カワサキワールドの続きです、新製品もちゃんと置いているわけでこいつが気になってた。
メグロS1である。
因みにS1というのは空き番で、メグロ初の250ccがSで次に出たのがS2だったので使われていなかったんですね。
前回の東京モビリティショーでは前身のカワサキメグロSGと共に展示されててなんか違うなーって思っていたんですがね。
それが現物を前にすると以外に行けるじゃんと。
ベースになっているのはみなさん御存じW230で、エンジンはオフロードのKLX230
だ。
見た目でW230と一番の違いはタンクですよね。
昔の物は一度メッキをかけたタンクに黒部分を焼付塗装して、白いラインはエナメル塗料を烏口で職人が引いていたと(烏口はカラスグチで検索ください)。
中々それらしいのですが何か違和感があったんですよね、元SGのオーナーとしては。
そう40年位前に乗っていたんですよ、5万で買ったSGにね。
現在のタンクのメッキ部分はこれ部分メッキなんですよ、技術の進歩で部分的に塗装のように出来ると。
なので行程的には簡略化出来ているのは分かりますしその仕上がりもいい。
でもまだ疑心暗鬼だったのはね、SGのタンクって特徴的だったんですよね。
今回の収穫は跨ってみれたから。
この前の方が幅広くてのっぺりとした感じはまさにSGです、横から見た印象とは全然違う、これ元オーナーとしては感銘です。
当時の記憶が蘇るくらいだ。
流石にハンドル周りは形状と共に現代的ですが、腰下の収まりはまさにSGなんですね。
説明員の方がいらっしゃったのでいろいろと聞いてみた、私と同じくらいでリタイヤされてこちらへ再就職という事だろう。
するととんでもない情報をゲットです。
これどこのオートバイ関係の雑誌にも載っていない。
S1のタンクはエストレヤの金型なのだという、さらに前後フェンダーもそうなんですと。
これは私がエストレアの方がSGに近かったと言ったら出てきた情報だ。
さらにこの説明員の方、カワサキが収集するバイクの管理もしていた方で。
前回の東京モビリティショー(旧モーターショー)にS1と共に参考出品されてたSGのタンクマークがカワサキのフラッグマークではなくメグロのものだったという私の指摘に。
カワサキではSGは持っていないという、こちらは個人の方から借りてきたもののようなのだ。
これがその時のSGです。
メーカーのくせにマーク変えるなんて姑息なことしてやがると思ったのですが、そういう事だったのですねー。
しかし改めてSGは正に本物といった風体でカッコイイですねー。
S1はタンク形状はほぼ似てるのですが深いフェンダー全く違ってて重厚感がない。
再びS1です。
軽快感はあるのですがねぇ、それが重厚なSGとはまた違うと。
どこかのサードパーティで深いフェンダー出したらどう、なんて思っちゃいますね。
乗ってみたらこれまた全然違うんだろうなぁ、エンジンもインジェクションだしね。
SGのキャブにはティックラーが付いてた位レトロでした。
全バラして組んだので特徴的な構造は良く分かっていると思う、エンジン前面にフィンの着いた円筒形の物が付いててこれセル?なんて言われてますが。
中身はオイルフィルターでそのケースなんですね、控えめなフィンで簡易オイルクーラーの役割も果たしてたとかね。
(セルは付いてた、というかダイナモがセルの役目も果たすセルダイナモです、合理的ですが全体に大きく重くなるので今は無くなりましたね)。
圧縮費のそれほど高くないロングストロークのOHVエンジンはド、ド、ド、ド、ドと250とは思えないフィーリングでした。
勿論パワーは全くないのですが高ギヤで負荷をかけて加速(というか増速だな)すると楽しかったですよ。
マフラーはW1の物にしてましたから出てくる音は初期W1の半分サイクルでこれも良い響きでしたね。
S1のエンジンフィールは現代的なそつのないものなのだろう。
そんなこと考えながら見ていたら現実に戻りました、跨ったタンクの感じがよくてノスタルジックになってたようです。
もう少し年取ったらトコトコ郊外を走るのにはいいかもなんて思ったが。
それだったらSGの中古探して手をかけながら乗ってた方がもっと楽しいでしょうからね。
でもレトロなスタイルが好きな若い方には絶好だと思いますよ。




