お姉ちゃんが「どんな世界でも誰かがいないような気がする。世の中って、そう仕組まれている気がする」みたいなことを言います。これが物語の本質というか、未成年だけど大人のメンタリティを身につけはじめる、つまり15歳になるイニシエーションなのかも……と思いました。
 ある意味で不条理や不確実なことであふれている世の中に生きる我々は、過保護な教育や各種メディアの影響の中で現実から遊離しています。学校で教えてくれることや両親から聞く話、TVだけでは現実の世の中を知ることができないのと同じように。自分の経験や積極的な学習が無ければ理解はいつまでも浅いままです。15歳という大人を意識する年齢になることの“特別さ”が物語の核になっている気がしました。A'の世界で両親が不在なのも親離れを連想させる暗喩ではなく「あって当たり前だと思う日常は、意外とそういうものではない」という現実を感じさせるギミックなんじゃないか……なんて思うのです。
 もちろん、難しく考えなくても異空間、異次元モノとして楽しめるようになっているかもしれません。でも、つい考えたくなる場面がいくつかあったので、面白くなって上記のような理屈を作ってみました。
 飛躍ついでにもうひとつ。意図せずに紛れ込んでしまった異世界から帰ってこれない、というか帰れないことを悲観せず、受け入れてポジティブにソコで生きていく主人公。これって「アバター」と同じ感じがします。岡田斗司夫さんも言っていましたが、これは新しいタイプの物語(の終わり方)です。異世界に別れを告げて懐かしい元の世界に帰っていく……これが従来型の安心して観れるエンディングでした。でも、ルート225もアバターも最後に主人公は異世界で生きていくことを選ぶのです。やっぱり少し強引かなぁ、この理屈……

 蛇足ですが、弟を演じる岩田力が「マッハGoGoGo」の三船剛の弟、三船くりおにソックリでしたね。