NY初夜 | ホウボゥと雨とアスファルト

NY初夜

ホウボゥと雨とアスファルト(第24回)



台湾とアラスカを経由してニューヨークのJFK国際空港に到着したのは夜の11時半くらい。

大きな回転寿司みたいにクルクルと回る荷物の中から、キッズ用ドラムセットを入れた青いケースとギターを引っ張り上げて早速マンハッタンを目指しニューヨークの街に出た。

考えていたことは、とりあえず路上で演奏してちょっとしたチップを頂いてNYのピザを楽しもう!ということ。

適当な駅で降りて外にでてみた。

外はじゃじゃぶりの雨だ。ニューヨーカー達がビチョビチョになりながら駅へ走り込んでくる。

急に降りだしたらしい。幸先悪いな~と思ったけれど行く宛もないので、とりあえず、ライブハウスやクラブが多いとゆう「W4」とゆう駅を目指した。

「W4」は地下三階構造の大きな駅で、日本では当たり前のエスカレーターなんてゆうものがない。リュック、ギター、ドラムキットを持って階段を上がる。

みんなジロジロみてくる。

改札を出ると黒人のおじさんが喋りかけてきた。

「お前らミュージシャンけ?」

「うん、そうだ」

おじさんもミュージシャンらしい。少しの小銭が入ったギターケースを前に広げ、チューニングをしながらいろいろ話しかけてくれた。

そして最後に
「トライトライ!!」

と言って、俺達を駅員に紹介してくれた。なにやら駅員とおじさんは友達らしくタダで俺達を改札に入れてくれた。

そしてもう1度「トライ!!」と最高の笑顔で言った。

つまり駅の中で演奏してこい!とゆうことらしい。

初めての路上しかもニューヨーク!!おっちゃんまじサンキュー!!背中を押された感じがして勇気がでてきた。

ハーモニカをチビアンプに繋ぎ、ドラムの「ドン、ドン、ドン!」に合わせて全力で演奏した。

「W4」の駅構内にバスドラムとハーモニカの音がこだまする。みんなこっちを遠目から見ている。

5分後にNYポリスが登場。怒られた。

20時間かけてきたのに、5分で逮捕は勘弁と思い、クソ喰らえと心の中で言いながら片付け始めた。

警察もそれを見て持ち場へ戻ったみたい。

片付けて次はどこに移動しようかな?と思っていると2人の20才くらいの白人の女の子達が近づいて来て、こう言ってきた。

「私たちの為に演奏して」



やるしかないよね。テンションあがっちゃうよね。


もちろん予想通りNYポリス再登場。女の子達がなんとか言ってくれたみたいでその場を逃れた。

女の子は俺達に3ドルのチップをくれた。ありがとう、大好きッス。


その3ドルでNYピザを買い2人で食べた。


その日、俺達は24時間NYを走る電車中で死んだように眠った。



今日もアスファルトは濡れている