最近良く目にするのが
ボタンホールだけ色違いだったり、襟のボタンが左右2つずつ
計4個ついていたり、更には第一ボタンが2つ付いていたり
(あっ、この場合は第一ボタンの直ぐ下に第二ボタンが・・・
ってまぁ意味は通じるか)
とにかく要するに過剰な装飾のボタンダウンが多いのだ。
アナウンサーに特に多いような気がするんだけど
確かに、高感度は上がるような気がするけど
「あんなもん、ボタンダウンじゃね~よ」ってのが僕の見解な訳。
ボタンダウンってのは、そりゃ昔ポロ競技の時に襟がばたついて
・・・ってそんなウンチクはまたどうせ嫌われるからよしとくけど
とにかく、最初に作ったブルックス・ブラザースの「ポロ・カラー」
を踏襲している物しかボタンダウンと呼ばないで欲しい。
と言う訳で、シリーズ化しているボタンダウンについて、僕の得意分野
の(?)ローレンの物でお話しましょう。
正確には1968年から物作りを始めたローレンの商品群には当然ながら
ボタンダウンは必須だったのですネ。
そこで、かのアイク・ベーハーのシャツに目を付けて・・・ってあらら
またウンチクになっちゃった。って言うかこんな話だって誰でも
知ってたネ。
ただ、ひとつ僕が流石だなと思うのは
アイク・ベーハーと言えばシャツのほかにタイも作ってるんだけど
シャツとタイも一緒にオーダーしなかったのがローレンの拘りなんだネ。
普通は「えっ、タイも作ってるんだ、じゃ一緒にドーヨ」ってのが流れ
だと思うんだけど、そういう事をしなかったんだネ。
もしかしたら、それ以前のタイメーカーとの契約の問題か?
とにかく最初の頃の、ボタンダウンを含めたドレスシャツはアイク・ベーハー
製って事で、それは未だ受け継がれているこんな所で分ります。
これは動きやすくする為の切り替えし。
ショルダーのセンターに入っているんだけど、コレがアイク・ベーハー
のシャツの特徴で、当然ローレンのシャツにも採用されている。
昔は歩いていて、前の人がコレを着ていたら
「むむ、出来るヤツ・・・」
なんてそんな分りやすい時代もあったのだ。
そして、何と言っても大事なのが襟のロール加減。
クラシックなブルックスとかセロ(SERO)なんかはヤヤロングポイントで
タイを締めた時にやんわりとロールするんだけど
後発なアイクなんかの物は気持ちショートポイントで
ロールの加減がヤヤ平坦的になる。
80年代にかなりのショートポイントが一時流行ったけどそれは別として
大きく2つのパターンがあった。
どちらもクラシックな部類に入ると思うのでコレは好みの問題になりますネ。
ちなみにローレンのボタンダウンは
”YARMOUTH” ”BLAKE”って言う2つのパターンが定番的にあって
ヤーマスの方はドレス寄り、ブレイクはカジュアル寄りで
コレは言い換えるとフィットするヤーマス、余裕のあるブレイク。
勿論それも時代によってフィット感が変わるし、最近のカスタムフィットとか
その辺とは、比較にならないけど
これだけ長い間、作り続けているってのはヤッパリすごい事でしょ。
だから、それこそ天文学的なバリエーションが存在する事になる。
でも、ヤッパリ王道と言えば、コットンオックスフォードの生地を使った
ホワイト、ブルー、イエロー、ピンクと、ブルーやレッドのキャンディー
ストライプになります。
そして、これらの物はとてもジャケに扱われているのが現状です。
大量に作られている物だし、しかも今現在古着屋さんなんかで
売られているうちの何割が偽物かって位だけど、
さっき言ったように、大量とは言え丹精込めて作られた物なのです。
もっともっと大事に扱って原点を見直して欲しいのです。
アイクのシャツはボタン掛けの最後の始末がしてないが故、とても
取れやすい(ピョっと糸が飛び出して引っ張るとピロピロピロって全部
抜けちゃうの、コレこそボタンダウンってヤッチマッタナ・・・誰でも経験
しているんじゃないかな)欠点はあるにせよ
ステッチのきめ細かさや、とても綺麗な貝ボタン、そのフィット感は
素晴らしい物があります。
ここ最近、長袖シャツ一枚がとても気持ちの良い時期です。
オックスフォードのボタンダウンをきちんとパンツの中に入れて
街中を歩いてみては・・・