ジェフ千葉2017シーズン選手別結果報告「ラインは上げたがカテゴリー上がらず」後編MF&FW | picture of player

ジェフ千葉2017シーズン選手別結果報告「ラインは上げたがカテゴリー上がらず」後編MF&FW

前半はこっちだよ!

中間報告はこれだよ!

 

さらば2017!!!こんにちは2018!!ハローニューヨーク!

 

■MF
・佐藤勇人

なんだかんだ結局最後にはレギュラーとしてチームを引き締めつづけた大ベテラン。3センターの時はアンドリューのバックアッパーという位置づけだったが、アンドリューがアンドリューしたことで謹慎処分になるとそこからレギュラーをゲット。2ボランチに変更になってからも最後まで先発を守り続けた。若いころの縦横無尽の運動量と無責任さは影を潜め、とにかく潰しまくる汚れプレイもいとわない頼れる男。時折目測を誤ってものすごい退場をしたりするのもご愛嬌。兄弟でのプレーオフ対戦はキャリアでも思い出になる一戦だっただろう。ただ、いつまでも彼に頼っているわけにはいかないのだが、レンタル選手を除くと極度に守備的MFの層は薄いため、来季もそれなりに出番はありそうである。また大ベテランとしてチーム内の引き締めも継続していただき、文句を言う奴はアクアラインに車で連れてって置いてくなどのデートDV的処置をお願いしたい。

・熊谷アンドリュー
アンカーのポジションをゲットしたものの、終盤にタクシー運転手の胸倉をつかむというアンドリュースペシャルをやってしまったために出場自粛に。やってはいけないことをしたのだが、後部座席から伊藤リオン的な人が出てこなかっただけでもマシだと思う方がよい。最後には戻ってきたが、なんか微妙な終わり方となってしまった。ただ、それでもチーム内随一のテクニシャンはビルドアップの中心であったし、そのサイドチェンジの美しさはJ2屈指であった。また守備もエスナイデルかわいがり道場で鍛えたせいもあって、寄せるところは寄せる、潰すところは潰すという体を張れる選手になった。時に思い切りがよすぎてもらったイエローカードの数は8枚。イングランドの削り魔人リー・カッターモールへのクラスチェンジまではあと12枚である。この1年千葉で間違いなく一番成長した選手であるので、ぜひとも来年もお願いしたい。東京だから問題になったけど、千葉のタクシーだったらアンドリューしても全然大丈夫だぞ!横浜FMだと中町も喜田もいるし、扇原と特徴ダダかぶりなので、もう1年でいいから、損させないから、もう彼女じゃなくてセフレでもいいから、友達からでもいいから、お願いだからお願いだから別れないでぇ、もぅむり・・・CSKAしょ・・・。

千葉の平均的なタクシー

 

・町田也真人
3センターの時期は仕事が多すぎて微妙にやりづらそうだったが、2ボランチに変更になってからは躍動。2列目として本来の10番の仕事を的確にこなした。去年からのシュートの思い切りに加えて、今年は常に相手に二択を迫れるアタッカーとなった。得点も3センターの中央で使われていたことを考えれば6点は立派。最終節でのクロスと見せかけてのニアを抜くシュートは今季のベストゴールの1つだろう。年々ボレーもうまくなってるし、浮き玉職人としてだいたいどんな球にも対応できる。ただ、まぎれもなく中心人物なのだが、J1とかからお誘いがあったとしたら年齢的にもそれを拒否できる気が全くしない。山田直輝が浦和レッズに復帰する湘南とかからなんか誘われそう。代わりにコバチッチくれれば考えないこともないですギュンドアンでもいいです。

・矢田旭
移籍即レギュラーという企画ものAVみたいな感じになってしまったが、とにかく大活躍。豊富な運動量で攻撃と守備に絡み、エスナイデル理想のインサイドハーフとして君臨。2ボランチになってもその地位は揺るがず、レギュラーとして活躍した。特に為田、乾と作り出す左サイドのトライアングルは非常に強力で終盤戦連勝の原動力となっていた。左利きなのもすごくよい。イケメンで運動量豊富なテクニシャンということでぜひとも千葉に家を買ってほしいのだが、この選手もレンタル。名古屋ですっかり干されていたみたいなので、なんかうちに来た方が幸せになれるんじゃないだろうか。たぶん決定的な仕事をアタッキングサードで単独でできないからあんまり名古屋じゃ必要ないんだろうけど、まあ千葉では連携で崩せばいいし。もし残ってくれたら、うちのカーテンを縦縞から横縞に変えようと思います。

・高橋壱晟
干された。序盤から中盤までは高卒レギュラーとして君臨したが、矢田が来てからはもっぱらベンチ暮らし。尻すぼみのシーズンとなってしまった。冷静で落ち着いたボールさばきと運動量は素晴らしいのだが、アタッキングゾーンでできるパターンが限られていたのでそこを増やしていきたいところ。ただ、大器であることは疑いなく、今シーズンの悔しさをバネにして、来シーズンには髪を染める(比嘉)、髪を伸ばす(指宿)、胸倉をつかむ(アンドリュー)など諸先輩方から千葉ヤンキーのスタイルを教わり、名実ともにミスター千葉として成長を遂げていって欲しい。

・アランダ
干されパラグアイおじさん1号。理由はよくわからない。30節に久々にスタメン出場して後半頭に下げられて以来出場はなし。確かに動き回るタイプでアンカーは難しく、インサイドハーフとしても攻撃に強い関与ができるわけでもないので使いづらいは使いづらかったのだが、最後のダブルボランチなら別に使っても問題なかったろうに。強烈な守備で、廉価版井手口、貧乏人のレオ・シルバくらいの活躍はできたはず。矢田がいない試合でもベンチに入らなかったことから、エスナイデル監督との強烈な確執を感じる。「アルゼンチンチン!」って叫んでパンツを下ろす南米一発ギャグをやってるところがエスナイデル監督にバレたとかだろうか。監督続投が決まってるので、来年はいないだろうなー。いい選手だったのでもっと見たかった。アディオス!

・ホルヘ・サリーナス
干されパラグアイおじさん2号。ベンチ外がずっと続いた中、唐突に31節に先発出場。ほとんど何もできずに今シーズン終了となった。思えばこの頃に監督はパラグアイ人2人に引導を渡したのだろうか。やはり「アルゼ(以下略)。運べるドリブルはよかったのだが球離れが悪く、オフザボールもイマイチだったのが致命傷だった。思い返せば、ここ十年くらいの千葉でいちばん髪の毛テッカテカだった。残っても来年は使われないことがほとんど確定していると思うのだが、契約はどうなっているのだろう。使われないままだと火種になりかねないので、中国のよくわからんチームが高額移籍金で間違って獲得してくれないかな。

・羽生直剛
帰ってきた宇宙人顔は23節を最後に姿を消した。母星に帰ったんだっけか。8試合190分という出場時間では、何かを見せることは難しい。ただ、彼の不在が終盤のMF不足の遠因になってしまった気がする。コーチ兼任的な雰囲気も漂っているので、来年も残留か。引き続き、文句を言う選手を「てめえ春秋制を歓迎するって言ってたってスポニチにリークすんぞ!」とかの恫喝でチーム内の引き締めをお願いしたい。ビール瓶も使っていい。


■FW
・ラリベイ

中盤にフィットすると大爆発。前線でのターゲットと守備をこなして19ゴールは立派な数字。ポストプレイが非常にうまく、ほとんどのケースではボールを収めることができて、空中戦でも最低イーブンにできていたので、ロングボールの的としては非常に優秀だった。クロスへの入りやボールの捌きもかなりうまく、前線にいれば脅威になれるというここ数年千葉にはいなかった完璧なセンターフォワード。怪我もほとんどしなかったので、稼働率も高く、かなり使い勝手のよい選手だった。足は遅いが頑張って走る姿は好感を持てる。ただ、プレーオフで名古屋のワシントンと鈍足追いかけっこをしてたのはちょっと笑えた。契約が残っているので、来年も健在。彼に合わせるためにもうちょいクロス精度のよい選手を入れていきたいところ。たとえば、ダニエル・アウヴェスとかどうだろうか。だめか。そうか。 #ネイマールは税金払え

・船山貴之
俺たちの船山のシュートは後半戦も全然入らなかった。カウンター独走からの強烈枠外ミドル、グラウンダーのクロスを枠外にそっと押し込む、最終的にはシュートに自信がなくなったのかどフリーなのにトリッキーなアシストパスをしようとして清武めっちゃ驚くなどバリエーション豊富に外しまくった。ただ、2トップに変更になってからは本領発揮。カウンターの急先鋒として暴れまわり、やっぱりシュートはあんまり入らなかったけどスペースを作り出して彼以外がたくさん点を取ったので最高の働きをしたと言えるだろう。あと、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるじゃないけど、シュート機会が増えたので、点もちょっとだけ取った。シュート精度なんかめったにあがらないので、牛馬のごとく走り回った彼の労力をいたわるのが正解なのである。来年もよろしく!

・為田大貴
福岡からレンタルできたアタッカーは、移籍当初はちんたら守備でジョギングしていたのだが、レギュラーに定着すると急に人が変わったようにプレスバックするようになった。エスナイデル監督から気合を注入されたのか、あるいはエスナイデルダイエットで体の調子が良くなったのか、それとも落花生の殻に入った成分不明の粉薬が効いたのかはいまだ謎である。本業の攻撃は絶好調。サイドで1対1になれば8割方の勝率でぶち抜き、1対2でもボールを取られずに引きつけてボールを回せる。ぶち抜いた後のクロスもうまく、縦を警戒させておいてのシュート&クロスも精度が高い。タラタラした見た目の割には頭がよくて球離れもよい。対面がチョロい相手だとわかると完全に舐めきった態度で勝負を仕掛け、大袈裟なフェイントでタコ踊りを繰り返すなど、非常にタチの悪いプレーヤーである。俺がDFだったらファウル覚悟で殴るし、ビール瓶で殴られたフリをしてそのまま休場する。プレーオフでは若干精彩を欠いていたが、まあ今シーズンは大当たりの年だっただろう。それでですね、福岡さん、ご相談なんですけど、この為田くんを手に入れるためには誰を差し出せばいいんですかね?手薄なボランチにうってつけの元パラグアイ代表がいまなら金利手数料チバネット負担!ご購入の際にはもう一人パラグアイ人をつけます!ゼイワンにはパラグアイ人が必須ですよー!

・指宿洋史
大巨人として主にラリベイのバックアッパーと終盤のパワープレイ要員として活躍。ただ、手の使い方と体の使い方がそんなにうまくなく、後ろからのボールに競り合っても50%くらいの確率でファウルを取られるというぶきっちょ大巨人感を存分に発揮していたので、正直効果はイマイチだった。でかいけどポストプレイヤーじゃないという本質なので、しょうがない。来年いるかどうかはよくわからないが、ラリベイとの併用が意味ないということがわかってしまったので、来季も限定的な使い方になるのかな、と。それに彼が納得するかどうかはまた別の話である。サイドで受けてゴリゴリと中央にドリブルしていく姿は面白いのだが、成功率はめっちゃ低い。あと首筋を狙われると死ぬ。

・清武功暉
大エースとして君臨したシーズン前半とすっかりその影も形もなくなったシーズン後半と出入りの激しいシーズンを過ごした。なんかいかにもファンタジスタな感じであるが、途中で姿を消した羽生と中身が入れ替わっていたという時刻表トリックの可能性も囁かれている。まあ前半が出来過ぎと言えば出来過ぎだったのだろう。終盤にシステムチェンジが行われ、オフェンシブハーフが2枚になり、為田と町田がファーストチョイスになったことも大きかった。先発で出てなんぼの選手だしね。ただ、フリーキックの一発と理屈もクソもない曲芸のようなゴール直結プレーができるのは彼だけなので、来季は調子を取り戻してがんばっていただきたい。兄貴を呼んできても俺としては全然構わないので正月にご相談ください。

・菅嶋弘希
20節以降は出場なしという無のシーズンとなってしまった。すまない。俺は好きな選手だったが、さよならだ。

・古川大悟
たまに出てきては爆竹ぶん投げられたニワトリみたいにバタついてた高校生は来季の新加入が発表された。終盤はあんまり出場はなかったが、プロになってもがんばれ。

 


■監督
・フアン・エスナイデル

今季のJ2を盛り上げたベストエンターテイナーは間違いなくこの男である。序盤から中盤にかけてはナスダック平均株価もびっくりの暴力的ライン設定でしばしばトンチキ失点を繰り返し、中盤ではロハスな奴隷船みたいなローカロリー食事で話題を振りまき、終盤にはなんか急にハイラインやめてから妙にいいバランスになって怒涛の7連勝でプレーオフに滑り込んだ。これをエンターテイメントと言わずしてなんと言うのだろうか。いい試合をしてくれとは言ったが、誰もジェットコースターみたいなシーズンを送れとは言ってないぞ。なんか「ハイラインをやったおかげで選手が成長して~」みたいな説をたまーに見るが、断言しよう、絶対この男そんなこと考えてない。徳島のリカルド・ロドリゲス監督や東京Vのロティーナ監督と並んでスペイン系三銃士みたいな扱いを受けてるが、とにかくロジカルにやってそうな2人は違って、7割型勘でやってることはもうバレバレである。「相手はシュートに魂を込めてるぞ!戦士になれ、男になれ!」という全盛期の池田高校野球部でも言わないようなハーフタイムコメントに象徴されるとおり、「ハイライン界のジーコ」「アルゼンチンのアラン・パーデュー」くらいがちょうどいい評価である。しかし、来年の続投はすでに確定。今回たまたまうまくいったからいいものの、来季は選手も入れ替わるし、序盤からあーでもないこーでもないと試行錯誤が続くことは間違いない。ただし、J2に落ちてから間違いなく屈指の楽しいシーズンであったことは確かではある。やはり緊張と緩和こそがエンターテイメントを成立させる基本要素であり、もちろん勝ってはほしいのだが、サッカーを見る中で勝利だけが全てではないということを我々に教えてくれなくていいからほんと来年は頑張れ。今年勢いあったから来季は自動昇格候補だとかマジでそれは嘘だから俺はよく訓練された悲観論者だから絶対それはないってこと知ってるからとにかく真面目にやってくれ「わたしやっぱりまだハイラインのこと愛してる・・・(トクン)」とか言い出したら「そんなこと言わせてごめんな」って言いながら抱き寄せてリモコンで後頭部を殴りますのでいくえみ綾先生の大人気漫画「あなたのことはそれほど」最終第6巻は好評発売中です!ジーク・エスナイデル!!

 

ハイラインできなくてふくれるチャーミングなエスナイデル