Reflection Night EAST 2nd Vol.3 振り返り | リフレクションナイト ~みんなの作戦タイム~

リフレクションナイト ~みんなの作戦タイム~

「リフレクションナイト」のレポートブログです。
EAST:2013年7月12日 ~、WEST :2015年3月9日~

2015年最後のリフレクションナイトが終わりました。企画から運営まで実施しました、なお(高橋直裕)、ちばちゃん(千葉美佐子)、えりりん(高畑江里)です。今回は、2015年を振り返って、2016年に向けて「理想の未来を演劇的手法で描く」ことにチャレンジしてみました。

ここからは、ファシリテーターを務めたなおが中心に、振り返ってみます。

 

今回、マッチからオファーをいただいて、「演劇的手法」について、3人それぞれチャレンジをしようと試みました。なおは、「①普段あまり表現したり演じたりすることがない参加者に、どのように表現に慣れていってもらうか」と「②普段やっているプレイバックシアター(観客の過去~現在の実際の体験談を即興で再現する劇)とは異なり、未来を描き、演じ、観てみることは可能なのか」の2つにチャレンジ。ちばちゃん、えりりんは、「③表現すること・演じることを通して、自らの殻を破り、新しい自分を発見すること」にチャレンジしました。

 

結果としては、それぞれのチャレンジは成功したと思います。

「①表現に慣れてもらう」については、大きく2段階で構成を考えました。

1段階目は、グループ内で居心地よくいられるように、多くの人と関わる機会をつくること:全体で名前を呼ぶ、円での場所移動、ハイタッチ、テーマトーク。2段階目は、普段の動作に近いところから、徐々に動きを大きくしていき、即興で演じられる状態をつくること:5カウント(手遊び)、ミラーリング(全身を使う)、アトラクション表現(話し合ってからの即興表現)、ロールサークル(即興表現)。参加者の方からも、「歩き、ハイタッチし、手遊びし、全身を使う。これ、心臓の遠い方から順に動き、だんだん動きを激しくさせる。ジムのスタジオに来てるかのよう。トークと動きをバランスさせ、ハイタッチなどで触れ合う機会入れる事で、初対面だろうが、親近感を植え付ける。凄い!」という感想をいただきました。私自身、ロールサークルは他のワークショップでも実施したことはあるのですが、自分たちのペアだけでなく他のペアと絡み合ったりとか、自分たちの最初の立ち位置に留まらず会場全体を駆け巡ったりすることは初めて見まして、みなさんの心から表現を楽しんでいる様子が感じられて、とても気持ちよかったです。

「②未来を演じてみる」については、プレイバックシアターの基本的な形式(テラーが語った内容をアクターが即興で再現劇にすること)を踏襲しながら、新しくインタビューのスクリプトを考えました。一つポイントとして入れた質問として、「想像ですが、もし、その人/ものがあなたに声をかけるとしたら、どんな声をかけていると思いますか?」がありました。これは、テラー本人が感じたいと思っている気持ちに加えて、その奥にあるさらに深い気持ちを感じたり、新しい視点を持ち込めたりするのではないかと意図しました。私も、終了後の打ち上げでインタビューを受けたのですが、上記の質問から、自分でもはっとする声が聴こえてきて、びっくりしました(その様子は、ポッドキャストへ)。ワーク全体として、響いた箇所はそれぞれだったかと思いますが、参加者の方からも、「インタビューがコーチングみたいで、未来を描くことって気持ちいいですね」「シーンが終わった後、観ていた時にはあり得ないと思っていたシーンから気づきを得た」という感想をいただきました。私も、みなさんの様子を見ていたのですが、特にテラーとして、自身のストーリーが演じられているのを観ているときの表情が、何とも言えずうれしそうで、僕も幸せな気持ちになりました。みんな、それぞれに心に描く未来はあるんだ。ここで描いた未来が2016年に実現していくんだろうと思うと、ワクワクしました。

「③殻を破る」については、ちばちゃん、えりりんがデモガールズとして、チャレンジしました。参加者の方からも「デモガールズの迫真の演技!(「警察と酔っ払い」の秀逸さ)」と声をいただきました。みなさんもお気づきだったかと思いますが、「警察と酔っ払い」や「理想の未来のデモシーン」は、あの場で即興でやりました。緊張感もあったかと思いますが、堂々とベストを尽くして演じたことそのものが、あの場の開放的で和やかな雰囲気を創り上げたと思います。

 

今回、この企画を実施して気づいたこと、学んだことは大きく2つあります。

1つ目は、「演じる」ことそのものへの理解が深まりました。今回実施してみなさんと話をする中で、「語る・聴くだけでなく、なんで演じるの?」という問いに対して、自分なりの解を見出すことができたと思います。「演じる」とは、「他者の立場・気持ちを想像し体感することで、自分の枠を広げていく行為」であり、「自分の経験を用いながら、自分という存在をもって目の前の人を受け入れ、表現によってつながり、貢献していく行為」である。それによって、「テラーもアクターも観客も、共に喜びを味わうことができる行為」だと思いました。その先には、私自身のミッションである「人と人とが繋がり合う、生き生きとした社会を創る」という未来があると思いました。

2つ目は、今回のような演劇的手法(特に、自分が表現をして楽しむだけでなく、相手のお話を受け止め演じることまで意図している場合)を提供する際のポイントが言語化できました。そのポイントは、以下の3点です。

①グループの関係性を深める:安心安全で、自己開示できる、居心地のよい場所を創る

②表現する喜びを深める:自分の枠を広げて、多様な自分に出会うことを楽しむ

③相手とつながる:語ってくれることへ感謝し、表現を通じて誠心誠意お返しする

①から③に向かうに連れ、参加者の意識のベクトルが、少しずつ自分から相手へと向かっていく感覚です。ファシリテーターは、①、②で、楽しいエネルギー、感覚を養ったうえで、それらを③に転換できるよう、ガイドしていくことが肝かと思います。(もちろん、②までを目的とする研修、ワークショップもあるかと思いますので、企画したり参加したりする際には、演劇的手法を用いる意図・背景をつかんでおくことが大切かと思います)

 

いただいたフィードバックを踏まえて、今後に向けてのチャレンジとしては、以下の点です。

・ウォームアップの際に、参加者の目線やエネルギーが偏らないよう、こまめに立ち位置を変える

・理想の未来ワークにおいて、劇を見たことを意味のある気づき・振り返りに繋げるため、即興劇を演じる前のインタビューのスクリプトだけでなく、終わった後の振り返りのスクリプトも準備する

・クロージングの際に、リフレクションを未来のよろこびにつなげるために、グループシェアや紙に書き出したりする(今回も意図はしていたものの、時間が押して実施できなかった。その点では、全体の時間の配分なども検討の余地あり)

・新しいファシリテーションスタイルにチャレンジをしてみる:やさしく安心感を与えるだけでなく、天使で変態的な?!(爆)(詳しくは、ポッドキャストに)

 

最後になりましたが、このような機会をいただき、本当にありがとうございました。私も、この2015年からリフレクションナイトに参加して、2回目にしてファシリテーターをさせていただきましたが、みなさんの積極的な参加、弾ける笑顔に支えられました。2016年も、よろこびあふれる一年にしていきましょうね!!^^

 

<おまけ:ポッドキャストを聴いた彼女の感想>

・リフレクションナイトについて

「素敵な仲間がいるんだなあと感じた。志を分かち合えて、一緒に場を創り出していく仲間がいるんだなあと感じた。(なおが)自然体でいられている感じがした。(初対面、2回目に会うとは思えないくらい)とても近い感じがした」

・演じることについて

「想像するだけではなくて、体感できる。ほっとする、心がほぐれる。そんな人が増えたら、やさしい世の中になるなあ。みんなが表現しているところを喜びとして(なおが)受け取っていた」

※「ポッドキャストのイントロの音楽『♪リフレクションナイト、リフレクションナイト~』が頭の中で止まらないよ~」とつぶやいております笑