DVDになってからならイイか…… と怖いもの見たさで鑑賞してみた。
酷評が多い作品だが、思ったほど悪くなかった。ビッグタイトルゆえに制約も多かったであろう「ルパン」を上手くまとめている。アクションのテンポも良く、さすが北村監督作品だと思った。配役も次元以外は悪くないと思う。時期のせいもあるが玉山鉄二はマッサンにしか見えず、やはり顔がキレイすぎる。
やってくれるなよ、と思っていたことのひとつに山田康雄の声色があって、じつは小栗が少しやっているのだが不思議と悪くなかった(良いわけではないが)。
ちなみに、フィアット500から札束が飛ぶなどのパロディくらいでは興ざめしないが、ルパンがことのほか格闘していたのが引っかかった。ルパンは華麗な泥棒であり、プロの矜持は持っているが無駄な正義感やセンチメンタルとは無縁なところが良い味なのに、それをやたらと「蹴って殴って」させたことで泥臭いキャラにしてしまっていると思う。
オレは原作至上主義者ではないが、例えば宮崎 駿のルパンをミスリードした人々によってルパンの魅力が正しく表現されていないのは残念だ。もちろん大人の事情もあったのだろう。観客動員やマーチャンダイズである程度の収益を出そうと思ったら、誰もが知る人気俳優を揃え、口当たりの良いエンターテインメントにしなければならない。
そもそも論ではあるが、殴る蹴るをしない主人公の作品だとしたら、北村監督が手掛ける意味など無いようにも思う。ならば「ルパン」こそ制約の少ないロゥバジェットで豊田利晃監督、主演・渋川清彦あたりが良い塩梅なのではないか。
