前回に引き続き、食料品の消費税率が1%になった場合の影響について考える。図2は消費税率8%で税込1,080(税抜1,000)の食料品が税率1%になったが、税込1,020までしか下がらなかった場合についての試算である。
そうすると、前回の税率1%で税込1,010の場合との比較で言うと、総じて農家は利益が増え、飲食店は利益を減らす結果となった。ここで最も考えていただきたいのは、その理由だ。
本則課税の飲食店で言うと、消費税の納付額は70増えているのだが、利益の減少は10である。この10の利益の減少は何によるものなのか。前回も触れたが「仕入税額控除の減少によって納付額が増えたから」ではない事は明らかである。それは、仕入れの税抜本体価格が1,000から1,010へ10上がった事によるものだ。 また、簡易課税事業者と免税事業者については少しややこしくなるのでここでは深掘りしないが、「益税」の影響の変化である。全てのケースの利益の差は、本体価格の差と益税の差で説明がつくのである。
SNSなどを見ているとこの言葉を忌み嫌う界隈もあるようだ。益税と言う言葉が気に入らないなら別の言い方を考えてもいいが、そのような要因は間違いなくあるのだ。逆に「損税」になる場合だってある。この事実を殊更否定する事が生産的だとは私は思わない。
当ブログでさんざん消費税のデマを批判してきたが、所詮SNSに毒された人達の戯れ言である。消費税は所得にリンクする税金では無い。Xなどを見ていても正しい理解がある人よりもデマに毒された人の声が大きいのは極めて残念である。あるべき税金のカタチを議論するのは大いに結構だが、デマに基づいた議論は害悪でしかない。
これまでもデマを叩き斬るブログを書いてきたつもりだが、残念ながらこのような一日の閲覧数が数人の無名のブログには何の影響力も無い。私はもうこのような記事は書かないかも知れない。例えばSNSにいる税理士などは、もっと事実を啓蒙すべきである。もっとも、SNSにいるデマを何かの宗教のように信じ込んでいる者を説得するのはかなり難儀ではあるが…
ザイム真理教でも何でも良いが、私は消費税の減税は必要ないと思っている。国会議員でもデマに惑わされているような者もいる(或いは故意か)が、とにかくまっとうな議論がなされる事を望むのみである。
