※この記事はただいま公開中の映画『ちはやふる -結び-』のネタバレを多く含みます。まだ見ていない方はご承知のうえお読み下さい。
どうもーぐっさんです!
さあ、今回はもう前置き無しでどんどん本題にいきますよ!
なんせ前回は結びの感想を書くつもりが、上の句・下の句の感想だけで終わってしまいましたので・・・。
後半戦の今回は、いよいよ今年公開でまだまだ大ヒット上映中の『ちはやふる -結び-』について語り尽くします。
上の句・下の句から2年後の『結び』では、高校3年となった千早や太一たち瑞沢かるた部の全国への最後の挑戦が描かれます。
映画冒頭から名人戦・クイーン戦といった最高峰のかるたの戦いで始まるように、今回はとにかく純粋なかるた勝負を見ることができます。
そんなわけで稽古風景なども最初の新歓の場面に少しはありますが、基本的には大会の試合風景がメインになります。
そして前2部作で伏線が敷かれていた千早・太一・新の三角関係も決着に向かっていきます。
◆新たに登場する個性溢れる面々が全国の舞台で激突する!
『結び』からはじめて登場するキャラクターが何人かいるのだが、どのキャラも一癖も二癖もあるというか、印象に残る人物が多かった。
まずなんといっても冒頭でいきなり登場する「最強の名人」周防久志。
下の句で登場したクイーンの詩暢同様、作中で圧倒的な強さをもつ人物として描かれ、勝負のスタイルも詩暢に似て音のない静寂のかるた。
個人的には『結び』で最も惹きつけられたキャラで、はっとさせられるセリフもたくさんあった。詳しくはのちほど紹介する。
そして瑞沢の新入部員が2人。筑波秋博と花野菫。
筑波はかるた経験者で、当初は千早を驚かせるほどの強さを見せるのだが、すこぶるひねくれ者。自分よりかるたが弱い人の指示には従わないといった性格で、上級生を困らせる。
もう1人の花野は今時の女子高生といった感じで、イケメンの太一につられて入部。
指先までオシャレしたい年頃で、かるたに真剣に向き合おうとしない。
初登場のキャラ、最後の一人は高校1年ながら準クイーンの実力者である我妻伊織。
新のことを「おにい」と呼んで慕っており、事あるごとに交際を申し込むが即答で断られるというのがおなじみの掛け合いになっている。
のちに新が創設する福井の藤岡東高かるた部に入部、新たち南雲会の面々と共に全国優勝を狙う。
こうした個性溢れるキャラが全国の舞台、近江神宮でぶつかっていく。
◆部活と受験のあいだで迷い、「本当の強さ」とは何かを追究する
全国大会を勝ち抜くというのはもちろん重要なテーマなのだが、『結び』では主要キャラが高校3年ということで、「部活と受験の両立」というのがもう一つのテーマになっている。
その中で顕著なのが太一で、東大合格を目指しながらかるたを続けていくということ、今まで千早のためにかるたをやってきたことから前作以上に迷いが生まれる。
そして遂には都大会の本番当日になってかるた部をやめてしまう。
「チームとはなにか」「強さとはなにか」といったことをよりいっそう考えさせられる内容で、特に太一と周防の師弟関係から学ぶことが多かった。
太一が周防の勝負論に触れ、徐々に迷いを乗り越えて成長していく姿を見ていて、「本当の強さ」とは単に試合に勝つことではないのではないかと思った。
周防が太一に言った「本当に強い人間はまわりを強くする」「後進には希望を 相手には敬意を 仲間には勇気を」といった言葉が指すのはどのような人物像だろうか。
やはり千早のように誰よりかるたを愛し、どんな逆境でも明るく振る舞い、そして絶対に勝ちを諦めない姿勢のことだろうか。
それとも詩暢や周防のように圧倒的な強さをもって頂点に君臨し、後進の憧れとなり業界全体に影響を与えていくような人物だろうか。
なにか一つの分野を突き詰めて技術を高めていくことの面白さは、こういった強さの追究にあるのかもしれないと改めて教わった気がする。
こんなにも没頭できる、ひたむきに向き合えることがあるというのは人生にとってとても大事なことだと思う。
◆運命戦は運命ではない? 全国で猛者達が激突!
太一を欠いた状態で都大会に臨むことになった瑞沢かるた部。
苦戦を強いられながらもなんとか決勝リーグまで辿り着くが、北央戦で窮地に立たされる。
千早が一勝するも、肉まんくんと奏がそれぞれ敗れ、残すは机くんと新入部員の筑波。
筑波はチーム戦を軽んじ、掛け声も一切ないワンマンプレーで千早たちを困らせていた。
北央戦ではそれが勝負の分かれ目となることに。
試合のクライマックス、机くんと筑波がどちらも運命戦を迎える。
机くんが対戦相手である北央側の違和感を感じ取り、筑波に声をかけた瞬間、筑波が相手に札を送ってしまった。
机くんの対戦相手はその札送りを見てから札を送ってくる。
これは札合わせという団体戦におけるテクニックだったのである。
この戦術によって瑞沢は北央に敗れることになる。
この都大会決勝の札合わせは伏線となっていて、全国大会決勝の展開につながっていく。
全国決勝の札合わせでは、太一があえて自分にとって不利な札を自陣に残す選択をする。
その選択が勝敗にどう影響したのかは是非劇場で見届けてほしいところだが、とにかくこの札合わせの場面では団体戦の面白さやシビアな部分がよくわかる。
『ちはやふる』シリーズは前作の下の句でも新と詩暢が「個人戦と団体戦のどちらが純粋か」といった論争をしていたように、そのふたつの対戦形式を対立させている。
そして部活マンガであるからか団体戦に軍配を上げているようで、これにはとても共感できる。
スポーツと同じで、こうした競技は仲間との一体感を原動力として強敵に打ち勝つ、ということに醍醐味があると思うからだ。
『ちはやふる』でもそれは(特に下の句後半から結びにかけて)一貫して描かれている。
この団体戦の異様な「熱量」が良い意味で少女マンガらしくない『ちはやふる』の個性であり、この作品がここまで多くの人々を惹きつけた魅力ではないだろうか。
◆千早が最後に見せた「決意」とは・・・
結びの冒頭で新に告白された千早だったが、それに対する答えは長らく保留していた。
全国大会の決勝で藤岡東との激闘を制し見事優勝を遂げた瑞沢。
勝利の余韻も冷めやらぬ中、千早は新を連れ出して走り出す。
いよいよ告白の答えが聞けると観客がドキドキしていると、千早から出てきた言葉は意外なものだった。
それは幼い頃に新と約束した「かるたで世界一になる」という夢だった。
全国大会で優勝し、その夢が現実味を帯びてきた今だからこそ、新に伝えたい千早の正直な気持ちだろう。
新もその千早の決意を正面から受け取り、映画は終着となる。
映画の最後、千早と太一の頭上に堂々と立つ近江神宮、その先にいるであろう詩暢、という図式が印象的であった。
恋の結末はやや不完全な展開ではあったが、全国優勝してなお「強くなりたい」と願う千早を見ていて、本当にストイックな作品なんだと改めて思った。
人が真剣になにかを追い求めている姿を見るのはとても刺激になる。
自分も千早のように、すべてを投げ出してもいいと思えるようななにかに出会いたい。
あと、まったく知らないかるたの世界を見ることができる映画っていいな、と思いました。
以上です!
次回はまた一言コメントのスタイルに戻ります!
更新は不定期ですが気長に見守っていて下さい。
最後まで読んでくれた方、本当にありがとうございました!
