所要で浜松へ。夕食に訪れたのは知人から勧められたくずし之助。浜松駅新幹線口から徒歩10分足らず。帰りの新幹線の時間まで安心して食事が楽しめるロケーションです。
 
Google Mapを見ながら向かうと暖簾が出ている場所には看板がなく家紋だけ。食べログの外観の写真を見て間違いないことを確認して入店。中の扉の下に小さく店名が書かれていました。

 
 
店内は上品で落ち着いた雰囲気。カウンター席に案内されましたが、ほかにも個室やお座敷があるようです。
 
 
料理人は男性と女性の2名。和食店で若い女性の料理人は珍しいかも。かっこいい!
 
 
地元・舞阪漁港を中心に鮮度、質の高い食材を仕入れているとのこと。
 
 
料理長お任せ16500円のコースを。メニューには「閑かさや岩にしみいる蝉の声」。どんなお料理に出会えるかわくわく。
 
 
 
まずはスパークリングワインでスタート。小瓶をワインクーラーではなく、こんな風に冷やしてくれるのが粋ですね。
 
 
最初に岩牡蠣や大蛤、天然鮎、ウシエビ、松茸など本日の厳選食材について詳しく説明があり、お料理への期待が高まります。
 
 
カウンターは調理の様子を見ることができるライブ感と料理人との会話が楽しくて好き。特にひとりの時は話し相手になってくれるので時間を持て余すこともないし、地方の場合は地元ならではの貴重な情報を得ることができたりといいこと尽くし。
 
 
お通し 新米と新いくらのお粥
 
 
 
 
自家製いくらの味付け、新米のお粥の炊き加減がいい塩梅で、ほっこり優しい味わいになごみます。
 
 
 
 
替わり鉢 
御前崎産鮑の焼き豆富 オイスター餡 甘長とうがらし 白髪ねぎ 新銀杏
鮑を練りこんだ贅沢な焼き豆腐にホタテと牡蠣の餡がかかった貝尽くしは奥深い味わい。甘長とうがらしと銀杏は彩だけでなく食感的にもいいアクセントに。
 
 
お造り
舞阪産放血神経〆 天釣り物甘鯛 塩ポン酢
 
 
もっちりした甘鯛は上品で旨味があり、酢橘を絞ってそのままいただいても十分美味しい。(塩ポン酢は味が濃い目)
 
 
甘鯛といえば鱗焼き!
 
 
ぱりぱりで香ばしくて大好きです。
 
 
舞阪産首折れ鯵
千葉県産天然本鮪 土佐醤油 青南蛮醤油
キュートな魚柄のお皿は遊び心がありますね。
 
 
濃厚で甘い生雲丹も。
 
 
鮪は200キロ級の中トロ。炭で片面火を入れた方は土佐醤油で。
 
 
ちょっと焦げくさかった。
 
 
厚くブロック状に切った方は甘味をより感じ、口の中でとろけます。
 
 
鯵は青南蛮醤油で。肉厚な鯵は風味豊かで爽やか。
 
 
日本酒に切り替えます
 
磯自慢 純米吟醸
辛口で旨味があり美味。
 
 
蒸し物
浜名湖産スッポン煮氷り 焼きネギの茶碗蒸し 柚子胡椒銀あん
かわいい器!
 
 
蓋を開けると木の芽のいい香りがふわり。
 
 
口当たりなめらかで出汁が効いていて焼きネギがとろ~り。ただ私には銀あんの柚子胡椒が多く塩気が強すぎるように感じました。
 
 
ノコギリガザミ(マングローブガニ)が好きで、浜名湖でも幻の蟹と呼ばれるどうまん蟹が捕れるんですよね?と聞いてみたところ、ありますよ!と見せてくれました。これから本格的なシーズン到来でもっと大きくなり味も濃くなってくるそう。
 
 
これはさすがに貴重なので事前予約が必要で見せてくれただけかと思ったら、なんとサプライズで急遽コースに組み込んでくれましたドキドキ
 
 
内子たっぷりラブ
 
 
贅沢にも上からからすみをかけて。
 
 
嬉しい~ラブ
 
 
からすみは大好きだけど、蟹の味がからすみの旨味で消えてしまってもったいないかな。
 
 
内子はぽくぽく食感で美味しい。
 
 
 
揚げ物
御前崎産岩牡蠣のパン粉揚げ ホワイトソース フォアグラバター 春キャビア
最初に見せてくれた14~15年ものの大きな岩牡蠣はフライにして上からホワイトソース、フォアグラバターをかけ、
 
 
さらに春キャビアを乗せます。南アルプスの水で育てた国産キャビアで、塩分濃度をカスタマイズしたくずし之助の家紋つきオリジナルラベルのキャビアです。
 
 
 
 
 
大きくカットしても3切れほどもある大きな岩牡蠣にフライにしてホワイトソースとフォアグラバターでは私には濃厚すぎて、先ほどの柚子胡椒に続き、これで完全に満腹中枢がやられました。前半に食べたかった~笑い泣き
 
 
焼き物
天竜川産天然鮎の炭火焼き 山椒塩
 
 
食べやすいよう頭と尻尾と身の3つにカットしてくれました。
 
 
じっくり長時間かけて焼いてあるので頭もさっくりバリバリで香ばしい。骨も全く気になりません。これも塩味強め。体調的にそう感じたのかしら?
 
 
浜名湖産ウシエビ(カラス海老/クマ海老とも呼ばれる)
秋を告げる海老で先週くらいから出てきたはしりだそう。
 
 
こちらはほぼレアな状態に茹で、握りに。
 
 
ぷりっぷりで甘味、旨味が濃厚。あーもっと空腹時に食べたかった。もうお腹いっぱいすぎて涙目です。
 
 
椀代わり
早松茸 浜名湖産蛤 大黒しめじ
今年初土瓶蒸し♪
 
 
まずはそのまま、次はお猪口の周りに酢橘を回して香りをつけて、その次は蓋を開け酢橘を絞り、そのまま中に落とし、最後は中の具を楽しみます。素材から出た出汁の味は美味しいけど、松茸よりしめじの香りが強いかも~。
 
 
 
浜名湖といえば浅利ですが、近年危機的状況にあり、最近は安定して獲れるこの大蛤にシフトしてきているそうです。具も食べ応えあり。
 
 
 
 
 
 
 
肉料理
引佐産峯野牛の炭火焼 浜名湖産クレソン 赤ワインソース
上からサマートリュフをかけて♪香りがとてもよく、とてもおいしそうだったけど、もうお肉料理が入る余地なしと思っていたら、お持ち帰りできますよと嬉しいことば。翌日いただきましたが、お肉は柔らかくて旨味が濃く、サマートリュフなのに香りがしっかりあり、とても美味しかった!からすみがかかったじゃがいもも美味。
 
 
お食事 ウナギと赤万願寺とうがらし
赤万願寺って初めて見たかも。実は目が悪いので最初サクラエビかと思いました(笑)
 
 
 
こんな風に供されますが、こちらも全くお腹に入る余裕がなく、お持ち帰りに。わざわざ撮影用に盛り付けてくださり感謝。この日も暑かったし、前日の睡眠不足なども影響したのかな。
 
 
美しく折り詰めに入れてくださいました。こちらも翌日いただきましたが、出汁が効いたうなぎご飯も見た目と異なりさっぱりした手羽先、イカの沖漬け、お漬物などすべて美味しかったです。
 
 
本日のデザート
シャインマスカットのゼリーと桃のコンポート
ひんやりさっぱり爽やか。
 
 
地元の質の高い新鮮な食材をふんだんに使ったここでしか食べられない美しいお料理で、旅行先ではその土地の物が食べたい私には理想的なお店でした。食べきれないほどボリューム満点でコスパも高いと思います。食べきれない分を持ち帰らせてくれる心配りも嬉しかった。
 
にこやかな大将のお料理の説明も丁寧で、楽しい時間を過ごすことができました。
 
(蛇足ながら、トイレは茶香炉からお茶のいい香りが漂い、さすが静岡と感心。)
 
大河ドラマも後半に入り、ますます盛り上がりを見せている浜松。東京から新幹線でわずか1時間なので、日帰りで美味しいものを食べに行くのもいいかもしれません。


 
くずし之助
静岡県浜松市千歳町39
053-488-4939