今日は2009ベルリン世界陸上(陸上世界選手権)の女子マラソン代表選考会である

2009名古屋国際女子マラソン が行われました。


多くの方々がテレビまたは沿道で観戦されたことと思います。

世界陸上への代表選考会としての注目も当然ですが、他にもシドニーオリンピックマラソン金メダリストの高橋尚子選手のサヨナラランも注目されていましたね。


レース前の新聞記事などでは、本命不在で混戦が予想され、大集団でのスローな展開が予想されていました。


そんな予想をよそに、レースは序盤から動きがありました。

5kmを過ぎたところで、注目選手の一人だった白雪選手(中国)がスルスルと抜け出しました。

続いたのは、キャロライン・キレル選手(ケニア)と日本の新谷選手(豊田自動織機)、そして今回が初マラソンとなる藤永選手(資生堂)でした。

他の有力選手達はまったく反応せず、4人の選手達だけが飛び出す形となりました。


抜け出した先頭集団の5~10kmのペースは上があり、後続をぐんぐん引き離しました。

ペースは最初の5kmがスローだった為大きく上がった形になりましたが、決して他の有力選手達がついていけないペースではありませんでした。今日のレースのポイントは、この5km過ぎの判断にあったような気がします。


この後、藤永選手は、幾度となく先頭集団から離されそうになりますが、時折苦しい表情を見せながらも必死に先頭集団に喰らいつきます。


中間点を過ぎても先頭集団に大きな変化はありませんでした。動きがあったのは30km手前でした。

30kmを前に中国の白雪選手が遅れだします。

突然足が止まったかのような失速で、みるみる3人と距離が開きました。

そして、その後まずキレル選手が仕掛けます。

しかし、このスパートは長くは続かず、すぐさま新谷選手逆にスパート。

1km3分30秒前後で推移していたところから、3分18秒までペースアップ。

藤永選手とキレル選手を引き離します。


一時は100m以上の差が開きましたが、突然後続との差が開かなくなりました。

新谷選手の表情は明らかに苦しくなり、ストライドも狭まっていくのが画面から見てとれました。


後ろにいた藤永選手は、先頭の背中が一旦離れていき、また縮まってきたことが分かった筈です。

藤永選手もかなり苦しそうな表情でしたが、『必ず追いつける』という強い気持ちが大きなエネルギーとなったのでしょう。


一旦は引き離された新谷選手にみるみる近づいていきます。

そして37km過ぎ、ついに藤永選手が新谷選手をかわし、このレースで初めて先頭に。

残り5kmも苦しい表情は続きましたが、必死に体を前に進め、2時間28分13秒というタイムで見事初マラソンで初優勝を飾りました!!


藤永選手おめでとうございます!!



2位には後続集団から追い上げてきた堀江選手(アルゼ)が入りました。

3位には昨年の世界ハーフでご一緒させて頂いた町田選手(日本ケミコン)が入りました。

果敢にスパートし一時は先頭に立った新谷選手は、8位という結果でした。


またホクレン女子陸上部からは、木富選手と鈴木選手が初マラソンで出場し、

木富選手 10位

鈴木選手 14位

という結果でした。

二人ともお疲れ様でした!


(高橋尚子選手は、終始笑顔で沿道の方々に手を振りながら名古屋のコースを走られていましたね。笑顔で手を振りながらでも3時間を切ってしまうあたり、さすがは金メダリストですね!)




テレビ観戦していた有紀子は、終盤興奮してきて藤永選手を必死に応援!

(冷静に考えると、自分が代表に選ばれるかどうかにも大きく関わっているので、微妙な行為なのでしょうが、そんなことは深く考えていなかったのでしょう)


藤永選手と有紀子は、大学時代に、駅伝やトラックで競った良きライバルです。

藤永選手は、高校時代は圧倒的な走力を誇り、1999年にはセビリア世界陸上にも出場した実力者です。そんな藤永選手も大学入学以降は、故障に悩まされていました。

同じく20代前半は故障に苦しんだ有紀子としては、今日の走りを観ていて特別な気持ちもあったのかも知れません。


藤永選手は、今日のこのレースで8月のベルリン世界陸上のマラソン代表に見事内定!

(タイムは関係なく、日本人1位は内定というルールの為)


現在有力候補ではありながら、まだマラソンで世界陸上へ代表入りできるかどうか分からない赤羽有紀子にとっては、嬉しくもあり羨ましくもある複雑な心境でしょう。



名古屋国際女子マラソンの観戦を終えましたが・・・

我々夫婦の思いは変わらず・・・


『ベルリン世界陸上でマラソンを走る』


です。

初マラソンを無事に終え、マラソンというものを経験し、今じっくり振り返り初マラソンのレース内容やそれに向けてやってきた準備を分析して、お互いの見解は一致しています。


『次はもっと攻めの準備と攻めのレースができる』

ということ。


先の大阪国際女子マラソンでは、これまで5000mや10000m、ハーフマラソンで鍛えたスピードを、十分に発揮することができませんでした。

初マラソンゆえ、経験もありませんでしたから、その辺りの総合的な『差』も感じました。



こちらは昨日尚子ロードで行った25kmビルドアップ走の様子です。

(土砂降りの雨と強風でしたが、悪天候を吹き飛ばす良い走りでした)
赤羽有紀子選手のママさんランナー奮闘記

次のマラソンは『じっくり準備期間を設けて挑戦する』という方針を掲げています。

先月2月の沖縄合宿、そして今行っている徳之島での合宿でそれを実行しているところです。

この練習も、マラソン2戦目に向けた大事なパーツの一つとなることでしょう。



我々は吉報が届くことを信じて、しっかり準備を進めたいと思っています。

次のフルマラソンを『攻めて攻めて攻め抜くレース』とする為に!!



明日も気を引き締めて頑張ります!!