脚に力が入らない意外な原因 | .

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さて、前回のブログでちょっとだけ紹介した筋力検査(以下MMT)のオックスフォードシステムとは?

グレード5:重力下において、強い抵抗に対して動きに全く問題のない状態
グレード4:重力下において、最小の力を加えた時に全く問題のない状態
グレード3:重力に対してやっと抵抗できる状態
グレード2:重力がなければ動作は可能(プールの中とか)
グレード1:関節を動かす事ができず、少しの筋収縮が認められるだけ
グレード0:関節の活動が認められない状態


カイロプラクティックの鑑別の見地からみると、グレード3~5までがカイロプラクティック治療の対象といえる。グレード0~2はなんらかの神経学的損傷といえる。
【参考:カイロプラクティックセラピー 診断と治療】

ウチでも昨年暮れあたりから脚に力が入らないと訴える症例が3例ありました。



主訴は車に乗る時、ズボンを履く時、階段を登る時など両手で脚を抱えないと脚を挙げる事ができないとの事、、、

おそらく大腰筋の異常といえるでしょう。

上記のシステムでいえば本症例はいずれもグレード2~1あたりになると思いますがまぁ微妙なところです。


神経原性を疑いましたが、検査をしてみるとどーも神経に異常はありません。


微妙というのは2~1というのは必ずしも神経の異常が原因であるとは言い切れないようなんですね。


では原因はなにか?


3例のウチ2例は原因がわかりました。

24歳女性:結婚、出産、知らない土地への引越しなど環境の変化、将来の不安や期待などによるストレス。

32歳女性:ダイエット目的で唐辛子系の食事を増やした。  つまりカリウムの過剰摂取。   神経の働きを低下させます。


このお二人は原因がわかり少しずつですが寛解しています。


しかし、もう一人の方は主訴は同じなのですがなかなか原因がわからず症状が寛解しません。


40歳代後半女性看護師:女性限定の某ジムに通い始めてから発症?
そんなんでジムに通うのを停止したらしいのですが、症状は寛解せず、整形を受診するも原因は特定できずT_T


ジムに通う時期とたまたま一致しただけでジムが原因ではないようです。


カイロプラクティックで検査しても、筋骨格系に脚に力が入らなくなるほどの異常は認められないですし神経にも問題はありません。

筋肉に至っては完全に緩みきっています(これも変だよね^_^;)

栄養には気を配っているので、上記のようにカリウムを多く含んだ食物を偏って摂取しているわけでもないですし、精神的なストレスも原因ではないようです。

ん~、なにが原因になっているやら、、、


で、大腰筋弱化に近接しているのは腎臓ですが、肝臓でも反応します。


私「なんか薬を摂取していませんか?」

患者「2年前から市販の◯◯◯◯ー◯(ビタミン剤)を飲んでます。シミ対策で、、、」


薬は肝臓で代謝します。
医師から処方されたわけではないので一旦この薬の服用をやめてもらいました。


そして1週間経過してもう一度大腰筋MMTをすると、グレード4まで回復したわけです。


この薬が原因ではないかと思い、服用をやめてもらい経過を観察しています。


カイロプラクティックの手技とはあまり関係ないかもしれませんが、AKなどによる検査のテクニックを使えばまだまだわからない事がわかるようになるし、治療にも活かせる良い症例でした。


AK筋力検査奥が深いですね(*^^*)