のっけから汚らしい物を見せちゃって申し訳ないんだけど
何てったって、生まれてはじめての自分撮りなんですよ、どうでも
いいんだけど・・・
と言う訳で、足首も汚いけど、このホワイトバックスもかなり汚れて
もうすぐダーティーバックスに変身です。
ホワイトバックス、懐かしいでしょ、皆さんどれ位の頻度で見かけますか?
年に2、3回は履いている人見かけますかネ。
それ位マイナーな存在のホワイトバックスだけど、今日はこの
ホワイトバックスについて書いてみようと思います。
(何か、この間からベーシックの連載みたいな状況になっているな)
まずは、これの正式名称って言うか、ちゃんと言うと
”WHITE BUCKSKIN SHOES”です。
で、意外と勘違いしている人がとても多いと思うのが”BUCK SKIN”の所。
”BACKSKIN”じゃありませんよ。
コレを、スェードと勘違いしている人がかなりいますよネ。
日本で鹿を英語で・・・と言えば大多数の人は”DEER”と答えるでしょう。
所がアメリカ等の海外だと鹿の性別や種類によって、それぞれ独自の名前
がついている。
”BUCK SKIN”とは裏革ではありません、雄鹿の革です(ちなみに雌鹿は
”HIND”)。気をつけましょう!
そんな前段を踏まえながらのホワイトバックスだけど、そのルーツとは・・・
どうやら、ファションの歴史においてバックスキンが登場するのは15世紀の
半ばらしいのです。
この頃は上流階級の手袋に使用されていたようで、やがて18世紀初めに
ショーツが登場、そして靴になったのが1830年の頃らしいのです。
ただ、この時代はまだホワイトの物はなくて、ブラウン・ブラック等のコンビ
風の物だったらしい、サドルシューズの原型なんだろうか?
そしていよいよ、靴としてのホワイトバックスが登場するのが1880年台。
ここでもまた、前回のクラブ・ストライプ同様にオックスフォード大学って事
になるんだけど、学生がスポーツ観戦に履き出したのがそのルーツ
らしいのです。
それからこの靴はスポーツ用としても用いられ、1920年代にはアメリカに
渡り、エリート学生のシンボル的な靴になったらしいのです。
鹿革と言えば、牛等に比べて高級で、バックス(雄鹿)の他にエルク(ELK)
なんかで作られたらしいのですが、アメリカに渡って(流石、合理主義!)
鹿以外の、牛や羊でも作られる様になったらしいのです。
ここで、ホワイトバックスと言う靴が
「白色のオックスフォードシューズ」の代名詞になったのでしょう。
実際に最近のホワイトバックスで、本当の鹿革を使っている物は殆んど
無いようです、牛革のベロアやヌバックが殆んどでしょう。
そんな遍歴を持つホワイトバックスには、アンツーカーレッドと言う
ラバーソールが付き物です。
整理すると、イギリスでは「雄鹿を使用した、白一色でアンツーカーレッドの
ラバーソールのパラモラル(内羽根)の紐靴」という事になります。
また、アメリカでは「主に雄鹿を使用した、白一色でアンツーカーレッドの
ラバーソールのブルーチャー(外羽根)の紐靴」です。
そうして、アメリカではアイビーリーグの学生のシンボル的な靴になった訳
で、他のアイテム、ボタンダウンシャツやブレザー等と、いわゆる
アイビーリーグファションが定着したのです。
そうこうしていると、当然大勢派を脱した、「バンカラ」な学生が登場します。
「テレ」ってのもあったのでしょう、わざと白い靴を汚して履いたりする連中
が出没します。
コレが1932年から50年台の事らしいのですが、ここで登場するのが
”DIRTY BUCKS”です、どうせなら最初から埃色にしちゃえって事です。
そして、今の時代にはホワイトバックスとダーティーバックスが定番として
存在するのです。
(実際は日本じゃ定着してないけど・・・って言うか化石化してる?)
と、ここまで長々とウンチクを書いて来たけど(殆んどが資料からのウケウリ)
要するに、ホワイトバックスって何・・・ってスニーカーが登場するまでの
スポーツ用の靴って事になる。
勘の良い人ならもう分りますよネ。
だから、オールスターやジャックパーセルなんかのスニーカーと同じ感覚
で履いちゃいましょうよって言う提案です。
いつもはスニーカーだけどたまには気分を変えて、ホワイトバックスでも
履いてみるか?って言う具合に、改めて感やかしこまり感はいりません。
ここで問題になるのが、ヤッパリ「汚れやすい」って言う問題でしょう。
って言うか確実に汚れますよネ。
そこで、僕なりのケアを伝授です。
先ずは、極力気をつけて履くようにします。
でも、満員電車、チャリ、ドッカにぶつけた等、コレは仕方ありません。
こんな時は消しゴムで綺麗にしましょう、普通の消しゴムでも良いから。
完全に落ちないまでもそこそこは綺麗になります。
そうしてケアして履いていると、うす~い汚れが靴全体に万遍無く広がります。
そんな状態になればオッケーです。
味が出た状態です、う~ん、良い感じ。
そうして履くに耐えなくなったら、最近多くのクリーニング屋さんでやってる
丸洗いに出しちゃえば良いですネ。
さっきも言ったけど、履き慣らしたスニーカーと同じ感覚です。
と言う訳で、このホワイトバックスもなかなか由緒正しい「本物」です。
もっともっと皆さん履いてみてはどうでしょうか?
こちらは「元々汚した」ダーティーバックス。
最初の汚いホワイトバックスもこちらも”WALK OVER”の物ですが
ホワイトの方は多分牛革のヌバック仕上げで、こちらはどう見てもスェード
です。
ダーティーバックスなのに牛のスェードって・・・こんなだからややこしくて
訳が分らなくなっちゃうんですよネ。