椎名誠『三匹のかいじゅう』2013・集英社-三匹の孫かいじゅうとシーナじいじいの物語です | ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)  

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 2019年のブログです

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 椎名誠さんの『三匹のかいじゅう』(2013・集英社)を再読しました。
 シーナじいじいの孫物語シリーズの第三作。
 シーナさんの息子さんの岳くん家族が、第三子を日本で出産するためにアメリカから来日、その前後のシーナさんのじいじいぶりが描かれます。
 おもしろいです。とてもおもしろいです。
 じーじにも心当たりがあるようなできごともあって、思わず笑ってしまいます。
 頻繁に笑ってしまい、この本も電車の中で読むのは危ない本だと思いました。
 第三子は無事に生まれ、琉太くんと名づけられます。
 そして、風太くん、海ちゃん、琉太くんの三匹のかいじゅう相手にシーナじいじいの奮闘が始まります。
 しかし、2011年3月11日の東日本大震災があり、その後、原発事故が起こります。
 シーナじいじいは孫たちへの放射能汚染を心配してみんなで沖縄に一時避難、その後、岳くん家族のアメリカへの帰国も考えながらの日々となります。
 楽しいながらも、癌発問題や日本の歪んだ社会事情を背景にして、シーナじいじいは時に怒りながら、孫たちにはとても優しく、楽しく孫育てを行ない、その光景は読んでいてもうれしいものです。
 シーナじいじいの怒りが正当だけに、孫たちへの愛情は際立ち、じーじも正義感の強いじーじになりたいなと思わせられます。
 決して甘いだけではない、いい小説です。
 最後、一番上の風太くんがシーナさんの書いた孫物語第一作『大きな約束』を読むようになるところで物語は終わます。
 続きが楽しみな、上質の小説だと思いました。      (2019.4 記)

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 2021年秋の追記です

 2年ぶりに再読をしました。じーじにしてはかなり早い再読です。

 いい小説ですね。さすがのじーじでもあらすじは覚えていましたが、シーナさんの文章がいいです。

 読んでいて、とても幸せな気分になれる小説です。おいしいビールが呑めそうです。     (2021.9 記)