鰻と別嬪と厚化粧の関係。a | barsoは自由に

barsoは自由に

世の中に人生ほど面白いものは無し。いろいろな考えを知るは愉快なり痛快なり。
毎週土曜日更新。FC2にも姉妹ブログを持っています。タイトルは 『バーソは自由に』 。
http://barso.blog134.fc2.com/

夏が来れば、鰻(うなぎ)のかば焼きを思い出す。
だが、鰻屋に行くと、「松>竹>梅」という階級制のゆえにひと悶着が起きる。
すなわち、
最上位の「松」はちょっと畏れ多いなあ、と生来の弱気と貧乏性がしゃしゃり出て、
といって下位の「梅」はちょっと情けないなあ、と男の意地らしきものが顔を見せ、
しばし逡巡のあと、結局は「竹」を注文して、たけえなあと心の中でぶつぶつ言い、
鰻に階級があるというよりは、食べるほうの階級意識がお家騒動を起こすのだ。

そんな客の心理を考慮して、「梅>竹>松」の逆順にしている店もあるそうだ。
ただし、元々は「松=竹=梅」と三者平等で、序列はなかったとか。

それにしても牛丼の『吉野家』では、なぜ普通盛を「並」なんて言うのだろうか。
「並一丁」と店員に言われると、「お前は並だ」と言われているようじゃないですか。
まあ、その通りなんですがね。なんせ牛丼屋に入る客ですから。

ugitoe.jpg
歌川国芳「春の虹蜺」。鰻を食べているときに虹が出て、振り返ろうとしている。

今回は鰻屋の話から、すかんぴんじゃあなく、べっぴんとすっぴんの話になりますよ。
ついでに厚化粧と薄化粧、どっちがお好きですか。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
夏に鰻を食べる習慣は、万葉の昔からあった。

万葉集で、大伴家持が石麻呂というせている友人をからかっている戯れ歌を二首。
石麻呂に 我れ物申す 夏せによし といふものぞ 鰻捕り
(石麻呂さんに申し上げる。夏痩せに良いと言われるので、鰻を捕ってお食べなさい)
す痩すも 生けらばあらむを はたやはた 鰻を捕ると 川に流るな
(痩せながらでも生きていればこそ。もしや万一、鰻を捕ろうとして川に流されるな)

「鰻を捕る」とは川に捕りに行くということ。当時は鰻屋や魚屋が無かったのだろう。
そう思うと今はコンビニでも買えるわけで、本当に便利な世の中になったものです。

lkbkd.jpg
歌川国芳「狸」。タヌキ顔の漁師たちが川で魚を捕っているが、鰻もいるようだ。

ただ、鰻はコレステロールが多いのであまり食べ過ぎないほうがよろしいようで、
私は薬局で、鰻は控えたほうが、と串を、いえ、釘を刺されています。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「別嬪(べっぴん)」の語は、鰻屋のキャッチフレーズから出来た。

●愛知豊橋の鰻屋が「頗別品」と書いて宣伝したら、鰻丼が大ヒット。
JR豊橋駅近くに『丸よ』という老舗鰻屋があるが、そのルーツの割烹店『織清』の
主人が江戸時代に、“すこぶる別の品だ”という意味で、看板に「頗(すこぶる)別品」
と書いたところ、鰻丼が大人気商品となり、「別品」の語も“優れたもの”を意味する
流行語になり、それがやがて美しい婦人の形容にも使われるようになったそうだ。

しかし女性は品物ではないとクレームが出たのか、「別品」の字は「別嬪」に変わった。
「嬪」とは辞書によると、古代の天皇の側室で、皇后・妃・夫人に次ぐものの意。
うーむ、別嬪さんとは王子様に見そめられたシンデレラのような美女なんですね。

●「別嬪」の対義語として、「素嬪(すっぴん)」という言葉が出来た。
本来は化粧をしなくても美人という意味だが、現代では化粧をしてない素顔のこと。
きれいなモデルさんも、スタジオに来るときはすっぴんなので全然目立ちません。

むろん黒髪で薄化粧も良し。自分に似合って個性が引き立てば何でもいいでしょう。
uha9.jpg
ノエビア化粧品のCMアートで知られる鶴田一郎さんの美人画。※1

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「すっぴん」は、あまり見せないほうがいいのか。

●女性の素顔を見て驚いた人がいる。※2
「彼氏から、化粧を落とした姿を“Bモード”、つまり“ブサイクモード”と言われます」
「3年半付き合ってるけど、デーモン小暮みたいにこれが素顔なんだと言い張ってる」

●そのほか、こんな意見もある。※3
「女性がすっぴんを見せてくれるのは、自分だけ“特別な存在”的なうれしさもある」
「どちらにしても結婚する前に、相手のすっぴんは見ておいたほうがいい」
「私の妻は新婚当時、寝ている間も付けまつげを外さなかった。ああ~。(バーソ)」

アメリカのファッションモデル、女優、テレビ司会者タイラ・バンクス(42)。
uu1q19.jpg
このひとは若いモデルを育成する仕事をしているが、このビフォーアフターの
違いを見れば才能のあることが分かる。モデルを目指す人も自信が出そうだ。


昨今は「ハーフピン」が流行っている。これはバーソの造語だが、眼を大きく強調し、
髪を茶系に染め、ハーフっぽく見えるメイクをしている顔のこと。日本人の女性も
こうしたメイクの効果で、明るい色柄の洋風ファッションが似合うようになった。

                     ●

鰻のかば焼きは、鰻のすっぴんの顔で「別品」かどうかが決まるわけではない。
鰻の味を決めるのは、鰻自身の品質を別にすれば、タレと焼き方だろう。
では女性も、バッチリメイクと生き方で「別嬪」を実現したらどうですかね。(^_-)
                                 
ま、私の率直な意見では、顔は「並」でも、「優しさ」があれば「上」にしたいですね。
男については、顔は「下」でも、「 気骨や才能 」があれば「上」にしたいのですがね。
                (↑ この空欄には、お好きな言葉をどうぞ)

★補足:私は上手な厚化粧(バッチリメイク)は好きなほうです。茶髪も好きですね。
 
補――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※1:鶴田一郎。日本のグラフィックデザイナー・画家。1954年生れ。熊本出身。
ultii.jpg久留米工業大学客員教授。自身で「私は私自身のミューズ(女神)を
描きたいと思っている」と述べているが、美人画のコンセプトは、
日本人女性の美しさの再認識。浮世絵、仏教美術、琳派など日本
の伝統的な美術様式に、アール・デコのヨーロッパ的要素を融合
させ、シャープで華やかな独自の美的世界を創りあげている。
※2:http://www.men-joy.jp/archives/18385
※3:http://matome.naver.jp/odai/2146986806138456901?page=2
――――――――――――――――――――――――――――――――――――