悪魔サタンの「エデン抗弁」を推理した。a | barsoのブログ

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いいかね、ワトソン君。
世の中に「完全犯罪」は存在しない。
だが、「完全な責任転嫁」のロジックなら、歴史の最初にある。
それについて、ユニークな推理が一つあるのだが、聞いてみないかね。
・・・よろしい。
では、常識的なことから始めよう。
エデンの園で禁断の果実がかじられた際、じつに見事な「責任転嫁のリレー」が行なわれた。
聖書の神エホバの「食べたのか?」という追及に対し、
男(アダム)は「あなた(神)が私に与えた『女』が勧めたからです(悪いのは女と、そもそも彼女を造った神だ)」と言った。
女(エバ)は「あの『蛇』が私を騙したからです(悪いのは蛇だ)」と言った。

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見事なパス回しだ。
しかし、ここで最後にバトンを渡された肝心の「蛇(サタン)」はどうだろう?
聖書は彼の弁明を沈黙の中に葬っているが、狡猾な蛇のことだから心の中ではヘビー級の「言い訳」を用意していたはずだ。

蛇の弁論を考えるのも一興だ。
以下の特に6番目の推論は、君の医学的知見をもってしても驚くかもしれないよ。

 

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【容疑者サタンの供述(推定)】
もしサタンが法廷に立たされたなら、こんな抗弁をしたかもしれない。

1.私は無実だ。神こそが真犯人だ。
「わざわざ園の中央に、美しくて、おいしそうで、賢くなりそうな『禁断の木』を置いた神こそが、真の誘惑者だ」
「神は犯行を止めようとしなかった。これは『おとり捜査』ではないのか?」


2.私はむしろ啓蒙者だ。
「私は嘘は言っていない。『果実を食べたら、その日に死ぬ』ことはなかったし、『神のようになって善悪を知った』ことも事実だった」
「そもそも善悪を知ることは本当に悪なのか? 私は人間を『無知』から解放した啓蒙者だ」


3.私は可能性を提案しただけ。
「私は脅して食べさせたわけではない。果実を見て『おいしそう』と欲望し、自らの意思で手を伸ばしたのは女自身だ」
「男に至っては、私とひと言もしゃべってない。彼の犯行は100パーセント自発的行為だ」


さらに、法廷では口に出せない本音もある。

4.じつは「神のようになりたかった」。 「天界で仕えるより、地獄で支配するほうがいい」と、サタンがミルトンの『失楽園』の中で言っている。権力欲が強かったのだ。
しかも、サタンは非常に美しかったので、思い上がって神に対抗しようとした。その傲慢と反逆心が人間をも神に背かせようとする動機になった、という説もある。(イザヤ 14:11-15)

5.人間が「特別扱い」されるのが許せなかった。
嫉妬説もある。神は人間を「神のかたちに似せて」造って特別に愛した。サタンはそれに嫉妬して、人間を堕落へと誘惑したというわけだ。

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だが、ワトソン君。
ここまでの推理は、どれも常識的すぎる。

6.じつはサタンは「言い訳を一切しなかった」可能性が非常に高い。
『創世記』を読み返してみたまえ。「蛇」は悔い改めもしなければ、自己弁護もしてない。
神に問いただされる前に、すでに立場が決まっている存在のように描かれている。
彼は心の中でこう言っているかもしれない。
「すべてはエホバ神の支配下にある。私は、全能の神の計画の一部としてのツールだった。私がした誘惑も、神の正義と救済の力を示すための『舞台装置』だった」
「だから本当は弁明をする必要がない。私は “そういう役割” なのだから」
(出エジプト記9:15,15参照)


スピリチュアルの視点に立てば、この「役割論」は肯定される。
創造主が、自分の分身である人間に「喜怒哀楽」の感情すべてを代理体験させるには、「完璧な愛」の対極である「究極の悪」が必要になる。
だから一人の意欲的な天使が、自ら泥を被って「悪のボス役」を引き受けた。じつはサタンは愛のある自己犠牲的な天使だった。――という推理もできるのだよ。

しかし聖書を抜きにして考えれば、サタンは想像上の存在にすぎない。
あるいはもっとシンプルに、人間が自分の弱さを認めたくないがゆえに、責任をなすりつけるための「仮想の怪物」として悪魔サタンを聖書中に捏造した……という線も、基本は科学的思考の私には捨てがたいがね。

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見るseeのと観察するobserveのとでは大きく違う。
情報は考えなければ意味がない。

創世記の「蛇と原罪物語」を実話と信じるか、それとも比喩と捉えるかで、
解釈と自分の人生観は変わる――というのは初歩的なことだよ。ワトソン君。

さて、君が前回、コメントを書かなかった言い訳でも聞こうか。
それもサタンの仕業だ、とでも言うのかな? (ニヤリ)