
中学~高校の時に何度か通った青山のPXでの品揃えから凄さが
少しは垣間見れたのでした、今思えば的な話だけど。
(”SEIYU VAN”なんて言うパンツ、あったな~)
生沢徹のGRDに書いてあった”SCENE FROM VAN”のブルーの
ロゴはめっちゃ格好良かったな・・・って一体誰が分かるんだ
パンツの丈を短くして、クルーカットで・・・なんていうスタイルが
不良だったなんて、今の若者(自分も含めて?)には想像もつかない。
ヴァンは最先端だったのでしょう、そして何時しか膨れ上がり市民権を
得て、最終的には、セイユーとのダブルネームみたいなところまで
行っちゃったんだろうネ、て言う想像がつくのだ。
そんな60年代の末から70年台にかけてのファション界はとにかく
面白かったんですネ。
高度経済成長という背景があり、そしてオイルショックがあり、ロッキード
事件・・・と良い意味でも、悪い意味でも海外との流通が拡大して
ファションの業界もマーケットが格段に広がった時代。
ヴァンが倒産したのが78年、くしくもラルフ・ローレンの日本上陸も78年
(地付きその前に地味にヴァンがやっていたけど)、
それから、ヘビーデューティーアイビー(ヘビアイ)ブーム、
忘れてならないのが、DCブーム。
何と今日が誕生日の菊池武夫さんですが、この人の作ったメンズビギが
その火付け役でした。
このDCって、何の略だか知ってますか?知らない若い人多いんじゃない、
デザイナーズ・ブランドの略なんだけど、今でもこの言葉って普通に使うのかしら
良く分からないけど、なんだか場末のデパートのフロア説明書にありそう・・・?
それと忘れてならないのが、さっき言ったヘビアイ。
多分、日本だと小林泰彦さんがアイコンだったような・・・
で、こちらは山方面のヘビアイでどっちかって言うとバンカラなイメージだけど
一方では、ヘビアイの海バージョンもあったりして、こちらはボンボン向きの
ヘビアイって訳、ヨット、マリーナ、リゾート・・・。
77年、メンズクラブのメンズビギとのタイアップページ、メンズビギまでもが
ヘビーデューティーを意識している、そしてガタバウトチェアー!
それと、それまでのヴァン信者達がかたくなにスタイルを貫いていたり
「まさにファションの宝石箱ヤ~」って言ってる彦麻呂って元々はモデルだって
知ってた?
そういう事だから、それに関連したウェアやグッズもどんどん上陸してきたので
しょう、数え上げたらキリが無いぞ!
CAMP7,CLASS5のダウン,KELTYのフレームパック,CAMP TRAIL
のウェストバッグ、PETER STORMのパーカ,COLMBIAのベスト・・・
とにかく、アメリカが格好良かったのだ!(ピーター・・・は違うネ)
あと、前もこんな話したけど王道のデザイナーブランド(これはさっきのDCとは
違うのだ、あしからず)、フラッサー、バンクス・・・
そんな訳だから、とにかく選びたい放題って訳で皆がみんなどうしようかって
悩みまくったのでしょう。
(逆に言うとTPOがまだまだ浸透していなかった時代だから、何処行くにも
ヘビアイだの、マリンアイビーだのって決め付けちゃってたのもあったかな)
こうして若者は思考作為を繰り返して行く事になるのは何もその当時だけの
話ではありませんネ。
今の時代でも、ファションに興味を持てば誰でも通る道。
さっきと同じ号のサイクリングをテーマにしたワンショット。
なかなかの厳しさだけど、1点1点のアイテムとしては全く今でも違和感
なく受け入れられるのでは・・・
さてさて・・・
決定的に違う事が1つあるのです、当時と今。
それはこういう事です。
で・・・
またまた長くなりそうなので前編、後編に分けますネ。