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 阿佐ヶ谷ラピュタの企画上映「黒の大映」で観た「黒の凶器」。
 バーのホステスを装った産業スパイの手にかかり、自社の技術情報を漏らしてしまう若い社員を田宮二郎が演じている。セクシーな女スパイは浜田ゆう子。
 田宮が演じた若い社員はその若さゆえ、あっけなく女スパイの術中に堕ちる。それが原因で会社をクビになり、復讐の鬼となって産業スパイとして復活してくるというスジ。
 webやスマホの無い時代だから、一度就職した企業に一生勤めるのが普通。通っていた夜学を卒業したら技師となって出世する、さらに結婚して幸せな家庭を作るのが夢……という感じが昭和39年っぽい。さすが東京オリンピックイヤー。
 それにしても産業スパイになる動機や手法、なった後の仕事の甘さなどが目につく。大人の男4人と格闘して負けないくらいだから、格闘家や道場経営、今でいう格闘技のインストラクターの方が説得力がある。あらためて考えると女スパイに対する未練や、終盤にかけての優柔不断さなど、主人公の甘さというか青臭さもこの物語の魅力かもしれない。
 しかし最も魅力的だったのは根上 淳だ。渋くてカッコイイ。嫌みな役ではあるが、説得力がある。MATの隊長になる7年前のことだ。

 この「黒い」シリーズにはやはり田宮二郎が演じる白バイ警官が主人公の「黒い爆走」がある。トライアンフ乗りの間では「ボディ・ターゲット」に並んでトラが出てくる映画として有名。