平成以降の春の選抜優勝校について、続いては失点について見ていきましょう。優勝校の1試合平均失点ベスト3は、まず3位、2008年沖縄尚学高校と2015年敦賀気比高校で1.00失点。両校とも試合数と同じトータル5失点で優勝しました。 沖縄尚学高校は東浜投手の好投が光りました。この年は初戦1-0での勝利からのスタート。沖縄県勢として春夏通して初優勝した1999年と記憶に新しい昨年夏の選手権優勝時も1-0勝利からのスタート。何か沖縄尚学高校には縁のある数字のようですね。 敦賀気比高校は強打のイメージの学校で、この年も準決勝で松本選手の2本のグランドスラム等で大阪桐蔭高校を圧倒するなど自慢の打棒も披露しましたが、全体としては平沼投手を中心として、接戦をものにして北陸に初優勝をもたらしました。
続いて2位は、1998年横浜高校で0.80失点。5試合で総失点4。はい、言わずと知れた平成の怪物、松坂投手率いる横浜高校ですね。あの夏の選手権での漫画でも書けないような劇的な試合展開での優勝とは異なり、センバツ時点ではチームとしての高い完成度で淡々と勝つべくして勝ったチームという印象でした。 松坂投手は45イニング投げ切って被安打22、奪三振43。ほぼ付け入る隙の無い投球に加え、チームトータルで失策3。強さの土台は堅守にあったのかも知れません。
そして1位は、4校が並びました。2009年清峰高校、2013年浦和学院高校、2016年智弁学園高校、2021年東海大相模高校の0.60失点でした。5試合で総失点3に抑えました。浦和学院高校以外は平均得点ではワースト3に入りましたが、見事に守り勝って優勝しましたね。 清峰今村投手、浦和学院小島投手、智弁学園村上投手、東海大相模石田投手と、現在もプロで活躍しているような好投手達が並びます。
そしてちなみにこちらもワースト3。3位は、2025年横浜高校の3.00失点。少し意外ですが昨年の横浜高校です。打撃成績は優秀で、平均得点は上位の6.60得点。チーム打率も.319を残し、低反発バットを感じさせない打力を見せましたが、夏の選手権においても投手陣に若干、安定感を欠いた部分が見えてしまいました。
2位は、2001年常総学院高校と2004年済美高校の3.40失点。 この二校、我が宮城県の高校と因縁がありましてまず2001年のセンバツ。この年は宮城県から東北高校と仙台育英高校の二校選出されました。前評判は剛腕高井投手を擁し、秋の東北大会を制した東北高校の方が高かったのですが、初戦敗退。対して前評判はそれほどでも無かった仙台育英高校ですが、初戦のサヨナラ勝ちで勢いに乗り、ストレートのスピードは無くてもパームボールなどを制球良く巧みに操る好左腕、芳賀投手の好投と勝負強い打線で、東北勢センバツ初の決勝まで登りつめました。 そこに立ちはだかったのが名将木内監督率いる常総学院高校です。最後に追い上げを見せましたが、序盤に少し浮き足だってしまったのが悔やまれます。そこに付け込んでくる木内監督はさすがと言うしかない。 2年後の選手権決勝では、今度は2年生エースダルビッシュ投手の東北高校の前に立ちはだかりました。少し抜いてくるイニングを見逃さず畳みかけられた。高校野球稀代の名将の前に2度も宮城の、私の夢は散った。
そして2004年センバツ。ダルビッシュ投手始め前年夏の準優勝メンバーが多く残り、全国屈指の戦力と言われた東北高校。正直私もこのチームが大旗の白河越えを果たしてくれると信じて疑わなかった。順調に準々決勝に駒を進め、そこで相まみえたのが初出場、愛媛の済美高校である。試合展開についてはあまり振り返りたくはない笑
高橋選手の打球が、ダルビッシュ選手の頭上を越えていった瞬間、私も茫然自失、結果を受け容れるのに時間がかかりました。
少し脱線しましたが1位は、1994年智弁和歌山高校の4.00失点。智弁和歌山が春夏通して初優勝した年ですね。智弁和歌山は夏の選手権の方でも優勝校平均失点ワースト1位。(2000年)ある意味らしいと言えばらしい。 たださすが打撃成績は素晴らしく、一試合平均7.20得点は8位タイ。チーム打率.322、長打率.470など優勝校上位の成績を残しました。投手陣も左の笠木投手から右の松野投手への継投が確立され、それほど悪いイメージは無かったですがね…
ちなみに大阪桐蔭高校は夏の選手権の方でも一試合平均得点1位。(2008年)こちらは堂々の春夏2冠(?)です。まあ、どちらにしろ優勝に変わりは無いので両方素晴らしいです。
全試合2失点以内に抑えたのは、1989年東邦、1992年帝京、1998年横浜、2008年沖縄尚学、2009年清峰、2013年浦和学院、2016年智弁学園、2018年大阪桐蔭、2019年東邦、2021年東海大相模の10チーム。夏の選手権の4チームと比べるとやはり多いですね。
優勝校の中で1試合で最も失点したのが2017年大阪桐蔭。2回戦の静岡戦で8失点。次いで2001年常総学院。初戦の南部戦で7失点。と2025年横浜。2回戦の沖縄尚学戦で7失点。 夏とは逆で、優勝校が勝ち進んだ大会終盤の試合で大量失点するケースは少ないようです。
以上、センバツバージョンをまとめてみました。考察というより感想のようになってしまいましたが、好きな人には結構刺さるような内容なのではないのかなと思いますので、是非とも広めて下さい笑
近年改革が進む高校野球。今年の大会からは高校野球で初めて「指名打者制」が採用されます。選手の出場機会が増える可能性という点では良いのかなとは思います。 ただ、7イニング制についてはやはりもう少し慎重に議論をして欲しいと言うのが正直な気持ちです。
さて、今大会はどのようなドラマが待ち受けているのでしょうか。出場する選手のみなさんは、全力プレーで甲子園を楽しんで下さい!
今ありて未来も扉を開く
今ありて時代も連なり始める