そんなんあり、か? | 私は鶏になりたい

そんなんあり、か?

三年前の暮れ、二代目中村吉右衛門さんの訃報に際し同氏関連の梨園の家系図を作ってみたのですが

その後梨園では十一代目海老蔵が十三代目市川團十郎を襲名、その息子が八代目市川新之助を襲名という話もありましたが、
八代目中村芝翫の二度目の不倫報道があったり
その家系図外の市川家で九代目市川中車(香川照之)の性暴力・酒乱発覚、
更には四代目市川猿之助による自殺未遂及び『両親(四代目市川段四郎夫妻)の自殺幇助』事件、
更に二代目市川猿翁(三代目市川猿之助)の死去と、暗い話題が続きましたね…

今日はその反対に襲名披露という目出度い会見がありました。

五代目尾上菊之助が八代目尾上菊五郎を来年5月に襲名
併せて菊之助の長男・尾上丑之助が六代目尾上菊之助を襲名するという。


目出度てなあ。丑之助は冒頭挙げた吉右衛門の孫だからさぞ草葉の陰でお喜びでしょう。

あれ?丑之助のもう一人の祖父は?七代目菊五郎もさぞ草葉…いや、会見場に居るじゃない。

そしたら、三代目市川猿之助が四代目に名を譲って猿翁になったように、実質隠居みたいな襲名するのかな?

…と思って続報を待ったら、なんと七代目尾上菊五郎はそのままの名で活動するという。

そんなの有りか!


同じ名が二人って、加勢大周じゃあるまいし。

名というものは自分が使うより他人様が、個人の識別のため使うもの。

家族(富司純子さんや寺島しのぶさん)はお父さんとか本名で呼ぶのだろうけど、周りは迷惑だそ。

ファンレターとかご祝儀とかどう仕分けるんだ。
後世の歌舞伎研究でどっちの事績解らなくならないか?

そりゃ菊五郎は大名跡で更に登る名が無いのは解るけどね…


落語界で言うと昭和55年初代林家三平が亡くなったとき、名人である八代目林家正蔵が『血筋は三平が正蔵を継ぐべきだった』と名跡を海老名家に返上して、『林家彦六』に改名し亡くなるまで一年程名乗ったことがありました。

あの潔さがいま思い出されました。