そんなわけで、大きな失敗をしながらも、1月4日の夜、なんとか台北に到着。

もちろん、その日の予定には間に合わんかったんだけど、残り2日間でやれることを目一杯頑張ろうと、まずは、原発メーカー訴訟の会及びNNAA(No Nukes Asia Actions)の事務局長・崔(チェ)さんと、NNAF(No Nukes Asia Forum)事務局長・佐藤大介さんと合流し、軽く飲んで次の日に備えることにした。


 さて、翌5日は、朝8時には、台湾最大の環境団体・台湾環境保護連盟(TEPU)の事務所へ行き、そこから第四原発と第二原発の視察へ。


 第四原発は、政府が年内に稼働を目指す、まさに脱原発運動の最大のテーマそのものだ。


 TEPUが前もって段取りをしてくれて、原発敷地内に入り、所長の説明を聞くことができた。



 所長は、非常にフレンドリーで、TEPUのメンバーからの厳しい質問や指摘にも丁寧に答えてくれたが、日本の原発よりも事故対策は徹底していて、絶対に安全だと力説する姿には、苦笑せざるを得んかった。

 例えば、全電源喪失に対する対策として、山の上のプールに水が4万8000トン貯めてあり、水門を開けるだけで水が流れ落ちて、燃料を冷やすことができるとのことだったが、果たしてそれで事故が防げると本気で考えとるんだろうか。

 この後、ヘルメットを被らされ、内部を案内してもらった。



 このバックにあるコントロール・ルームでは、例えば1人のスタッフが急に倒れてもフォローする体制ができとるとか、そんな説明がされた。何しろ、絶対に安全ダッシュ!




 その後、この地域、貢寮の「反核自救会」会長宅にお邪魔し、弁当をいただいた。



 



 反核ドッグパグ



 そして、第二原発へ行き、さらにこちらの運動の代表者宅でお茶をご馳走になった。



 どちらも、大人数が集まれるでかい部屋があり、どうも、地元の有力者が運動の中心になるようだ。


 そして、夜は、台湾でのキリスト教の最大信者数を誇る長老教会で、「日台反核律師座談会」という名の、原発メーカー訴訟シンポジウム。律師って、弁護士のことね。



 30人以上の人たちが集まり、熱心に話を聞いてくれた



 そして、翌日は、朝から立法院の議員会館のようなところで、国会議員の田さんや緑の党のメンバーとともに記者会見。

 田さんはその場で委任状を書いてくれ、その様子はニュースでも放送された。

 もちろん、様々な新聞等でも取り上げられたし、原告結集の手応えはバッチリだGOOD


 その後、TEPUの事務所で、TEPUから別れ、今、最も勢いのある若者中心の環境団体、緑色公民行動連盟(GCAA)等も含め、今年の秋の集会に向けた会議を開き、昼食をはさんで、緑の党の事務所へ。



 ここでも、若いメンバーたちが熱心に話を聞いてくれて、原発メーカー訴訟への合流を約束してくれた。



 台湾における環境問題の中心は、まさに原発の問題であり、具体的には、第四原発とドラム缶約10万本分の核廃棄物が廃棄されている蘭嶼島(Orchid Island、なぜかランユウ島と呼ぶ)が最大のテーマだ。

 そして、第四原発は、GEが主契約者で、1号機原子炉が日立、2号機原子炉が東芝、それぞれの発電機が三菱の輸出品という、まさに日の丸原発と呼ばれるに相応しいものだ。

 

 こういった事情から、原発メーカー訴訟は、台湾の人たちにとって、非常に連帯しやすいテーマと言えるだろう。

 その後、崔さんは、一人でフィリピン、インドネシア、モンゴル、ドイツという予定で旅立ったが、メールでの報告によれば、各地で集会は大成功のようだ。


 俺は、提訴まで残り3週間弱、いよいよ弁護団メンバーたちと訴状を完成させるぜGO