タイトルが正しくないので訂正します。「301sq F4EJ最終年度の百里基地航空祭」でした。正しくは。

 航空機、とくに戦闘機に接したいと思ってもナカナカ難しい。せいぜい退役して博物館などに展示してある機体のボディに触るくらいだ。パイロットとして操縦するとしたら最高な接し方だが、防衛大学を卒業して航空自衛隊幹部候補生になる、もしくは倍率70倍以上の難関を通過して航空学生……のような方法があるが、難易度は高いし受験資格は21歳まで。整備員になるにしても応募できるのは27歳まで。

 自分がなるのでなければ当事者に会って話が聞きたい。それが展示飛行や物販などにも増して私の基地航空祭の楽しみ方なのです。もちろん実物の機体やディテール、装備品を間近に見るのは同じくらい心踊るけどね。

 

第3飛行隊のF-2Aが三沢から来ていた

 

 写真はNGだったけど、三沢基地でF2の整備をしている清水2曹がイロイロ話してくれました。彼は様々な基地で多種多様な戦闘機の整備を担当しており、昨年はアラスカのイールソン空軍基地で行われた空戦軍事演習、RED FLUGにも参加している。またASM-1などの誘導弾の運用にも関わっており、その話もしてくれた。

 戦闘機に搭載する誘導弾というと、発射してから相手のエンジン排気などの熱源を追尾する赤外線誘導のAIM-9サイドワインダーなどを想像するが、彼が取り組んでいた誘導弾はもう少し大掛かりなものだった。例えばASM-1は発射直後は慣性誘導で飛び、終末航程ではアクティブ・レーダー・ホーミング誘導で敵艦に着弾する。つまり自ら発したレーダー波の戻りをシーカーで検知して操舵しながら相手に向かっていく対艦ミサイルということ。ASM-2やASM-3といった索敵精度の高い対艦ミサイルの基礎になっている。

 実弾発射訓練は年1、2発。高価だからね。海自で廃用になった艦船を標的にして、完全に沈没するまで攻撃するらしい。ASM-1で撃沈しなかったら、次に500ポンド爆弾を積んで行くのだそうだ。彼の先輩の時代にそういうことがあったんだって。

ASM-1。ダミーなのでノズルが差し替えられているけど

 

この他にもミサイル自ら画像を検知しながら搭載されたAIが索敵しながら飛んでいくタイプにも関わっていたらしい。こいつは艦船が2隻並んでいた場合、設定された条件に近い艦を自ら画像をもとに判断して向かっていく。

 さらに、AAM-3やAAM-5といった空対空誘導弾の運用にも関わっていたが、コレは赤外線誘導だけどAAM-5の命中精度はかなり高かったらしい。

 

 また、列線整備員として働いていた時はほぼすべての戦闘機を整備したけれど、やっていて面白かったのはF-4EJだった。部品の感触や作業のアナログ感が「男の戦闘機」という印象だったそうだ。逆につまらなかったのはF-2。実際の整備はアッセンブリー交換が多いので、作業そのものは簡単。ただし交換の判断をする点検項目が他の戦闘機に比べて非常に多く、その作業がかなり大変そう。そもそも「空飛ぶコンピュータ」なんて愛称もあったような精密機械の塊であるF-2は、整備にもかなりの繊細さが求められそう。

 

 最後にRED FLUGに参加した時にアメリカ空軍のパイロットに言われたことを教えてくれた。「日本のパイロットはドッグファイト(空戦)では最強だ。しかし装備がショボくてかわいそう」やっぱり、そうなのか。でも空自の戦闘機は対領空侵犯措置に使うっていう前提があるのだから、今のままでいいように思うけどね。

 

 別の整備員さんに聞いたF-4の話。エンジンの空気取り入れ口が左右にあって、その奥にはエンジン先端のタービンブレードがある。コレが異物を吸気すると凹んだり欠損したりしてトラブルの元になるので、列線整備員は訓練前に中に入ってライトで照らしながらブレードに触って点検する。F-15Jはインテイク開口部が大きいので大柄な人でも中に入って点検できるが、F-4はムリだと思っていた。

ところが、やはり入って点検するらしい。最前列のブレードは固定式なので、奥のブレードを手を伸ばしながら触って行うのだそうだ。

 

 さらに別の整備員は戦闘機に搭載されている20mm機関砲について教えてくれた。F-15Jであれば940発のバレットが積めるが、もちろん実際のマガジンに積まれている弾はもっと少ない。スクランブル機に装填される20mm弾は、最初の30発くらいが信号弾、その後に入っているのが実弾という順序で入っているらしい。最初の警告射撃は信号弾を撃つけど、いよいよ言うこと聞かなかったら本気出すよ、という姿勢なんだって。

 そんなこんなで、今年の百里基地航空祭も実り多く楽しい催しとなりました。コレで隊員食堂とか幹部食堂とか解放してくれたら、さらに楽しいのにね。