神戸出張は前日入り、早めに着いたので研修としてこちらへ寄ります。

それはこの有名な建物のすぐ隣にある。

 

 

実は2回目で前回行ったのは14年も前です。

施設は神戸市海洋博物館という建物の中にありますが、カワサキワールドの方がメインのようだ。

カワサキミュージアム | redtylerのブログ

今回は歴代レーサーをメインに展示してるのでそちらを追ってみましょう。

 

レーサーの展示ブースではまずこちらが出迎えます。

 

 

私としてはやはり目を引くのは此方でしょう。

 

 

KR500はそれまで250、350クラスでトップに君臨したKRレーサーのエンジンをもとに開発された。

クランクシャフトを2本持つ独自のタンデムツインというレイアウトを二つ並べたスクエァフォァというエンジン形式。

 

 

そうすでに成功しているKR250のエンジンを2つ並べるという確実な方法で500クラスへ挑戦してきたのですね。

 

KR250、350がタンデムツインを選んだのはカワサキが得意としていたロータリーディスクバルブという吸気形式はどうしてもキャブがエンジン側面に来るからだ。

カウルの幅をできるだけ細くしたいから出来たレイアウトです、後述のA7Sレーサーを見ればわかります。

こちらの面を見るとキャブは何とかクラッチと同じ幅になっているのですが、反対側はやはりキャブの分が出ていて。

このスクエアフォーは必然的に幅は広くなる。

 

だがロータリーディスクバルブは正確にかつ自由に吸気タイミングを設定できるメリットがあるし、2ストの宿命である吹き返しが出ない確実な充填ができます。

ただ構造が簡単で主流だったピストンバルブに吹き返し防止のリードバルブを追加したピストンリードバルブが出てくるとそれ程の優位性は失っていく、ロータリーディスクバルブは市販車でも淘汰されていったのですね。

 

話戻してKR500だ。

1980年に登場した時はそのエンジンと共にフレームも注目された。

モノコックフレームを採用してきた。

 

 

斬新的でしたが初年度はやはり苦労していた。

エンジンは良かったようなのだがフレームが追い付かなかったか。

でも翌81年には名手コーク・バリントンの活躍で3位に入賞するまでになっていたのだが。

 

 

何故かこの展示車両の82年にはクレードル部を細く改修して燃料の不足分を補うべく別にタンクをかぶせた2タンク構造になる。

するとそれまでの勢いはなくなり、この年をもってGP500クラスからは撤退してしまいます。

コーク・バリントンも同時に引退と、カワサキファンには何とも寂しい年の暮れになるのですね。

 

時代は60年代に遡ってA7Rだ。

 

 

元となったのは勿論市販車のA7輸出名サムライだ。

この左右に張り出したカウル下部を見てください、ロータリーディスクバルブによりキャブがエンジン側面についているからこうなってしまう。

れレーサーですからこれじゃバンクさせた時に擦っちゃいますよね、これを回避するためにKR250、350はタンデムツインになってるわけですね。

元となった車両はこれです。

 

 

1960年代はこうした市販車をベースにしたレーサーがメーカーからも販売されたりキットとして出されていた。

勿論ワークスは専用車両を開発するのでこういった車両はプライベーター用に市販されていたのだ。

 

 

フレームは市販車のままのようだが補強を追加したりもしてる。

プライベターがクロームモリブデン鋼で職人が作ったものを組み込んでるものもあった。

そんな中からレーサーフレーム専門のメーカーが出来たりするのですね。

 

 

チャンバーがいいなぁ、パイィィィィンという音が聞こえてきますよ。

でかいドラムブレーキがいいなぁ、私の年代はこれ惹かれるんですよねー。

 

 

ほっほしいーーーー。

CB72に付けたいです、えっスピードメーターは、、って。

これ今はタイヤの回転数拾って計測できるのがあるんですねー、直径を入力すれば速度が出ると。

 

そして70年代のレーサーはこれ。

 

 

H1Rだ、そう500マッハベースのレーサーです。

こちらはワークスなのでフレームから専用設計だ。

各部を見て驚いたのは此方。

 

 

リヤショックの取り付け部が6ヶ所も変更できるようになっています。

これは開発用の車両なのでしょうかね、それでもこれでレースに出でてて、コースにより使い分けてたとか。

それにしてもリヤディスクはこんなに穴開けて効くのかなぁ、、。

対してフロントは。

 

 

穴空いてません、しかも材質がアルミみたいだ。

アルミなんて使ったら熱的に無理だろうから別の合金かな、番手の高い♯6000番台なら熱には強いが重さは鉄とそれほど変わらないですからね、謎です。

キャリパーは市販車の物そのままですからダブルといえどもそれ程効かなかったんじゃないでしょうかね。

 

他には80年代のAMAスーパーバイクを席巻したこれとか。

 

 

ウエス・クーリーの活躍で北米におけるカワサキブランドの位置をかなり高めた。

KERKERのエキパイもトレンドになりましたね。

 

 

10年前のスーパーバイクも。

もう市販車から変わっているのがよくわかる。

 

もう一つはモトクロスですよ。

1960年代中期を席巻した赤タンクだ。

 

 

そして現代の物も。

 

 

こうしてみると凄い進化していますねー。

他にも懐かしの展示が沢山あって。

 

 

 

 

 

他にも社歴や航空機に電車車両に関する資料など展示内容は充実しています。

神戸に行くようなら一番の観光地に有りますからおすすめですよー。

今回の研修も充実したものでした、、、、ね。