場所は通称浦所線と呼ばれる国道245号線沿い、その名の通り埼玉県の浦和と所沢を結ぶ国道沿いの富士見市にあるお蕎麦屋さんです。

 

 

店は広く見たように平屋づくりですが、6人小上りが5に囲むようなレイアウトの10人小上りが1、4人テーブルが3つある以外に広い座敷席も有ります。

 

砂場といえばその起源は大阪だ、その起源とされる地にはこんな石碑が有ります。

こちらのメニューの裏に掲載されています、そうこちらは正当な砂場の系列なんですね。

 

 

蕎麦屋の砂場の起源は豊臣秀吉が築城した大阪城の建築時にまで遡る。

天正11年(1583年)当時築城の資材置き場で主に石や砂が置かれていた辺りに麺を提供する飲食店が出来て職人たちに人気だったという。

それは津国屋と和泉屋という店で、これが日本最古の蕎麦屋という、砂場に有る蕎麦屋という事で砂場蕎麦といわれるようになったと(蕎麦本来の起源については長くなるので何時か記する事にします)。

この津国屋が砂場という蕎麦屋の起源で、この石碑は1985年に発祥地とされる新町南公園に砂場とその系統店である砂場会により創建された。

 

話を戻してこの埼玉富士見町の砂場さんだ。

もうこちらへ来ると何度も言っているので当ブログではご承知の方も多いと思う、そうよく冬でも冷やしたぬきを食べているお蕎麦屋さんだ。

この日はしっかりとそばを食べたかった、こちらは常に国産の蕎麦粉と小麦粉を使い二八で鉢は手打ちで、延しと切りは機械という名店でも使われている製法で作られています。

 

ここで何で半分は機械なの、といわれる方、実はこれでも手打ちと言ってよいと思うんですよ。

肝心なのは水回しと打ちと言われる工程で、後は機械にやらせるというのはあの長坂更科本店等、老舗名店でも行われている。

肝心の打ちは熟練の職人の手で、それ以外は機械化することで沢山の方達に食べて頂きたいというお店の方針により行われているんですね。

勿論それにより味が低下するといったことは全くないように機械の工程もしっかり管理されているという事です。

 

すみません、何時ものように前置きが長くなりました、書くのが好きなもんで本題行きましょう。

天せいろを大盛にてお願いいたしました。

 

 

天せいろ蕎麦大盛、税込み2200円です。

この内容でこの価格は都会に有る蕎麦屋よりもかなりお安くないですか、しかも蕎麦は名門砂場の流れを汲むものだ。

 

 

国産の粉で打たれた蕎麦ははんなりとしていながらもしっかりと纏まった物。

 

 

蕎麦だけで味わえば口中に風味が広がる、パツリとした食感もとってもいい。

汁に浸せばサラリとした汁で、関東の例えば藪そばなどのしっかりとした節と醤油と味醂の利いた物とは違い、これは砂場の蕎麦の風味を感じられる作りになってる。

藪系の蕎麦粉の挽き方や茹で上げた後の工程は更科や砂場とは違うのでそれに合わせて濃くなってるんですね、そばの1/3くらいを汁に漬けて食べるのも水の切り方が違うからという理由が有ります。

これも理由を書いてるとまた長くなっちゃうので後日と言う事で。

 

 

天ぷらは地物野菜が中心、こちらは地元の農家と提携していて新鮮な地野菜が入ってます。

 

 

単体でも提供されています、富の川越芋も深谷ねぎも天せいろに入ってましたよー。

そして地野菜を食べ終えると、下からこんなのが出てきましたぁ。

 

 

でっかい海老天だ、これ蕎麦屋の天ぷらよろしく衣で増大させている奴では無くて。

先端までしっかりと大きな海老が入ってましたよー。

ここで蕎麦屋の天ぷらは衣で食わせるという言葉が有るのをご存じでしょうか。

それ蕎麦屋では天ぷら屋とは違い衣を厚くして提供するので、それを揶揄するように言われた言葉のよう。

でもそれは違うんですね、蕎麦屋の天ぷらの衣が厚いのはちゃんとした理由が有るんです。

 

天ぷら屋の海老天を天ぷらそばとして乗せたら、その薄い衣は直ぐはがれて箸ですくえば海老だけになんて事になる。

なので蕎麦屋の天ぷらはネタを油に入れてから衣を箸で追加して肉付けする、初めから濃い衣汁で肉厚にするとネタの水分が表に抜けずもったりとした仕上がりになっちゃうのでこうします。

そして懐紙(というかほとんどは新聞紙)の上で油を切って冷ます事により衣が締まるんですね、そう本来の天ぷらそばの天ぷらは揚げたてでは無く揚げ置きです。

そして提供時に沸騰した蕎麦汁にくぐらせてて温めたものが乗せられる→(ただこれをやっている所はもう少ないです)。

現在は揚げ置きは逆に残ったら無駄になるので殆どのお店が揚げたてを使うようになってるようですね。

 

 

 

いやぁ蕎麦も天ぷらもとっても満足でしたぁ。

これは内容だけでなく量的にもそうで、正直私には大盛でなくとも十分な物でしたね。

 

埼玉富士見の地にて150年以上の歴史を持つそばを頂き、地元野菜も堪能できると。

私は今から20年程前にこちらを見つけ以来機会あれば寄っている。

それはこれからも変わらないでしょう。

おいしかったですよー、ごちそうさまでしたーーーーーー、、、、。