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血管の仕組みと役割について簡単に教えて下さい。

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よくあるご質問(FAQ)

血管の仕組みと役割について簡単に教えて下さい。


血管は、血液を身体中に送るパイプの役割をしています。


 人間ひとりの身体の中にある血管をすべてすなげて横に並べると、長さはおよそ10万キロになるともいわれています。この長いパイプに勢い良く血液を送り出すためにも、そのポンプとなる心臓が大切な役割をします。心臓から身体の隅々に向かう血管(パイプ)を動脈と呼び、逆に身体の隅々から心臓に折り返す血管(パイプ)を静脈といいます。

 動脈と静脈をつなぐ部分はとても細くなっており、これを毛細血管と呼びます。

 身体の中に毛細血管は1,500億本ほど存在し、血管全体のおよそ9割を占めているといわれています。毛細血管の最も細い部分は直径わずか千分の7ミリほどしかありません。そしてこれらの細い血管というパイプが、身体全体に存在する60兆個の細胞をすべて覆っています。とても薄く、とても細い血管を通じて60兆個の細胞内に酸素や栄養素が運ばれます。また血管は、これらの酸素や栄養素を運ぶだけでなく、いらなくなった老廃物や二酸化炭素を代わりに運ぶ役割も担っています。これを俗に代謝といいます。

 身体の中の道路のように様々なものを運ぶ血管ですが、運ぶものの中でも最も重要となるのが、私たちが生きていくうえで欠かすことのできない酸素です。私たちは酸素がないといけないといいますが、正確に言うならば「細胞が生きていけないのです」。酸欠(酸素が欠乏する)状態になると60兆の細胞たちは死亡してしまいます。身体のなかのごく一部だけであれば、身体全体に支障をきたすことはありません。しかし、脳だけは別です。脳はたいへんデリケートな存在であり、3分間、脳に酸素が運ばれないだけでその機能を停止してしまいます。

 昨今、その普及のスピードが加速しているAED(Automated External Defibrillator 自動体外式除細動器)の救命講習では「ゴールデンタイム」という言葉がよく使われます。このゴールデンタイムは心臓が停止してから3分間のことをさします。ゴールデンタイムの3分間のあいだにデリケートな存在である脳に酸素を送ることができれば、脳死という状態を防ぐことができます。

 このため、AEDを使っても効果がすぐに現れない場合は人工的に酸素を血液に送ることが優先されています。「人工的に酸素を血液に送る」というとイメージがわきにくいかもしれませんが、この人工的に酸素を血液に送る手法とは誰しもが一度は講習を受ける、心臓マッサージや人工呼吸なのです。AEDを使った講習において、人工呼吸と心臓マッサージがセットで指導されるのはこのためです。

 これ以外にも体温や水分、白血球などの免疫細胞を身体全体に運ぶ幹線道路としての役割も血液は担っています。女性の中には冷え性に悩まされる方が多くいますが、手足が冷えるのは手先(身体の末端部分)への血流の流れが滞っているために起こります。この症状が悪化すると、最悪の場合、細胞が壊死してしまいます。エコノミー症候群に代表されるように、同じ姿勢を維持し続けるだけでも血液の流れは悪くなってしまうことがあります。寝たきりの老人や入院が長引く患者さんが「床ずれ」を経験するのは、これら血管の圧迫による細胞の壊死のひとつです。

 先ほど幹線道路という例えを用いましたが、まさに血管は代謝機能の全てを担う人間のインフラそのものといえます。

 地震や台風といった災害時には電気、ガス、水道といったインフラが止まることで多くの被災者を苦しめます。これと同様の理由で、身体の中のインフラである血管や血液がなければわたしたちの身体はその命を維持することができないのです。