スパイスラーメン卍力さんへ初めて行ったのはオープン数か月後の2014年10月だ、もう9年以上前です。

最後に食べたのは秋葉原店での一昨年と、本店は何と7年ぶりになりますね。

 

 

ここは駐輪スペースが有るのがいい、私の着いたのは平日の午後1時半、なんと待ちがいないでは無いか。

店内も1席空いていたので食券買ったら即着席です、これは珍しいですね。

カラシビブームも一段落したのかなぁ。

 

カラシビが初耳の方に。

これは四川料理では昔から有る物で、唐辛子の辛さ(カラ)と花椒(ホアジャウ)の痺れ(シビ)で主に構成される味覚がカラシビです、特に痺れがそれまで日本にあまり無い感覚だったので一気に広まった。

だが逆に苦手な方も多いようで定着したのは一部のようですね。

ただそれまでシビが控えめだった日本の四川料理では本領発揮とばかりに効かせてくるお店が増えたのも確かです。

ホアジャウの痺れが好きなシビラーな私には大変うれしい事なんですね。

このカラシビのバイオニアが神田にある鬼金棒(きかんぼう)さんだ、独特の味噌ラーメンに辛さと痺れを入れたスープで一気に広まり、つけ麺も取り入れてなんと現在はカラシビラーメンとカラシビつけ麺の2店舗を近くで展開するという、しかも両店とも常に行列の人気店になっています。

ここ卍力さんはこの鬼金棒さん出身なんですね。

 

こちらへ行くといつも頼むのもは決まっています、それはパクチー入りスパイスラーメンスパイス増しだ。

このちょっとエスニックなスープにはパクチーが合うしスパイスはもっと感じたいから増しにします。

 

ただパクチーは苦手な方が多い食材なので、食券受け取り時にみじんの玉ねぎに変更するかを聞かれますので苦手な方も安心してください。

こちら都度スープを調合したりモヤシをよく炒め付けたりでオペには時間がかかります、入店8分ほどで出てきた物は。

 

 

パクチーラーメンスパイス増しです。

何時もながら見た目はそそるなぁ、たっぷりのパクチーにこれまたたっぷりの調合スパイスがかかってる。

ダメな方には絶対に無理なビジュアルだ、こういうのを出すところって最近なかなか無いですよねー。

ではスープ行ってみましょうね。

 

 

あれ、以前よりも背脂多くないですかぁ、っていうか一昨年の秋葉原店よりもずっと多いような、これが現在の本店の仕様なのでしょうかね。

パクチーは刻みなのでスープ掬えば必ず入ってきます、他にも色々と降りかかったスパイスが入ってます。

ベースは修行先の鬼金棒さんと同じ豚鶏ベースの味噌なのですがその味噌から違う。

黒味噌か味噌溜まりか香ばしいベーススープ、そこへたっぷりのスパイスが入ってきます。

主成分はコリアンダーとクミン、つまりカレーのスパイスですね、なのでカレーっぽいのだが。

これが香ばしさのある味噌ベースのスープで単なる味噌カレーとは全く違う風味になる。

スパイスの調合も独自で複雑に絡み合うその旨みは唯一無二だ。

 

 

パクチーとスパイスにまみれてますがチャーシューは肩ロースの上質な旨みのある物、隠れた存在にも全く抜かりはない。

 

 

ブロコリーがちょこっと入るのもおしゃれ、これも私の好きな食材なのでいいですよー。

 

 

タップリのラードで炒められていたモヤシ、以前はこれがちょっときつかったのだが、今はそれ程オイリーではなく麺に絡んでシャキッとした食感がいい。

細かく刻まれたパクチーと共に箸ですくうと麺に絡んでくる。

 

 

麺は加水多めの中太麺でモヤシと同じ太さになってる、これがまたいいんですねー。

口中で絡み合って。そう、日本人の得意とする口中料理を足しますよー。

ヨーロッパの方達などはラーメンでも先ずスープを飲んでそれから麺食べて具材食べると、そういう単一的な味わい方なんです。前菜、スープ、メインと食する習慣が身についているらのようですが。

日本人は例えば白米を口に入れてから他のおかずを口に入れて色々な食材とのマリアージュを自然に口中でやって食べているんですね。

なのでこういう麺をただスープに絡めて食べるだけでなく、他の食材が更に絡んで食感、味覚を変えてくるのは楽しいんですよねー。

最近は外国人の方でも理解されているようで、啜るという行為を理解するように一部なっているかと。

これは食べ物を単に口中に入れるという行為だけでなく、この時含んだ香りを鼻腔から出すことによりより深く味覚を味わうという行為であるのを、日常的にやっている日本人よりもより理解してやっているという事なのだろう。

 

ああ、また話が脱線してる。

兎に角久しぶりの本店でした、それは安定した味になっているという事。

スパイス増しにしてもカラシビは強くは主張しないし、パクチーも香味の強いものでは無い。

そう、パクチーにも強い物弱い物がある、産地や種類で(タイでは4種類有ると言ってた)強い物とそれ程でもない物があるようです。

こちらで使っているパクチーは独特な主張が強いものでは無い、この量でも穏やかでパクチー好きには物足りないものだ。

そして増しにしたスパイスも。

目に見えてたっぷりと降りかかっているのにやはり主張はそれ程では無い。

実はこれが初期に行った卍力さんとの違いなんですね、以前のような尖ったところがずーっと丸くなってる。

なんか久々の本店だー、っていう気合がそがれたかなぁ。

いやこれは私が昨今色々な個性を食べて来たからそうなってしまっているのかもなのですが。

やはり多数に受け入れられやすく進化?して行ってるのではないでしょうかね。

勿論美味しいことは確かですよ、ごちそうさまでしたー。

 

 

帰り2時近くだが何時も通りの並びが出来てる、丁度隙間の空き時間だったようですね。

ラッキーでした。