リサイタルのレビュー! | トリプルオカリナ奏者 大沢聡認定オカリナ演奏家 渡辺史子のブログ

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今日は柿内美緒さんのリサイタルでした♪

 

最近心が重くなることが多かったんですが、

 

大好きな曲、レッスンしたことある曲、演奏したことのある曲満載で

 

一瞬たりとも聞き逃したくない、見逃したくない、そんなリサイタルでした✨

 
まずはお約束の・・・・良いではないか良いではないか

 

柿内さんがつけてくださったこのペンダントヘッドは。。。実はわたしが、本日お渡ししたものなんです(^^)v

以前柿内さんに、こうぶつヲカシというわたしが欲しかったお菓子をいただいたんですが・・

↓コチラ

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これの中から、青いのを選んでアメジストの天然石をくっつけて

 

ペンダントヘッドを作りました✨

 

今朝お渡ししたのに、リサイタルの後半で着替えてピンクのドレスを着てこられたときに

 

胸に光る青い宝石が✨

 

ぉおおおおおわたしの作ったやつが今、あの子の胸に胸にむねにぃぃぃぃ(自分がきもい

 

と、思いながら聞きました💛

 

 

プログラムは・・・

 

前半がクラッシック、後半は日本の曲が多かったです。

 

前半のアイネクライネは、エスでコンクールに臨んだ時に使った思い出の曲です。

柔らかなスラーと歯切れのよいスタッカート、モーツァルトの喜びにあふれた音楽が

様々な記憶を呼びました。

*柿内先生として、アンサンブルをご指導いただいたことも思いだしました!

 

バッハの管弦楽組曲第二番より の中の、メヌエットとバディネリは、

鳥取のわたしの先輩のピアノ発表会の時にゲスト演奏した曲で

バディネリの替え指満載に苦しみながら克服したあの時が思いだされて、

勝手に指が動いていました( ゚Д゚)!!

 

ヘンデル 私を泣かせてください は、柿内さんのMCでもお話されていたとおりに、

副科の声楽で歌ったことのある曲です。

オカリナの演奏でも人気ですが、アレンジはどなたでしょうか。

中間部の伸びやかな高音が、オカリナならではの魅力を引き出していてとても素敵でした(^▽^)

 

ベートーヴェンのメヌエットト長調

こちらは、わたしがお教えした岡山の認定講師さんたちが、認定講師試験で使った曲です。

指導したことを思いだしたり、ああ、こんな風に豊かに演奏できたら・・・

もっとこういうところを指導できたらよかったなぁ。。今ならどんな風になるだろうか

などと、サロン風の柔らかな曲なのに、感傷に浸ってしまいました。

 

 

アルペジオーネ・ソナタ(シューベルト)は、初めて聞く曲でした。

アダージョなので第二楽章でしょうか。

アルペジオーネとは6弦のギターを弓で弾く楽器のようです。全然見たことも習ったこともない・・・

どんな音色だったんでしょうね。

想像しながら聞かせていただきました。

シューベルトならではの美しい美しい散り際の花のような、そんな静かな曲でした。

こういう曲って、ブレスも音楽のうちなんだよなぁ・・と思いながら

見入りました。

 

パガニーニのカンタービレ

もともとはギターとヴァイオリンの曲なんですね。

ギターとヴァイオリンの組み合わせというと、ピアソラとかが浮かぶし

パガニーニっていったら超絶技巧のギチギチぎたぎたな感じを想像するんですが、

実に穏やかな、そして心があたたかくなるような音色・・調性のせいでしょうか。

ピアノも実にたおやかで、刻みながらお互いの音を聞きあって、出を待ったり一緒に出たり。

やはり、巨匠の作品なのだなぁと感じるとともに、それを表現できるお二人のすばらしさに

やはり感嘆のため息がでました。

 

ヴァカンス

こちらは近現代の音楽です。

もともとはサックスの曲なんですね。

3分弱と短めの曲ですが、フランスの作曲家ならではの味わいがあります。

どんな曲もそうですが、サックスのための曲であれば自由自在なビブラートは必須。

そして強弱のつけられないオカリナという楽器では、サックスのような洗練された楽器の曲を演奏するのは

とても不利なはずですが、そんなことはみじんも感じさせない

おしゃれなおしゃれな、ヴァカンスでした。

 

前半最後はシューマンの三つのロマンスより第1楽章と2楽章

この曲も大好きです!

オーボエのために書かれた曲ですが、どちらの楽章も「音が跳躍するところ」

すべてが、本当に好き!

オーボエはダブルリードで、繊細で独特な音を出す、、

音は小さいのにソロで全部魂持っていかれるあの楽器ですよ。

柿内さんのオカリナでの演奏は、メロディラインの美しさはそのままに

緻密で繊細で、そして豊かになって、うれしくなってしまいました💛

 

 

後半はみなさんご存じの曲中心で

 

コンドルは飛んで行く

オカリナでは大定番の曲ですが、どこでどのように楽譜を発見するのでしょうか。

アレンジの美しさよ~~!

ソロでもカルテットでもデュエットでも演奏したことありますが、

自分の演奏が器械的で稚拙に感じてしまいました。

定番だからこそまだまだやれることってあるんだなぁ。。

 

 

さくらさくら

今まで様々なさくらさくらを演奏してきましたが、やはり初めて聞くアレンジでした。

日本古謡を演奏する時には、わたしはカルテット鬼でも妖でも

原野さんにお世話になっていますから、チラリと顔をみたら

「うんうん」とうなづいていました。

さくらは、お花見がすんだら、誰も見向きしなくなる花ですよね。。

だから、、その散り際のはらはら落ちる様も目に浮かぶような、そんな演奏になっていたと思います。

やさしいやわらかいところ、日本音階の情緒あふれるところ、キリリとしたところ。。

うわあ~~。。。。オカリナっていいなぁ。

 

荒城の月

今 まさに生徒さんが練習しているアレンジで、ピアノの一音を聞いた瞬間にわかりました。

これってすごくラッキー!!

目の前に楽譜があらわれてめくれる感じ。

(聞かれるほうは、嫌かも・・・💦)

理想とする荒城の月が、目の前で奏でられていて、わたしも飛んで帰ってオカリナを吹きたくなりました。

どんどんバリエーションが変わっていって、リズムが入り、また主題に戻り

無常の美しさ、日本の潔しの文化、様々なものが表現されていて、圧巻でした。

 

幻想五木の子守唄

不思議な不思議な、哀しい夢見心地の中に、テクニックが潜んでいる曲でした。

聞いていると胸が締め付けられるような、そんな旋律が繰り返されつつ

ヴァリエーションも交えて、ピアノがまた良い感じに盛り上げて。。。。

最後のロングトーンすら、哀愁を帯びて、物悲しくすすり泣くように。

決して低音ではないのに。。。。

*気づいたかたもおられるかもしれませんが、かなりのロングトーンでした。

 

さくらのうた

吹奏楽の曲をソロ楽器用にアレンジしなおされた曲なんですね。

吹奏楽経験者なら一度は演奏している曲・・・なのかもしれませんが、世代の差もあって

わたしは演奏したことがありませんでした。

吹奏楽コンクールの課題曲だったそうですが、そうは思えないほどの、

なんていうんだろう、、、うーん。

テクニックを見せつけるような曲ではなくて、情緒がなくては演奏できない曲だと思います。

大変な人気のある曲なんですね。

わたしもすっかり虜になって調べてみましたが、どんな演奏も、どんな構成での演奏も

とても素敵です。

でも、原野さんもいっていたけれど「今日きいたのが一番だ」と言っていました。

わたしも、そうです。

柿内さんの演奏が最初で知った楽曲のため柿内さんの演奏でないと・・・って曲が

何曲もあります。

すがすがしく胸のすくような音、愛らしい姿からくりだされるパワフルで豊かで柔軟な音色。

だから、、あのEARTHももう、柿内さん以外の誰の演奏を聴いても「なんか違う」って思っちゃう。

 

朧月夜~祈り

わたしたちカルテット鬼がさくら~祈りを演奏しているように、

もともとのメロディラインのアレンジ部分はこれが元になっているんですよね。

ですから、そのメロディが繰り返されるたびに

ああ、それです。それなんです。

って思いながら。

日本の唱歌に組み合わされようもない、愁いを帯びたピアノの前奏から

ゆったりと始まる曲は、オカリナにぴったりです。

他にたとえようもないくらい、優雅で悲しげで儚い音色でした。

 

ウインタージャスミン

ショッカーの曲は、柿内さんがリサイタルで演奏されてから

好きになりました。

現代の曲ですが、長調と短調を不思議にいったりきたりしながら

不安な部分と、華憐な部分とが、とても良いバランスで。

低音から高音まで階段状に上ってゆくところが、雪がどんどん積もって孤独が増してゆくような

不安が増してゆくような

澄み切った音色が、なぜかさらにそれを煽る。

心が揺らぐ一曲でした。

 

 

Blowin' In The Wind 村松崇継

尺八奏者の藤原道山さんが演奏している楽曲でした。

カルテット鬼が能楽堂で演奏した、「キープアディスタンス」の入っているアルバムの1曲なんです。

あれはわたしがカルテットにアレンジしたので元譜も持っているんですよ(^^)v

 

Blowin' In The Windは、村松さんらしい音符の玉の動きで、風が吹いてくるような、

ピアノとのアンサンブルもすごくすごく素敵な曲です。

どんどん転調しながらテーマが繰り返されるたびに胸が熱くなってゆくような、

勇気がわいてくるような、今回のリサイタルの最後にふさわしい演奏でした。

思わず1月のあの時を思い出して重ねてしまいました。

なぜだろうね。作曲者は違うのに!

 

 

アンコールは早春賦とルーマニア民族舞曲からでした。

もちろん自主的ブラボー要員ですから、ブラボーしましたよ(^▽^)/

 

今回のリサイタルは、どなたでも

どこかで聞いたことがあるよ?がたくさんあったのではないでしょうか。

 

まったく知らない曲を知る喜びもありますが、知っている曲を、

自分が練習したり演奏したことがある曲が含まれていると、わたしは喜び100倍くらいになりますね!

 

そういう意味でも、印象に残るリサイタルでした。

オカリナの魅力を最大限に引き出し、

そしてプロ奏者だけではなくて、「生徒さんが練習している曲があった」っていう

リサイタルは、すごく有意義に感じました。

 

だって、そこにお手本があるんです。

 

だって、そこに今ここに、聞きたい、お教えしたい、自分も演奏したい、そんな音楽があったんです。

 

とても満足しました。

 

今日来られなかったかたはとても残念😢

 

どこかで再演があるとうれしいですね!

 

 

 

 

そんなこんなを話しながら、早めの夕ご飯を原野さんとご一緒して

帰路につきました。

 

ああ~~~本当によかった。

 

本当に本当によかった。

 

うーん、オカリナって良い楽器ですね。

 

柿内さんありがとうございますm(__)m