今週上海にて、中国でのインターネットベンチャーへの投資ファンドを共同で運営している日本アジア投資(JAIC)中国法人のメンバーと、一堂に会してポートフォリオの現状や今後のインキュベーション戦略を話し合う場を持ちました。


弊社の中国駐在員はまだ3名ですが、JAICさんは上海・北京両拠点合計で12名。しかも殆どが現地採用のメンバーで、地域に根ざした組織構成は弊社も参考にしていきたいと思っています。


ジョイントベンチャーでのファンド運営はお互いの意思疎通が非常に重要だと思うので、良い機会だったと思います!


会議の模様↓




全員で↓


会議の模様



弊社投資ファンドの出資ポートフォリオの1社、土豆網


巨大な中国インターネット市場の中でトップクラスのストリーミング数・コンテンツ数を誇る有力動画共有サイトです。


同社が、これまでの主流だったCGMコンテンツに加え、10,000以上のライセンス付きコンテンツ(映画やドラマなど)を高画質でユーザが無料で視聴できる新しいチャンネルを開設しました。


その名も、黒豆


ちなみに、「土豆」はジャガイモの意味ですが、「黒豆」はそのままクロマメ。


なにか意味があるのかと思いきや、弊社北京事務所のメンバーで中国出身のT君に聞いても、「???」



真相は、


黒豆 ⇒ 中国語の発音は「Heidou」 ⇒ イニシャルを取ると「HD」 ⇒ HDといえば、High Definition(高画質)映像



・・・・



ともかく、ライセンス付きの長編コンテンツは広告収益により繋がりやすいサービスなので、期待しています!







中国の専業ネット広告代理店による初めてのIPOが実現しそうです。


Focus Media's Online Ad Subsidiary Files For IPO


ビル内やエレベータ等の屋内広告で有名なNASDAQ上場企業Focus Mediaの子会社であるAllyesが、米国の証券取引委員会にIPOファイリングを行ったようです。


当社の2008年第二四半期の売上はUS$76M(約80億円)とのこと。下半期に売上が集中する傾向にある中国の広告市場と、ネット広告市場の成長を鑑みると、年間の売上で$400M程度は堅く見積もってもありそうです。利益率は公表されていないですが、10%弱の当期利益率だとすると、現在の米国上場の中国企業のPERを元に試算すれば、優に$1Bは超える時価総額がつく計算になります。


FocusMediaがAllyesを買収したのが2007年の3月で、買収金額は$300Mでした。


一方で、FMはIPOを機にAllyesをスピンオフするとのこと。子会社を上場するためには持分を希薄化する必要があったのだとは思いますが、今後の成長がまだまだ期待できるネット広告事業を切り離すに足る投資リターンが既に得られたと判断したのか、それとも上場は買収時からの既定路線だったのか、FMの経営判断は注視していきたいと思います。







アジア開発銀行が、2008-2009年の中国の経済成長率の見通しを修正しました。


ADB trims China's growth expectations for '09


米国金融危機に端を発した世界的な景気後退懸念や原料高、最近の元高による輸出競争力低下などを見込んで、2009年の経済成長率見通しを年率9.8%成長から9.5%成長に下方修正したというものです。


それでも、2008年の成長率は10%の予測を維持していますし、09年の下方修正後でも非常に高い水準の成長率予測だといえます。


ここ数日の米国市場の激変に埋もれている感はありますが、中国の中央銀行も高いインフレリスクがあるにもかかわらず、銀行の準備金比率を下げるなどの金融緩和政策を発表しています。


短期的な調整はあっても潜在成長力に変化は無いと思っていますし、特に我々の投資対象であるインターネット分野は景気循環の影響を受けにくいサービスですので、あまり目の前の状況に右往左往することなく、着実に投資を積み重ねて行きたいと思います。

中国のECといえば、淘宝网  (アリババ傘下のCtoCサービス)が圧倒的な物流総額のシェアを占めてきましたが、新たな中国政府の規制に大きな影響を受けそうです。



新たな規制というのは、EC上で物品を販売するには、全ての販売者に事業者登録(ライセンス含む)が必要になるというものです。



Traders hurt by new e-commerce regulations




ライセンス取得の難易度がどれほどかにもよりますが、個人で所謂純粋なオークションを行ってきたユーザが締め出される可能性が高く、中国のEC市場に与える影響も小さくないと思います。



一方で、もともと発展の遅れていたBtoCのECサービスにとっては追い風ともなりうる規制で、投資対象分野としては非常に注目してきた分野ですので、この規制の変化を上手く捉えて投資にぜひ繋げていきたいと思っています!





約2年前からはじめたサイバーエージェントの中国投資も、11社の投資実績が積み重なってきました。



直近に実行した投資が現地のネットメディアに取り上げられ、サイバーの名前もちゃんと紹介されています。



Shanghai's Ultizen Games Gets $6 Million



今年には投資先の1社が台湾市場に上場もしましたので、成果を着実に積み上げて現地での知名度を高めていきたいと思います!



いよいよ本日北京オリンピックが開幕します。北京での開催が決まってから7年だそうですが、おそらく北京にとっては7年間の準備が結実するときが来た、という感じでしょうか。


ニュースや新聞はもちろん開幕一色ですし、街も今日は休みの企業がほとんどです。(開幕式は夜8時からなのですが・・・)


僕のいつも見ている中国ニュースサイトもどこか高揚感を感じさせます。


"Welcome to Beijing, World"




一方で、続々と北京に集まってきている各国選手団ぽい人たちが、タクシーの運転手から軒並み乗車拒否を受けている場面に遭遇。


理由はというと、、、




「選手村周辺は広くてどこに降ろしていいか分からないし、テロがあるっていううわさだから怖くて行きたくない」


・・・




とにかく無事平穏に開幕して欲しいです!





2週間ぶりに北京に戻ってきました。


家も決めて、今週からは自宅からの通勤でした。最初は道に迷ったりもしましたが、すぐに馴染めそうな環境でよかったです。


さまざまな経営者やベンチャーキャピタリストと会いましたが、夫婦でハーバードビジネススクールを卒業し、二人ともベンチャーファンドのパートナーというスーパーカップルのキャピタリストや、一方で中央政府や地方政府の高官の家族出身で、話の内容はぜんぜんぱっとしないですが官僚人脈は恐ろしいものを持っている社長など、改めて中国の人材の幅広さを感じました。


日本でもなかなか出会えないような人たちと会えるチャンスのあるこの業界は、奥が深く楽しいです!











ビザや仕事の関係で、先週末から日本に一時帰国しております。(7月第1週まで。。。)


日本での中国向け第2号ファンドの資金調達、ベトナム事業を帰国中は集中して行う予定です。


そんな中ですが、北京に関するこんなニュースを見つけました。


「北京の渋滞コスト、毎月375元」


日本円で約5,000円くらいですが、中国の物価水準を考えると相当の損失だと思います。上海よりもひどいようです。


確かに朝夕の北京市内の渋滞はもの凄く、日中でもバスやタクシーではまったく時間が読めません。


オリンピックを機に市内の地下鉄の路線が拡充されますが、その地下鉄もラッシュ時はすでに田園都市線三軒茶屋駅並みでした。


市内のど真ん中でもマンションの建設は至る所で行われているので、当分続きそうな人の流入にどのようにインフラが整備されていくのか、ちょっと考えてしまいました。


やっぱりまだしばらく資源価格の上昇は続きそうです。自分の個人資産は資源株にもう少し振り向けようかな、と思いました。