寺山作品は約10年前に「田園に死す」でリタイアしてしまい、2回目のチャレンジです(コレ書いたのが2010年)。
 この作品は最後まで観れました。というか、良かったです。
 '70年代がはじまった頃の文学や演劇を取り巻く環境(閉塞感)もなんとなくわかったし、寺山修司が既存のフォーマットを破壊しようとする熱量の大きさも感じ取れました。公開当時、私は子供でしたが新宿周辺でフォークゲリラや各種表現活動(赤テントも新宿でした)が行われてザワザワした雰囲気があったのを記憶しています。
 そして若者の持つ息が詰まるような“やるせない感じ”も時代的な違いがあるのかも……などと思いました。
 サンドバッグのシーンはゲリラ撮影だと思いますが、これも面白かった。歩行者天国には撮影隊でなくても奇声を上げる人や変な踊りを披露する人がいました。警官の対応も昔はあんな感じだったと思います。最近はそうでもなくなりましたが、昔は意味も無く偉そうな警官が多かったですね。
 平泉成も当たり前だけど当時は“青年”でカッコ良かった。あの役は今観ると笑えます。
 ピース(平和)の箱が燃えていたり、ウサギを溺愛する少女を輪姦したり、各所に時代的な暗喩も隠れているような気がします。
 そして最も印象的でカッコ良かったのがラストカット。出演者、スタッフが次々とパンしていき、まったくクレジットを使わない終わり方。これも定型を壊す手法のひとつなんでしょうね。