ダイビングが趣味の一つです、と言うと大抵の人の反応は3つに別れます。
1.全く分からず色々と聞く人
「どこでやるんですか?タンクって重くないですか?何m潜るんですか?」
2.純粋にうらやましがる人
「うわー、いいなぁ~」
3.すごく心配する人
「大丈夫?気をつけてね?(死なないでね)」
●ダイビングは危険なスポーツの一つと思います。
自然を相手にするから、何が起きるか分からない。天変地異の影響を受ける、といったことは、他のアウトドア・スポーツ、例えば登山などと変わりません。
事故率とか遭難率といった統計値は分からないですが。
ただ、ダイビングが他のスポーツと大きく違うのは、以下の2点だと思います。
(1)水中では人間は長く生きていけない
(2)基本的に器具に頼る割合が非常に高い
(1)水中では人間は長く生きていけない
当たり前ですが、人間は肺呼吸をしないと生きていけません。よって、「空気」を吸い続ける必要があります。
ここで「空気」と書いたのは意味があって、「酸素」とかではありません。よくクイズで「ダイビングタンクには何が詰まっているでしょう?」と聞いて、酸素という答えを出す人がいます。
正解は圧縮した「空気」です。
空気中の酸素割合(酸素分圧と言います)を超えて、純酸素(酸素100%)に近づいたものを吸い続けると、酸素中毒が起きかねません。
なので「圧縮した空気」をタンクに詰めて水中で吸うわけですが、水中は水圧がかかっているので、いわゆる「高圧環境」になります。
その環境下で「空気」を吸うと、気体が体内に飽和状態で溶け込みます。この状態で浮上時に圧が低くなると、体内(特に血管中)で飽和していた気体が気泡化します。
これが減圧症です。こうした知識と対応策を知らずに(あるいは知っていても無視して)ダイビングすると、極めて危険なことになります。
(2)基本的に器具に頼る割合が非常に高い
ダイビングでは、器材が必須になります。タンクなどは一般の方でも分かりやすいですが、他にも必須のものとしては、
・レギュレーター(タンクから空気を吸うための器材)
・BCD(浮力ベスト。無くても水中では何とかできますが、潜行・浮上時は必須)
・ウェットスーツ(暖かい海では無くても何とかなりますが、傷防止目的で必須)
・ウェイト(余計な浮力を打ち消すために必須。無いとほぼ潜れません)
・マスク(絶対に必要)
・フィン(無いと進みません)
・シュノーケルパイプ(無くても何とかなりますが、安全器具として必須)
・ダイビングコンピューター(通称ダイコン。無しは危険です)
等々は、ないとダイビングができません。
登山などでも、例えば岩登りとか沢登り、雪山など、特定領域ではかなり器材を使いますが、場所と時期を選べば無くても登山はできます。
(例.アイゼン・ピッケル・カラビナ・ザイル・ハーケン等)
ダイビングは器材が無いとできないので、器材の扱いに熟知していること、経験豊富であることが必須です。ベテランでも、初めて使う器材だと、とっさの時に戸惑うことが多いです。
●十分な知識と経験、謙虚な態度があれば楽しいダイビング
前述の「3.死なないでね」と感じる人は、周りで事故にあった人が居る、とか、ダイビングの事故報道が気になっている人だと思います。
上に書いたように、私はダイビングは基本的に危険と隣り合わせのスポーツと考えています。よく、「泳げなくてもダイビングはタンク背負って潜るので問題ない」と言う人も居ますが、トンでもないと思います。
確かに、泳げなくてもダイビングはできます。
しかし、いざピンチに直面したときに役に立つのは平常心で、これが無いと漁師だって河童だって溺れます。これだけは自信をもって言えます。事実、平常心なくしてパニックになって、溺れて亡くなったケースは山ほどあります。その意味では、泳げない人はまず最低限の水泳の訓練をすべきと思います。ダイバーになるためには、Certification:認定証の取得手続きが必須ですが、その一つして何m泳げること、といった条件がある場合が多いです。
十分な知識(認定証Cカードを取った後でも勉強すべき)
経験(タンク何本潜ったという言い方します。経験の無い人は危険度の高いところは連れて行ってもらえません)
謙虚な態度(ベテランだから、こんなことはやらなくても大丈夫、とか思わないこと)
これらがそろえば、水中は地上と別世界です。また、日常のすべてを忘れることもできます。基本的にきちんと呼吸して生きることが第1優先なので、日常のこまごましたことを気にする余裕は無いです。
ダイバーになろう!楽しいダイビングをしましょう!



