今回は特別純米酒、、、綿屋 幸之助院殿である、、。
宮城県栗原市と石巻から40~50キロほど内陸部に入ったところだが、、この辺も相当揺れたはずなのだが、、。
本年2月に製造されたこれは、、、実にすっきりと、、凛々しい位に聡明な、、、そんな酒だ、、。
こいつが醸されるに至までには相当のご苦労が有ったのだと思う、、、。

東北地方では夏場でも西日本ほどに温度、湿度が上がらないので粒の大きな酒米の稲作には適さず、伝統的に普通米(ごはん)て酒を造る所が多い、、、。
この酒もその伝統にそった、、、地元宮城県栗原市産のひとめぼれにて造られている、、、。
そのためか味もすっきりとしているのだろう、、、大粒の米のたっぷりの澱粉で造られた濃厚さとは正反対の、、しかもさわやかさの中にしっかりと自分を主張する、、、そんな美味しい酒であった。

このように組成を明らかにしている酒は蔵元でも自信の作である、、自信が有るからはっきりと表示できる、、いや、皆に見てもらいたいのだ、、、そんな蔵主の気持ちが伝わってくる、、。
酒造りには米の澱粉を麹が糖化し、、それを酵母がアルコールに変える、、、。
米の澱粉は中心部に多い、、、だから米を磨いて中心の良質の雑味の無い部分を使って酒を造る。
この磨く程合いを精米歩合と言う、、%で表示されておりこの酒は55%と半分近くを捨てている、、。
大吟醸になると35%などとほとんど仁丹粒くらいの大きさにまで磨き中心部だけで造る、、、。
ではその捨てられる米の磨きカスはどうなるのだろう、、、玄米を精米する時に出るカスはヌカだ、、。
こっちは精米した米を研ぐのでヌカとは違う、、、澱粉が少ないがちゃんと食せるものだ、、、。
これは専門に引き取る業者が有って、、、あられやせんべいなどに加工されたりする、、、新潟や北陸に製菓業が多いのには無関係ではないだろう、、、。
しかし、、この削ったカスからなんと糖を作り出してしまう機械をあるメーカーがを作り出してしまったのだ、、。
これはあっという間に全国に広がり、、結構小さな蔵でも使っていたりする、、連続糖化装置だ、、。
つまり削ったカスを使って酒が出来るわけであるから甚だ原価効率が良い、、、もちろん磨いた本体で醸造する程は造れる量は少ないのだが、、、醸造途中に混ぜるなどすれば本醸造のようにアルコール化を促進させる事も出来る、、。
だが、、、やはり所詮は削りカスから作ったもの、、、味は良くない、、、私はこれに付いては全否定である、、。
何百年とかかって造られた日本酒の醸造行程を覆すこの処方は、、、大嫌いである、、だってろくな酒に出会ったことが無い、、、この方法が良いのならはっきりとラベルに記載すれば良い、、そんな酒見たこと無い。
やはり蔵も気が引けて明記する事を避けているのだろう、、。
一番の問題は、、、こうやって造った酒でも、、原材料が米だけなので、、そう、純米酒になってしまうのだ、。
だから安いパックの酒でも純米酒が出来るのである、、、もちろん外米などの安い材料なども使用しているのだろうが、、、やはり納得できない、、、新日本酒とかに区別できないだろうか、、大手が賛成するわきゃ無いわな、、。
だから、、純米酒、と書かれているものだけが本当の日本酒だ、、など絶対に思ってはいけないのだ、、。
ただし判別は自分の舌のみである、、、出来るだけ信頼できる内容の蔵を見分けるる目と自分の舌を信じて、、美味しい酒を楽しみましょう、、、。