オスとメスで別の名があるのはなぜか。 | barsoのブログ

barsoのブログ

世の中に人生ほど面白いものは無し。いろいろな考えを知るは愉快なり痛快なり。
FC2にも共通の姉妹ブログを持っています。タイトルは 『バーソは自由に』 です。
http://barso.blog134.fc2.com/

 

 動物には、♂と♀で異なる名がある場合がある。

 支那の神話で"獣類の長"とされ、『キリンビール』の顔になっている『麒麟』は「麒」がオスで、「麟」がメスを表す
 見分け方は、麒麟のオスは角が一本でウロコがあり、メスは角が二本でウロコがないそうだ。

 "鳥類の長"である『鳳凰』は、「鳳」がオスで、「凰」がメスを表している。
 鳳凰はオスとメスで色や形が違い、明け方に鳴く声も違うとも言われているが、平等院の鳳凰像はオスメスの区別がないそうだ。

  OIGteqg.jpg  

  『麒麟鳳凰の図』。ゴッホが描いたらこうなる。

 ということで、今回は「夫婦別姓」ならぬ、「雌雄別名」の茶話です。

                 ●

 同じく伝説上の動物では、『龍』はオス、メスは「竜」と書く。
 ただし「竜」は「龍」の略字または古字という説や、メスは「蛟」と書くという説もある。「蛟」は、みずちと読み、『日本書紀』や『万葉集』に出てくる伝説上の竜類か蛇類か水神。
 「龍」は支那の皇帝のシンボルで、「竜」は欧州の神獣ドラゴンに使われる。
 区別の仕方は脚の指で、「龍」はオスで偉いので指が5本、日本や韓国の「竜」はメスで指が3本か4本だそうだ。
 
 カワセミは元々「翡翠」と書かれ、「翡」がオス、「翠」がメス。
 ただし、今ではヒスイと読んで宝石の名前になっている。
 
 オシドリは「鴛鴦」と書くが、「鴛」がオス、「鴦」はメス。
 オシドリはオスメスがいつも一緒にいることから、仲むつまじい夫婦の比喩となっている。
 小林一茶の句に「放れ鴛 一すねすねて 眠りけり」があるが、読み方は「はなれおし いちすねすねて ねむりけり」。男女の間柄で「すねる」行為は、好意が甘えになった表現である。

 オオカミは、オスが「狼」で、メスは「狽」。
 オオカミは前足が長く、後足が短いため、オスとメスが上下に重なって歩いていると考えられ、離れて歩けば倒れるので、あわてて、うろたえるということから、「狼狽」という言葉が出来たそうで、おお、そうか、と私はいささか狼狽した。

  OIGlkgd.jpg

 キツネは、オスは「狐」で、メスは「狐」または「狸」。
 とネット(Bing)にあったが、「狸」はタヌキなので、キツネとタヌキの恋は夢芝居。操りつられ、細い絆の糸引き引かれ、心はらはら、互いに騙し騙される関係だったのか。

 クジラは、オスが「鯨」で、メスは「鯢」。
 共にゲイと読むが、クジラはゲイではない。「鯨」の右側の「京」は、大きな数を表わす単位「京(兆の1万倍)」を表すという説がある。  

 菅原道真は安倍仲麻呂と同じく逆臣とみなされ、天下を狙う怪魚「鯨鯢」と揶揄されたが、死後はタタリを怖れて天満天神に祭り上げられた。(『文選』巻五)

 ニジは、オスが「虹」で、メスは虫偏に「兒」または「霓」と書く。
 虫偏で書かれるのは、虹は空に現れる大きな蛇と考えられていたから。蛇を表す虫に「工」を付けた「虹」の「工」には、天と地をつなぐという意味がある。
 主虹をオス、外側にうっすらと現れる副虹をメスとする。「兒」は児童の「児」で、小さいの意。ちなみにレインボーカラーはLGBTのシンボル。
 
 なお、ペットである猫や犬にオス・メスの区別をして呼ぶことはあまりないが、家畜の場合は、おんどり/めんどり(英語cock、米語rooster/hen)とか、おうし/めうし(去勢牡ox、未去勢bull/cow)といった具合にオスメスの接頭語を付けて呼ぶことが多い。
 その理由は、子や卵を生んだり乳を出すメスと、食肉用にしか用途がないオスとは区別したほうが便利だからで、要は"人尊獣卑"、人間にとって都合のいいように名前も決められたのだろう。

  OIGlae3.jpg


 では、人間の男女の場合はどうか。
 古語の「をとこ/をとめ」「おきな/おみな」は、「を」が小を、「お」は大 を表すので、前者は年少の男女を、後者は年長の男女を表す。
 現代語では、「夫/妻」「爺/婆」「父/母」など、役割や立場、年齢によって男女で異なる漢字を書き分けているが、「子」は、狭義では男子(特に学問や道徳を備えた男)を表す。「帰国子女」とは外国に転居して帰国した子(男)と女という意味だ。

 男は神の似姿をしている、と聖書は述べている。
 旧約聖書の冒頭には、「人は神のかたちに似せて造られ」、「土の塵(アーダーマー)から人(アーダーム)が造られ」、「助け手」として「男(イッシャー)のあばら骨から女(イッシャー)が造られた」と語呂合わせで書かれている。聖書はダジャレ好きである。(創世記 1:26,  2:7,19,23)
 男のオリジナルは神で、女のオリジナルは男。つまり神→男→女の序列があるので、ユダヤ教は男性優位思考になっており、ユダヤ教から始まったキリスト教も同様となっている。
 ただ、「助け手」とは、英語ではアシスタントではなく、ヘルパー。介護ではヘルパーさん無しでは生きられない人がいることを考えると、ヘルパーは強い。しかも女がいなければ男は生まれない。(Ⅰコリント 11:3, 7-12)
 よって、夫婦の場合は俗に『かかあ天下』と言い、「あれから40年。あのとき、食べておけばよかった」と述懐される(さだまさしの『関白宣言』はあくまでも男の本音であり、願望に過ぎない)。

 なお、聖書の男性優位思考は、聖典編纂の最初期に、族長社会ならではの権力を持つ男の手が入ったためと考えられる。
 また、肉体は土葬すると土に還るが、土の成分は炭素、窒素、水素、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛・・・などで、人体の構成元素と酷似している。

  Oour5W.jpg

 ここで念のために補足しておくが、私は「男が女より優位だ」と言うつもりはない。人間に男と女の別があるのは、それぞれが必要であり、役割が違っているからだ。
                 ●

 で、LGBTT(トランスジェンダー)の話になるが、これは同性を性愛対象とするLGBとは違う区分のものであることをまず認識したい。
 体は男でも「心は女だと自称さえすれば女になる」という主張は、心の中のことなら別にいいが、問題は「それを女子専用スペースでも認めなければ差別だ」とする「ポリコレ」の行き過ぎた精神思考のことだ。


 昨今、外圧(アメリカ)と内圧(マスコミや知識人)のせいで、トランス差別反対、ジェンダーレス、夫婦別姓などのポリコレ風潮が日本でも高まってきている。
 最高裁が10月25日、「性別変更の手術要件は違憲」として、以前とは異なる判決を出した。これはほぼ間違いなく、6月に成立した『LGBT理解増進法』に影響されている。

 その『LGBT理解増進法』が強引に成立させられたことを、「このままでは日本は5年先、10年先がない」と嘆いたベストセラー作家の百田尚樹氏に、ジャーナリストの有本香氏が加わって『日本保守党』が立ち上げられた。
 百田氏(67歳)は、「あんまり腹たったんで、新党を立てるわ。金もなくなるぜと嫁さんに相談したら、ええよ、金持って死なれへんやろ。私はあんたとこうやって『王将』で飯食えれば、それで十分や」と言われたそうだ。
 『X』の公式フォロワー数は2週間で自民党を抜いて第1位、年党費12000円または20000円の党員数は1か月で5万4千人を超えた。街宣も感動的だ。→YouTube(1:0023~)

 むろん、保守や伝統が常に正しいわけではない。間違っていることや良くないことは変革したほうがいい。
 がしかし、ポリコレ風潮に乗り、何事も新しければ「進歩的で立派なことだ」と思い込んで安易に同調するなら、結果的に大勢の人が迷惑や被害を被り、日本の優れた社会秩序が壊れ、日本人の多くが狼狽することになるだろう。


(※ポリコレとは、「ポリティカル・コレクトネス」の略で、偏見や差別に起因した表現や認識を改めるための概念を指を指す。画像はMicrosoft BingのImage Creatorを利用したゴッホ風です)

 

                 ●

【おすすめ動画】
 だれでも成りたい「性」に成れる、自己申告で、という考えはおかしくないか。

 

 右の白人司会者が「自分で女だと言えば男が女になれるのなら、私は黒人のレズビアンだ」と言ったら、左の若い女性が「それは馬鹿げている」と言った。
 しかし T(トランスジェンダー)擁護者の理屈だと、誰かが自称した性別を受け入れないと差別になるのだから、決して馬鹿げてはおらず、彼女の反論は自分に返るブーメランになっている。
 男が「自称女」になれば、女子競技ではメダルを独占し、女子トイレや女風呂に入れば女性がみな気持ち悪くなり、性犯罪も生じやすくなり、実際起きている。
 LGBT法は、"差別をなくす"どころか、"差別を大量に増やす"ことになるのだ。


                 ●

ついでながら、ネットのニュースの見出しを見ていたら非常に驚いたことがある。
小室圭」さんの様子がおかしい…眞子さんとの同棲で『2年前とは別人』になった理由」と『週刊現代』11月4日号にあった。「同棲」とは正式に結婚しないまま男女が同じ家で一緒に暮らすことだから、虚偽であり、常識や礼儀を大幅に外れている。個人的に嫌うのはいいが、マスコミの悪意ある偏向報道はひどすぎる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f31f50b9294ea90ad2097b2ea4d7cbf9371d9a1