浅草神谷バーといえば私が青春期に地元の先輩方に連れて行ってもらってのが初めて。
という事は45年以上昔の話だ、つくづく年を取った物ですねぇ。
この日は従兄の息子はとことの会合、彼は既に両親が存命では無いので私が話し相手になっているのだ。
待ち合わせは休日の午後5時半、あたりはまだ外人観光客の喧噪でいっぱいだ。
何時もは一階で昔ながらの食券オペレーションなのだが、つまりは入店時に食券を買って空いている席に着き、ウエイトレスさんに手渡すという事。
昔は都度々食券買いに行ってたのですが、現在は席で注文して都度会計で良くなってる。
だが全て現金支払いなのは変わってない、なので行きたい方は持ち金注意ですね。
今回は2階の食堂、なのでカード払いできます。
先ずはオードブルにチーズの盛り合わせ。
そして名物電気ブランだ、チェイサーに生ビールを合わせる。
そう神谷バーといえばこの電気ブランなんですね。
この電気ブランとは、何なのか。
Wikiなどでは電機がまだ珍しかった時代に出来たブランデーベースのカクテルとなっているが。
私が諸先輩方々(主に大正生まれ)に聞いた事にによれば。
当時ブランデーという物はまだ価格が高い酒で、それを庶民向けに真似るように安物ウイスキーと安物ワインを混ぜて作った物が電気ブランだと。
私の若いころはそう諸先輩から教えて頂いておりましたよ。
現在は赤玉ワインで有名な合同酒精が生産していて、浅草土産としても有名ですね。
アルコール分は35度ありますから、独特の甘い風味とキュッとした飲み口で一度はご体験いただきたいお酒だと思います。
お次は真蛸のカルパッチョ、梅風味が効いてて美味しかった。
注文は各テーブルに有るQRコードをスマホで読んで、そのサイトから注文できる。
外人客にも分かり易いですね。
カニクリームコロッケ、これもこちら一押しメニューなんですね。
通常のクリームコロッケと違いポテトコロッケにベシャメルを絡めたという感じて、馴染みある美味しさです。
下町メンチも美味しいんですよ、でもこれは次回にという事に。
ここで電気ブランをグレードアップだ。
グラスの下端が細くなったこちらは電気ブランクラッシックだ。
こちらはノーマルが35度なのに対し45度のアルコール量が有り、これこそが昔ながらの電気ブランという事でしょう。
彼はこんなカクテルに手を出して。
蜂ブドウパンチだったっけ、こじゃれたカクテルです。
若い彼はサーロインステーキ。
1/3程貰いましたが、まあ専門店では無いし価格もそれなりの物でした。
そして無謀にも若手はパンも。
こちらは彼に任せて私はアサヒのハーフ&ハーフ。
アサヒビールの本社が大川(隅田川)を挟んだ反対岸にある、なので地元なのだ。
私が10代のころはビール工場がこの本社の所に在ったんですよ、周囲に麦芽を発酵させる匂いがしたものです。
その工場にはビアホールが併設されていて、ビールはなんと工場からパイプラインで引っ張って来ていたんですねー。
なので日本で最高にビールが旨いビアホールだったんですよー。
場所は本社の手前、現在の黄金の魂(ウ〇コ)がのってる建物の場所です、そしてこの建物は現在でもビヤホールなんですね。
本来はもっと色々と神谷バーらしい食べ物を堪能したかったのですが、今回は2階という事でこの位として。
もう一軒行きましょう、ならばこちらだ。
神谷バーから徒歩2分、仲見世脇の路地に有る。
酒販店が経営する酒の大桝、日本酒好きなら訪れて欲しい店です。
私はここへ来るとお勧めの中から日本酒じゃなくてどぶろくを頂きます。
赤麹を使ったピンクのどぶろく。
以前福島の蔵で酒粕を買ったときにピンク色の物がまだらに混ざっているのを見たことが有る。
あえて赤い麹を使っているというよりは蔵に付く菌でそうなっているようなことを聞きました。
絞ると色は出ないそうです。
どぶろくって美味しいですよねー、正に酒の原型だ。
彼は日本酒好きなので、天明のあきあがり。
アテはここでは何時もこれから。
ホタルイカの干したのをライターで炙る、これが酒にあうあう。
ほろ苦いワタがジュワっとして進みますねー。
もう一杯どぶろくで、稲とアガベ。
秋田県男鹿市に出来た新しい蔵のどぶろくだ。
芳醇な米の旨みと麹の香り、たまらんです。
今宵の日本酒は沢山あります。
流石に酒販会社の経営ですねー、限が無いので早々に。
久々に楽しいひと時でした。
追記
韓国の南部で飲む生マッコリは正にどぶろくそのものなんですね。
火入れしてないので炭酸を蓄えたシュワッっとした物もありました。
これ日本で手に入らないんですよねー、飛行機で持ってこようとすると気圧の関係で蓋が飛んで大変な事になると云われて持って帰ったこと無いんですよ。
新大久保等コリアンタウンには有るんじゃないかと思うのですが、今はジジイが行くようなところでは無くなってますしねぇ。