下北沢にある発酵・スパイス・出汁を重ねたジャンルレスなフレンチフュージョンのガストロノミーで、唯一無二のお料理に完璧なワインペアリングを楽しんできました
駅から数分。駅前の喧騒から離れ、古着屋や飲食店が並ぶ静かな商店街の中に佇みます。

外観同様、店内もミニマムでスタイリッシュな雰囲気で、入口近くに子供や犬もOKのグループ向きの大きなテーブル席があり
メインはゆったりしたフルフラットのカウンター席。
カウンターの一番奥は4人グループ向きに向かい合わせになっています。
シドニーのモダンオーストラリア料理レストランなどで長年腕を振るってきたシェフとオーナーによるサービスの二人体制で、スタート時間は18時と20時~。ただし、入れ替え制ではないようで18時スタートでも20時前に退店を求められず、よかったです(多分シェフがおひとりなので一度に客が集中しないようにコントロールしているのではないかと)
メニューはアラカルトもあるけれど、初めてなのでシグネチャーコースに。
Tasting meso(9800円)+ジャーニーペアリング(6グラス/9800円)
オーナーが選ぶワインはナチュールからクラシックまでバラエティに富んでいて、グラスワインは常時15種類以上。
ユニークなのはグラスワインは一律料金で、ワインのグレードにより、40ml/60ml/80mlと量を調整して出しています。
なお、「ワインを楽しむためのレストラン」なので、来店者全員がノンアルコールはNG。飲めない人は飲める人を誘っていきましょう!
Cremant d’Alsace Brut Nature 2023
Domaine Barmes Buecher
ドサージュゼロで苦みの中に深みがあり、クレマンダルザスでここまで美味しいのは初めてかも。
ペアリングはオーナーがワイン初心者にもワインおたくにも(←夫)それぞれのレベルにあった丁寧でわかりやすい説明をしてくれます。この日、オレンジワイン=柑橘の味がするワインと思い込んで注文したお客さんがいたのですが、それをばかにするわけでも頭ごなしに否定するわけでもなく、さりげなくお客さんが飲みたがっている爽やかな白ワインに誘導するプロフェッショナルな応対が印象的でした。
そしてこのフルフラットカウンターは本当にシェフとの距離が近く、目と鼻の先で盛り付けしている様子を見ることができます。
夫の誕生日祝いディナー第一弾に乾杯。
調理から盛り付けまで全て見渡せる劇場型はライブ感があってとても楽しい。シェフは黙々と調理に集中しながらも、こちらのちょっとしたつぶやきも拾って応えてくださるのもカウンターならでは♪
牡丹海老 蝦醤のトマトオイルコンフィ 発酵苺麹のソース
ボタンエビと甘えびに海老味噌とトマトのオイルコンフィ、苺を発酵させた麹ソース、トラウトキャビア、マスカルポーネと出汁を合わせたソース。
苺や海老味噌から想像する味をいい意味で裏切る奥深く複雑な味わいで、マスカルポーネと出汁のソースが優しくまとめてくれます。ぷりぷりの海老にトラウトキャビアのプチプチと弾ける食感がいいアクセント。
美味しいソースはパンと一緒に。このパンもとても美味しい!
Pinot Gris 2023
Williamette Valley Oregon
冷涼な土地なのかなと想像させられる味わいで、ほどよい柑橘の苦みを感じるとてもきれいなピノグリで美味。
焼きホワイトアスパラガス 春子椎茸の塩熟成ソース
走りのホワイトアスパラガスは火入れが完璧で、食感を楽しめる硬さ、でも筋は決して口に残らない絶妙な加減に焼き上げ、椎茸のソース、菜の花のピュレ、カカオニブにより奥行のある味わいに。そしてトリュフの佃煮の美味しさに悶絶。トリュフで佃煮を作る発想自体がすごい。この佃煮でTKGが食べたいと夫。
カンガルーミドルフィレの低温ロースト 蕗と山椒のパンプキンシード
クセや野生味がなく、とても柔らかくしっとり、赤身の旨味が凝縮。和を感じる洋梨と茗荷のソースと蕗と山椒、パンプキンシードのソース、そしてパンプキンシードと実山椒、湖南スパイスの織りなすハーモニーが素晴らしく、感動を呼ぶ至高の一皿
実は正直に言うと、食べる前はカンガルーはパスしてもいいと思うくらい興味がなかったのですが、食べてみたらその美味しさは後に出てきたメインを凌駕し、前菜の位置づけなのに完全にメインの満足度
私みたいなカンガルー肉への先入観がある人こそぜひ食べてみてほしい!
夫が今まで食べたカンガルー肉料理の中でベストと断言したら、同じようにオージーのお客さんから最高に美味しいカンガルー肉料理だと言われたことがあるそう。
シェフに聞いて初めて知ったのですが、カンガルー肉にはクロカンガルーとアカカンガルーの2種類あり、こちらは黒だそう。(あかぎつねとぎんぎつねみたいなもの?!)
ARISTOTELIS KE ANNTHOULA 2022
苦手なら変えるので遠慮なく言ってくださいと言われたオーストラリアのワインはフィアーノ、ヴェルメンティーノ、ネロ・ダーヴォラの3種類の白ブドウ、黒ブドウを使用。
無濾過でにごりがあり、どうかな?と思いながら飲んでみると、健全なワインなので変な豆香などもなく、ジューシーで紅茶や出汁のニュアンスもあり、「よくぞこのワインを見つけてきた!これ以上合うワインはないかも?」と感動したカンガルー肉に寄り添うベストなマリアージュでした。

初カツオの香味鰹オイルミキュイ表面ロースト 筍と実えんどう豆ピューレソース
ミキュイに仕上げた分厚いガチっとした食感の鰹はふわっと優しいたけのことえんどう豆のピュレとのコントラストがよく、生姜オリーブオイル漬け、どんこや昆布、カカオニブで作った自家製旨味パウダーと合わせるものによっても表情が変わります。
Trousseau 2023 Domaine Pignier
ジュラのトルソーとのマリアージュも見事。次々と出される珠玉のペアリングに普段ペアリングを敬遠する夫が「ここでは絶対ペアリングがいい!」と感激。
お料理の合間に誕生日プレートを用意するシェフ。
美しく焼きあがったビーフの撮影をしていたら、
シェフがいきなりしゃがみこんでキメ顔で映り込んできました
おちゃめです。
南濠州産 グラスフェッドビーフ赤身ステーキ 焼き茄子のトゥームクリームソース
美しい火入れのビーフにはレバノン風の焼き茄子のトゥームクリームソースに加え、ケールのピュレとデュカも添えて中東風に。
Santoli Pinot Noir 2021 Gruyere Yarra Valley
ほんのりスパイシーさも感じるオーストラリアのヤラバレーのピノノワール。
オリーブオイルの塩チーズケーキアイス ピスタチオと抹茶
盛り付けた後にしばらくカウンターに置いて、冷凍からちょうどいい具合になるまで半解凍。アイスクリームのひんやりした感じとチーズケーキのなめらかさの両方を楽しめるテクスチャーで塩が輪郭を引き締めます。
それぞれ単体で美味しいけど、この日本酒が濃厚な抹茶やチーズの風味に厚みを加え、1+1を10にも20にもする感動的なマリアージュ
ペアリングは4杯コースもあるけど、デザートのマリアージュまで楽しめる6杯コースがおすすめ。このマリアージュを経験できて本当によかった!

シェフの長年の経験と技術、感性によって作り上げる唯一無二のお料理は完成度、満足度ともに非常に高かった。
フレンチをベースに随所に世界各国のエッセンスを巧みに織り込み、1皿に複数のソースやピュレ、スパイスを盛り合わせ、1口ごとに味わいが変わる楽しさや複数を重ねることで生まれる複雑な味わいには本当に驚かされました。
そして料理に寄り添いながら相乗効果でお料理もワインも双方の味わいをより魅力的にする秀逸なペアリングに脱帽。これこそペアリングを選ぶ価値がある素晴らしい経験でした。
自由で個性的なミックスカルチャーの街・下北沢ならではのガストロノミーで、食の経験値がある程度高い人の方がその真価を理解しやすいかも。
感度の高い大人を惹きつけること間違いなく、ここで食事するために下北まで足を運ぶ価値あり!
感度の高い大人を惹きつけること間違いなく、ここで食事するために下北まで足を運ぶ価値あり!
季節ごとにメニューが変わるので、ぜひグルメ仲間を誘って、この感動を分かち合いたい
meso
世田谷区北沢3-30-3 下北沢シャモット1F
050-5593-6622




















