昨日のブログに、原田諒氏のハラスメントに関する文春記事について、「もし記事の内容が正しければ・・・」ということを前提に私の感想や意見を書きましたが、その後、宝塚歌劇団がホームページで「宝塚歌劇団に関する一部報道について」というタイトルで声明を発表しました。宝塚歌劇団は、今回のハラスメント事案を隠蔽したということはなく、「ハラスメントを行った団員はすでに退職しており、現在は宝塚歌劇団およびグループ会社のいずれにも所属しておりません」と、原田氏を親会社に異動させたという文春記事を否定し、事実を隠蔽せずに適切に対処している、という声明を発表しました。でも、この文章を読むと「免職」や「解雇」ではなく「退職」という言葉が使われていたことがひっかかりました。自己都合の退職を認めたということなのでしょうか。会社の姿勢として、懲罰的な解雇ではなかったのかどうかが気になります。そして、文章全体から、ハラスメントの処分は原田氏が演出助手のAさんに対して行ったセクハラ+パワハラについてであって、生徒に対して行ったパワハラへの対応について、歌劇団としてどう対応するのか、今後の再発予防を含めてどう対応するべきなのか、というファンにとって一番気になることについては窺い知ることができなかったことも気になりました。

 

Aさんへのセクハラ+パワハラの問題は、スキャンダラスなイメージがあるので、週刊誌的にはこちらを強調した記事を書きたかったのだと思います。生徒へのパワハラについても書かれていましたが、企業のイメージとしては、Aさんの事件によるダメージが大きいので、歌劇団としてはこちらの記事を主眼に置いた対策を講じる必要がある、という判断になったのだと思います。被害を受けたAさんは本当にお気の毒ですが、長年にわたって繰り返し原田氏のパワハラの被害者になっていた生徒さん達への対応が気になります。原田氏は多くの作品の演出を手掛けていますので、おそらく全組の生徒が彼のパワハラの対象になっていたのではないかと思います。宝塚歌劇団として、演出家による生徒へのパワハラ対策を今後どのように徹底するのか、ということも、声明の中でもっとしっかりファンに伝えて欲しかったと思いました。

 

そして、「弊団では、研修やアンケート調査の実施、相談窓口の設置などを通じて、ハラスメントの根絶に力をいれてまいりました」という記述がありましたが、演出家が絶大な権力を持っている宝塚歌劇団で、生徒がアンケート調査に回答したり、相談窓口で相談する、ということが現実的に可能なのかどうか、疑問です。訴え出た本人が特定されてしまったら、当然、加害者である演出家の怒りを買うことになります。平和な解決方法として「退団」という道を選んだジェンヌさんたちも大勢いたのではないかと、心が痛みます。女性ばかりの劇団であるにもかかわらず、マネジメントの上層部は男性ばかり・・・。「ハラスメントの研修をして、アンケートもして、相談窓口も作っているんだから、それを利用しない方が悪い」という強引な理屈は通りません。年若い女性が多く在団していることや、お嬢様として大切に育てられたお嬢様たちが多く在籍している劇団であるという現実を受け止め、ジェンヌさんたちに対する細かい気配りや配慮をしていただきたいと思います。

 

また、文章の中に「ハラスメントを受けた方の心情に寄り添い真摯に対応しております」という表現がありましたが、「ハラスメントを受けた方」と単数形で書かれていて「方々」と書かれていないのもきになります。・・ということはやはり、歌劇団の声明文は、セクハラを受けたA氏への対応を主として書かれた文章だったような気がします。「ハラスメント」という文言の中に、A氏へのセクハラ+パワハラと生徒へのパワハラの両方が含まれていることを願います。

 

今回の声明は、「今回、このような事案が発生した事実を重くうけとめており、今後はハラスメントの防止のさらなる徹底に努める所存でございます。」という一文で締めくくられていますが、「このような事案」をA氏に対するセクハラの問題にとどめず、ジェンヌさんたちに対するパワハラに対してもしっかり向き合って、対策を講じて頂きたいと思います。

 

今回、月組の組長に専科の梨花ますみさんが就任されたことも、演出家のハラスメントから生徒を守る方策の一つなのでしょうか・・・。

 

「蒼穹の昴」で専科から6人も年配のベテランの生徒さん達が出演したのも、今考えてみると、横暴な演出家に対するハラスメント対策の一環だったのでしょうか。

 

今回の報道で、深く心が傷ついたジェンヌさんたちも多かったのではないかと思います。生徒さん達の心に寄り添って、心のケアができる体制を、劇団は出来るだけ早く作ってあげて欲しいと思います。