さて、先日の尾道来訪ですが、。その主な目的はこのお店へ行く事だったのですね、、。
勿論行く前からカウンター1席を予約してある、そう一人でも予約が必要な程のお店なのである、、。
電話をして名前(会社名)を告げると、お久しぶりですねと若大将の声、。
昼の朱華園さんのラーメンは坂の街の散策ですでに消費されお腹はぺこぺこだ、、。
店へ行く前に必ず寄る場所が有る、。ビンテージギターショップのオーズウェイさんである、。
だが店舗は臨休でした、。後にオーナー氏より嫁さんの実家に行っていたとのメールいただきました、。
久しぶりなのでお会いしたかったですね、しかもここは時に驚くような掘り出し物が有るんですよ、、。
なので早めに行く事に、、。

お店はいつも通り、なんだかほっとして、何故かわくわくしてのれんをくぐりましたよー、、。
入店するなり若大将が、お久しぶりですね、いつ以来でしたっけ、、と、、。
大将共々女将さんも出て来て、。女将さんが、いつもすまんね、ひさしぶりの尾道のさかなじゃろ、、って、。
広島弁、いや、尾道弁で歓迎してくれましたよーーー、、。
この店は地元ではかなり知られたお店です、、。
前出オーズウェイのオーナーさんでも何か特別の事が有った時くらいしか行かないという、、。
この日漁協に上がったものの中から一番の物を真っ先に値段も聞かずに仕入れていくのだという、、。
こう聞くと金に糸目をつけない傲慢な仕入れに聞こえるが、。目利きはすべてここの大将が直に行う、。
お客さんに兎に角一番美味しい物をという大将の気持ちなのだ、、。
いつもは夏場に来るので、お願いするのはいつもカサゴだ、、。
身は薄造りにしてポン酢で、アラは肝は勿論胃袋なども湯引きして、頭や骨は揚げてもらうと、、。
そう、全部食せるんですね、、、。
でもですね、今時期の瀬戸内海、。特にここ尾道ではアコウが一番の時期なのだ、、。
アコウとはキジハタの事で西日本から関東でも生息している、。釣り物で上がりますね、、。
小型のハタ類でその身はトラフグにも劣らないとの高級魚である、、。
大阪などでは夏場にフグが美味しくない時に食べられることが多い、。
だがこの魚の旬はやはり寒い今時期なのだ、、、。
12月にはここ尾道ではアコウ祭りを市場で行う程、。乱獲で一時減少したのだが、漁協の協力で稚魚の放流や生息地の整理などで近年漁獲量も復活し始めているという、、。
なので店内の生簀には、、、。

良型のアコウが元気に泳いでいますよー、、。
他にもアナゴや大きな渡り蟹(ガザミ)も、みんな元気いっぱいなのだ、、。
それはここのお店のすぐ前が海だから、なので瀬戸内の栄養いっぱいの海水が直ぐに手に入る、、。
濾過した海水の断食状態な都内の海鮮の生簀とは違うのだ、、、。

いやぁ、今見ても唾液が充満しますねー、、。
一切れとってポン酢にたらすと、ぽん酢の表面に脂が散りました、、。
これはいつも食べている江戸前寿司の熟成とは真逆なお造りだ、、。
ほんの数分前まで元気に泳いでいたアコウの身はとんでもない弾力で歯をはじき返す、、。
それも白身魚の甘味すらある旨みを噛みしめるたびに発散してもうたまらない、、。
あーーー、今日ここに来て本当によかったーーーーー、。そう感じる瞬間でした、、。
思わず女将さんお燗人肌でーーー、そう地元の美味しい物には地元の美味しいお酒が一番合いますよねー、、。
それも吟醸だの生酛だのじゃなくって普通の地酒、。ここは呉の雨後の月が有ります、、。
こういうお酒は人肌がいい、こう言っても今の方は???、、。今はぬる燗といいますね、そう、人の体温位のお燗だ、。これが普通酒には一番いいと思う、なのでなつでも私は人肌です(夏でもですよ)、、。
お次は地ダコだ、、、。

明石の速い潮流に揉まれた真蛸も良いですが、こちらしまなみも島々の間隔が狭くて潮流は早い、。
これは全くの生ですからその食感はやはり凄い、、。
普通タコをお刺身でって言ったらそれは茹でられたものである、、。
江戸前の真ダコはよーく塩もみして(三崎などの産地では洗濯機で濃い塩水で20分ぐらいぐるぐるしてヌルをとっています)、。
それを番茶でさっと煮たものがタコの刺身になる、。緑茶で煮るのもあって、これなどは茶色い皮膚の下が薄っすらと緑色になっていてかなりの高級品であるのだ、、。
話を戻そう、、、。
もう噛み締めるたびにこちらも弾力が凄く旨みが襲う、、。
吸盤はシャキシャキです、口の中で鳴る、これは素晴らしい、、、。

国内産のタコと海外の輸入ものとは簡単に見分けられるんですね、、。
それは吸盤です、、、。
国内物はこのように吸盤の中が深くなっています、。対して輸入物はこの部分が出っ張っているんですね、。
真っ赤な酢ダコってあるでしょう、私大好物なんですが、。国内産の水ダコの物だとかなりの高級品です、吸盤見れば解りますよー、、、。
また、、話を戻しましょう、、。
ここで隣にご夫婦連れの方がやはりの予約で着席しました(この間にも観光客さんでしょうか、何人かの方達が断られていました、もうお客さんいっぱいなんですね)、、。
そのご夫婦とこの後盛り上がっちゃうんですねー、、。
切っ掛けはこのタコ刺しで、隣のご夫婦がしめ鯖とかマグロの山かけとか食べてておいしー、、なんて地物じゃ無い物を食べてて言っていたから(いや、ここの手で作られたそれらは十分に美味しい物なんですよ)、、。
でもこのタコ食べて見てーって、地ダコですよーーー、、、と誘ったのが始まり、、。
当然のように食べて見てびっくりしてまして、これが生の地タコ蛸なんですよー、と、。
聞けば新聞記者さんで、仕事で広島へ来て、是非とも尾道へ行きたいと、それで週末にかけて嫁さんを呼んだのだとの事でした、、、。
話をしていると何と板橋区の私の母が生前住んでいたところのすぐ近くのに住んでいる方でした、。
でも旦那さんは宮崎市内、嫁さんは宝塚出身だという、、。どちらも行ったところありますし、その他いろいろな話で大盛り上がりになりましたよー、、、。
奥さんがかわいいの、娘みたいな年齢ですからねー、、。
ご主人も温厚でとっても良い方でした、楽しかったですねーーー、、。
この後やはり地物の赤ナマコを、、、、。

もうコリっとしててたまりません、お酒もどんどん進みます、、。
いつもはこんなには食べないんですが、、。
やはり最後には大将にお任せで握って頂きました、、、。

千葉は内房木更津に生息するjasonがちょっと前にこんなことを言っていた、、。
漁師町の寿司と江戸前の寿司とは違うと、、。
これは正に漁師町の寿司である、、。流石にマグロ、才巻エビ、紫ウニ、スルメイカは地ものでは無い、。
だか鯛、アナゴ、赤貝にサヨリは地ものである、、。
特にサヨリには驚いた、江戸前では初夏からの旬である、これがとても美味しかった、。それに赤貝だ、、、。
これは生簀にも大量に入っていました、。
東京では岩手の閖上産が評価が高く、私の行く店でもこれを使う事が多い、、。
なので全国に生息する赤貝(韓国や中国産も有ります)でも北の冷たい海の物の方が美味しいと思っていたのですが、、。
こちらの赤貝もプリッとしていてとっても美味しい物でした、よい経験でしたねー、、。

とっても楽しい一時でした、。
なかなか贅沢は出来ないのですが、こういう一夜が有ると人生楽しい物ですねー、、。
安広さん、おいしかったです、ごちそうさまでした、、。
そしてお付き合いいただいたご夫婦さん、本当にありがとうございました、、、。