もう何度か行っている富士スピードウェイに隣接するフジモータースポーツミュージアム。

今回の企画展は蘇える60s~日本グランプリです、これは是非とも行かねばですよねー。  

入館すると何時ものオールドレーサー達がお出迎えだ。

中でも一番大好きなフォード999。

 

 

直線番長のこちらに付いてはまた後にですね。

 

1階の奥へ行くと有りましたよー、今回の企画展である蘇える60s~日本グランプリです。

 

 

当時の日本グランプリへ出走した名車たちが並んでます。

 

 

いすずベレットR6だ。

69年日本グランプリでカーナンバー28号車にガッツの米さんこと米村太刀夫/粕谷純一郎組と29号車にミスターベレット浅岡重輝/大森祥吾組とで参戦したマシンだ。

117クーペ用のエンジンG161Wをドライサンプ化し、キャブレターの径を⌀40から⌀44に拡大しポート研磨など各部チューンしたものを鋼板製シャーシーに搭載し、当初はアルミ叩き出しだったボディ外板をFRP製にして登場した。

残念ながら日本グランプリでは29号車は34周目バッテリートラブルでリタイア。

28号車はトラブルを抱えながらも最後まで走りきり19位でチェッカーを受けるのだが、周回数不足で完走扱いにはならなかったと。

だがその後鈴鹿500キロレースでは浅岡重輝が1位の風戸裕のポルシェ910に続く同一周回の2位と大健闘した名車である。

 

 

実写は驚くほど低く作られています。

空気抵抗だけを考慮して私の腰の高さより低い、今のLMPマシンより低いです。

人間工学なんて考慮されていない時代でもう寝そべって操縦する訳だ。

 

 

そのハンドルはフロントスクリーンまで数センチ、握る手が入るだけのスペースしかない。

 

 

フロアを見ると錆が見えた、この頃のレーシングカーの通常は鋼管スペースフレームにフロアなどはアルミ製なのですが、なる程全鋼板によるフレームなのが分かります。

 

 

フロントウインドゥ用のデフロスターが有るのを発見、というかこれサイドウインドなどに一切の開口が無いから、これが外気を取り入れる唯一の方法だったわけだ。

 

 

フロント下のNACAダクトはフロントブレーキの冷却用だが。その上のダクトがこれがデフロスターの空気取り入れ口になっている。

二つのこぶはサスペンションのアッパー部だろう。

立派なパンタグラフ式のワイパーアームは同社トラックからの流用かなぁ。

よく見ると細かな配慮で設計されていて市販車ベースのエンジンは別として車体設計は既に欧州のレベルに達していたのではと思いますね。

 

 

流麗なスタイルは今見てもとっても魅力的です。

これだけのレーシングカーを作っていたのに、117クーペにべレルやベレット、更にジェミニやピアッツァなどの人気車種を生産していたというのに自家用車撤退してしまったのが何とも惜しいですね。

現在はふそうとの経営統合を模索しているようで、こちらはホンダと日産とは違い纏まりそうですね。

 

ダイハツP5だ。

 

 

詳しくは2019年にダイハツ社内の技術研究会の手で完全レストアされた車両が横浜パシフィコで行われた人と車店に出展していて、その時の記事が有りますので是非とも見てください。

ダイハツP-5、現物を見る事が出来ました | redtylerのブログ

 

その後は各サーキットで実際に走行するデモランが行われて、当時の社長奥平総一郎氏もドライブしてご満悦でしたね。

 

 

R6が当時としてはかなり斬新的なスタイルなのにこちらはポルシェ906を参考にしたであろうオーソドックスなデザインになっている。

勿論排気量も小さいですから906に比べると一回り小型でなんかかわいいです。

 

 

とはいえそこは純レーシングカーですからコクピットは正に仕事場ですね。

当時のレギュレーションで消火器がどの車にも搭載されているんですよ、出火したらそんな暇なく退去と思うのですが。

 

 

リヤは思い切ったコーダトロンカ、まだスポイラーだのウイングだのダウンフォースの概念がない頃の設計だ。

 

私は当初エンジンはコンパ―ノをベースにしたものだと思っていたのですが、先の記事に有るようにR92A型という1.3リッターのオリジナルのDOHC 4バルブ、ツインチョークのミクニソレックスをダブルで搭載し130PSを発揮していたというエンジンが搭載されていた。

その後このエンジンはR92Bとなり140PSへとパワーアップしたP5は1968年の日本グランプリへ4台出走させるもののトラブルが相次ぎ、結局残った1台が見事総合10位で完走、これはクラス優勝という名誉を獲得しています。

 

 

という事で今回はこれまで。

次回はいよいよトヨタ7、後にニッサンR382を掲載予定です。

当時のアメリカではインディ500と共に大人気だったCANAMシリーズ参戦を狙った各車は今見ても迫力たっぷりです。

こうご期待ですよー。