この間の、大先生のお言葉、皆さん参考になりましたか?
その流れから今日は、こんな話を・・・
ベーシックな物を、ベーシックに着る事から始めよう!って言っても
なかなか今の時代、参考にする物が無いのもこれ、現状。
そんな時に、役に立つ物の1つに映画があります。
やはり、お金をかけて真剣に作った映画はその衣装もやはり立派な物。
そこで、今日はトラディショナルなスタイルのルーツみたいなのを
勉強できる映画を紹介します。
「炎のランナー」ってご存知でしょうか?
確か82年公開だったと思うけど、アカデミー賞で作品部門と衣装部門を
受賞した作品。
20年台のケンブリッヂ大学が舞台になっていて、いわゆる「クラブ」(本来の)
の中での人種差別問題がメッセージとして映されているんだけど
ここでは当然ストーリーの話じゃ無くて、ファション(スタイル)の話。
それこそトラディショナルウェアの原点である、ツィードのジャケットや
クラブジャケット、それから確かスゥェットシャツもウール素材だったかな。
そんな中から、今日は「クラブストライプ」に付いて。
毎年恒例の箱根駅伝は、普段興味の無い人でもついつい見ちゃう人が
多いと思うけど、それぞれ大学のカラーってあるでしょ。
クラブストライプってのは、アレに近いもの
と言うよりは、日本の大学がマネしたものなんだけど・・・
似たものに「レジメンタルストライプ」が有るけど、こちらのルーツは主に
軍隊だから、根本的に違うっちゃあ違う。
まぁ、今じゃ何でもイッショクタだけと゛・・・
で、このクラブストライプのルーツだけど、どうやら1820年代の初め
らしいと言うから、何と今から200年もさかのぼるんだって。
当時のイートンとかハーローのパブリックスクールのクリケットクラブの
シルクのスカーフが起源らしいのです。
それがジャケット(いわゆるクラブジャケット)になったのが20年後の
1840年頃らしい。
そうなのです、皆さんが日頃なんの事無く締めているクラブストライプの
ネクタイは、こんなにも歴史がある物なのですよ。
中でも、更に由緒正しいストライプと言うと
ネイビー・サックスブルーの”PETER HOUSE COLLEGE”
バーガンディー・サックスブルーの”KINGS COLLEGE”
等がありますネ。
このクラブストライプのタイやジャケットにホワイトフランネルを履き、そして
コンビのウィングチップ、そして肩からクリケットセーターなんかを
引っ掛ければ完全なる、クラブマン・ルックの出来上がりになります。
所がどうでしょう?
この格好をそのままやっちゃったら、実際かなりコッパズカシイでしょう・・・
この間の先生のお言葉にある「ひとつだけ異質な物を組み合わせる」と言う
作戦を取る訳です。
ホワイトフランネルの変わりに、ジーンズなんてのはどうでしょう。
ジーンズのルーツと言うのは誰でも知ってる、作業着でしかも出はアメリカ。
一方のクラブマン・ルックと言えば、完璧な英国伝統のスタイル。
完全に異質ですよネ、所がどうでしょう。
皆さん、頭の中で想像してみて下さい。
変じゃ無いでしょ、って言うかむしろシックリ来ませんか?
コレが、ジーンズなんですネ。
100年以上の時が経って、完全に普通の服になっている。
逆にこんな理屈をいう方が変だし・・・
ネッ、面白いでしょ。
日頃本当に何も考えずに着ている服を改めて見つめなおすと色々と
見えてくるものがあるのです。
そうして、一つ一つの原点を探って行くと必然的にそれにあわせるべき物が
見えてくるのです。
そうして、ベーシックな着こなしが分かった時に、いう所の「異質な物」が
何なのかが理解できて、また、どんな異質な物を組み合わせれば良いのか
が浮かんで来るのです。
そうすると、あくまでも自然にコーディネイト出来て
やがてそんな着こなしが自分のスタイルとなって行くのです。
だからこそ、いわゆる本物を知ることってのが凄く重要になる。
本物であればごまかす必要も無いし、最終的にはとっても得になるのです。
なかなか渋めのカラーのストライプタイ。
ちなみに、イギリスでのストライプは右上がり。
なのでこちらはアメリカ型。
(何でそうなのかって所は突っ込まないように・・・ヨロシク!)