中井久夫『統合失調症の有為転変』2013・みすず書房-その2・こまやかな精神科臨床に学ぶ | ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)  

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 2017年のブログです

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 中井久夫さんの『統合失調症の有為転変』(2013・みすず書房)を再読しました。
 前に読んだのは2013年秋ですから4年ぶりです。
 いい本なので早めに再読をしようと思っていましたが、4年たってしまいました(中井さん、ごめんなさい)。
 しかし、やはりいい本です。
 中井さんの統合失調症の患者さんへの優しさが本からあふれてくるような感じで、読んでいてこちらまで優しくなれるような気がします。
 4年で自分がどれだけ成長できたのかは心もとないのですが、こういういい本を見つけて読むのも、一応、才能かもしれません。
 本の中身は、やはり中井さんの精神科診療のさまざまな工夫、丁寧な考察、そして、優しい祈りでしょうか。
 そうなんです。中井さんは患者さんに薬を出す時に、どうか効きますように、と祈るらしいです。

 すごいお医者さんです。
 あとは絵画療法についての報告と考察。

 細やかでいい論文が並んでいます
 この4年の間に、中井さんの『精神科医がものを書くとき』(2009)、『隣の病い』(2010)、『世に棲む患者』(2011、いずれも、ちくま学芸文庫)などなどを読ませていただいて(そのうちのいくつかはブログにご紹介させていただきました)、中井さんのご本からはずいぶんと勉強をさせてもらっています。
 中井さんはいつもそうですが、実践第一で、ご自身が経験したことを丁寧に細やかに書いてくださるので、本当にとても参考になりますし、そこからまた自分の考えを深めていくことができるような気がします。
 そういう本が本当にいい本なのだろうと思います。
 今後、さらに経験を積み重ねて、考えと実践を深めたいと思います。    (2017 記)

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 2022年5月の追記です

 じーじも、カウンセリングが、効きますように、効きますように、ってお祈りしようっと。    (2022.5 記)